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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
身辺整理編

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私の心が狭いのか?

 

 この封印は神気を込めながら解除の式を刻めば解ける。女神パレスが作った封印なので、パレスよりも強い神気であれば簡単だ。ただ神気を使い過ぎて封印を解いた瞬間に逃げられるとか避けたいので本体で来たのだが……逃げられないように結界を張っておくか。幽霊だと細かい事が出来ないから本体で来て良かったよ。


「封印解除……っと。うん、解けた」

 石碑が光り輝き、粉々に崩れ去った。そして粉々になった光が集まり、二つの形が出来上がった。一つは小さい人型で、もう一つは大きな人型。こっちが悪魔かしら? 間違えたら嫌だから一応両方拘束するか。

 両足に神気を混ぜた鎖を巻き付けると、抵抗出来ないと悟ったのか大人しかった。


『『っ……』』

「質問。どっちがパレス?」


『『こっち』』

「……どっちよ」


 小さい方は可愛い幼女。大きい方は綺麗なお姉さん。どっちもパレスと言われたら信じてしまいそうな雰囲気というか、一緒に封印されていたせいでどっちも神気を感じるのだが……結界を張っているせいで誰も入って来られないし、解いたらどっちかに逃げられそうだし……神眼で解析するか。

 大きいお姉さんは女神ブレイク……血剣の悪魔ブレイクじゃなかった?

 小さい幼女は女神パレス……こっちがパレスね。

 いやいやいや、ブレイクが女神になってんじゃんっ!

 悪魔って女神になるの? そもそも女の悪魔だったの? えっ、めっちゃ混乱しているっ!


『お前、そんな小さかったか?』

『そっちこそ、黒くないじゃない』

「……」


『あ? は? なんだこれっ! 手が白いっ! どうなってんだ?』

『うわ……貴女女神になっているじゃない……どうなってんのよ……』

「……」


『女神だってっ!? はぁぁぁあ? ふざけんな戻せっ!』

『戻せったって無理よ。悪魔が女神になるなんて聞いた事ないもの』

「……」


 言い合いが始まったので落ち着くまで眺めていよう。

 まだ混乱の海から這い上がれていないのだが、女神と悪魔が一緒に封印されたらどちらかの影響を受けると仮説を立てた場合……例えば妖精と精霊を一緒に封印したらどうなるのだろうという好奇心が疼き出した。

 先ずは身近な植物から始めてみようか……いや何か条件があるからそれを絞り出せば良いのか。更に2人を解析する必要がある。

 ふみゅー……


『嘘だろ……なんでお前が悪魔にならなかったんだよ……』

『ふんっ、私の方が位が高かったみたいねっ。ざまぁないわっ!』


『女神になってしまったら存在意義が変わってしまう……くっ、どうすれば……おいお前っ! 早くこの鎖を解けっ!』

「ん? やだよ。なんで悪魔から女神になったのか解析中だから待って」

『ねぇ貴女、私は女神パレスよ。封印を解いてくれたお礼をしたいの。この鎖を取ってちょうだい?』


「やだよ。一緒に解析しないと意味ないから待って」

『っ……私、女神なのよ? こんな鎖に繋がれたままで良いと思っている?』

『はははっ、ガキだからナメられてんなっ!』


『ガキじゃなわよっ! ねぇこれ痛いから外して欲しいの。お願い……ねぇ、聞いてる? ところでこの封印解けるって何者? えっ……なんで? 神眼で視えない人間なんて居るの?』

『神眼ってどうやるんだ?』

「んー……なんとなくわかったけれど相談出来る人が居ないなぁ……動画は撮ったけれど神に詳しい人と検証したいし、事例があるのか知りたいし仕組みも知りたい……マリンさんは知らなさそうだからなぁ……」


『こうよ。ねぇ貴女何者? 女神に無礼を働いたらどうなるかわかっているんでしょうね? 今なら許してあげるわ』

『おー出来た。草とかの情報消すのどうすんだ? これ頭おかしくなるぞ。こう? おっ出来た……は? 正体不明ってなんだよお前。黙ってないでなんとか言えよっ!』

「知っている神なんて他に居ない……女神……あっ、そうだルゼル様に聞きに行こう。デスちゃん迎えに行かなきゃいけないし……ん?」


 ……なにしてんの?

 2人で正座して怯えたように私を見ているが、何もしていないよ?

