前へ目次 次へ 14/36 13 中身 控室。 紫は鏡の前に立ち、機体の顔をゆっくり触る。 頬に手を当てるまで、一拍。 鏡の中の顔が先に動いたように見える。 黄が「どうしたの」と聞く。 ミナは「……いえ」と返す。 赤が近づき、「調整入った?」と軽く問う。 紫は少し遅れて頷く。 「……うん」 その声が、わずかに違う。 「ならいい」 赤はそれ以上聞かない。 ミナは繋がるのを感じる。 ズレ。停止。衝突。 そして、この違う声。 “中が違う” その言葉が、初めてはっきり頭に浮かぶ。 でも、言わない。