 とりあえず何か言うまで待ってみるか……ライズ達から見て震える幼女を正座させている私は悪者に見えていそうだが、本当にどうしたのさ。

 ブレイクを見ると困惑しながら正座している。まるで自分の意思じゃないみたいだが……私も困っていると、パレスが口を開いた。


『あ、あの……ルゼル様、とは?』

「あぁ、知り合いの女神に相談しようと思っただけだよ」


『もしかして……黒金様でしょうか?』

『は? こんな奴が知り合いな訳ないだろ』

「うん、黒金様だよ」


『『っ!』』

「ルゼル様はやっぱり有名なのねー……あのさ、なんで土下座してんの?」


『黒金様のお知り合いとは知らずご無礼をお許しくださいっ! あの差し支えなければご関係をお伺いしても……?』

「関係? ん~~……一緒にお茶した関係かしら」


 どんな関係って困るよな。屋敷に半誘拐されてまたパンパンに半誘拐された訳だから合わせて普通に誘拐された身だね。誘拐されたなんて言えないがお茶したからお茶した関係で良いわねー……って二人とも土下座から動かない。

 怯える幼女を正座させる女から震える幼女を土下座させる女にランクアップした訳だ。ライズ達の方を怖くて見られない。


『わたくし共は……処理されるのでしょうか………なんとか、なんとか御慈悲を……あんたも何か言いなさいよっ』

『……頼む』

「……あのさ、悪さしないなら別になんもしないよ。ってか2人ともこれからどうすんの?」


『どうすると言われましても……わたくし共はこの世界の者ではありませんので貴女様が出て行けというのなら出て行く他ありません』

「私はこの世界を管理する神じゃないからそんな事言わないよ。別に残りたきゃ残れば良いし……私抜きで考えたらパレスはどうするの?」


『えー……と、この街を見て、信仰が無ければ他の街に行こうかなーって思います』

「あぁそれなら信仰はあるから気が済んだら出て行けば? 友達も居るしあの精霊さんと話し合っておいて。ブレイクはどうするの?」

『……女神になってしまった以上、信仰がなければ弱ってしまう。でもどうしたら良いかわからない』


 信仰やら力を得る為の何かをしないと力が弱くなるから、神って不便と言えば不便よね。私なんて人見知りなのに信仰や幸せオーラを集めないといけないし。

 ブレイクは悪の女神にもなれるが討伐されてしまうから悩んでいるみたいね。良い女神なんて何が良い女神か知らんが、慣れない事をしろって酷だと思う。でも今まで悪さしていたんだから弱っても良くないか? 明らかにパレスの方が弱っているからブレイクは結構力を吸収してしばらくは大丈夫そうだし……まぁパレスとブレイクは姉妹みたいになってしまったから2人で仲良くやれば良いのでは? なんか封印されている間に色々話していたみたいで、仲が悪い訳ではないみたいだし。

 というか、私に関係なくね? パレスと友達になれたら良いなーなんて思っていたけれど、それは思っていたのと違うし見事に打ち砕かれたからもうどうでも良いというか……この2人に構っていたら時間掛かりそうね。


「まぁ良いや、そこにこの国のトップが居るから今後の事はそっちで話し合ってくれる? なんか疲れたから帰るわ……結界解除、封印解除」

『『えっ……』』


「ライズー、ナナリーちゃーん、終わったから帰るよー。ナナパパさんあとはよろしくー」

「「「えっ……」」」


「精霊さーん、封印解除したから私は用済みだよねー。帰るわー」

『……状況だけ、説明してくれないか?』


「なんか一緒に封印されたせいでブレイクも女神になっちゃたみたいなのよ。パレスの姉妹みたいな関係になっちゃったから討伐しないでね」

『……それは、困ったな』

「女神が2人……か……いやどうしよう……」


 まぁ頑張って。私はもう頑張りました。身体の発光も止まったし、やる事やったし、ご飯は宿に持って来てもらおう。

 ナナリーちゃんは残る? そう、責任感強くて良いわね。ご飯届けてね。

 ライズ、帰るわよ。


「台本どうする? やる?」

「いや、いいやぁ……なんか疲れた。長くなりそうだし私の役目終わったから宿に戻ろ」


「そだねー。でもめっちゃ見てるよ」

「なんか私が怖いみたいね。かなぴーのよ」


『お待ち下さいっ!』

 えー……パレスが私の前にスライディング正座をしてとうせんぼしやがった。なんだよ……怖いんでしょ? ナイトクラウンで仲良くやりなよ。

 ……えっ、何も言わないとか怖い怖い。


「……なに?」

『わたくし共は野良の神です。人間の崇拝だけでは力を発揮出来ません……なのでその……』

『ハッキリ言えよ。力を分けてくれって』


「……」

『力を分けて欲しいとかじゃなくて……御神器というか、力の籠もったものが欲しいなぁーなんて……』

『なんか無いか?』


 ……封印解いてやったんだからありがとうで終わっておけよ。図々しいと思ってしまったのは私だけか? みんな私を見ているし、何かあげないといけないの? あげたらとんずらするんじゃねえの? 正直こいつら信用してねえんだわ。ルゼル様のあたりで態度変えてからなんか合わないなぁなんて思ってしまったし……まぁ人間とは感覚が違うから仕方がないとは思うのだがね。頭ではわかっているがなんか腑に落ちないのも仕方がない。

 はぁ……ナナリーの手前恩を売っておいた方が良いのも事実……でも私に恩は返さなそう。

 あーもう思考がマイナスだよ。


「はぁ……今後の話をして方針を決めてからで良い? まだ2、3日居るからさ。帰るわ」

『わたくし共もご一緒しても良いですか? 泊まる場所が無いので温かいベッドで眠りたいですっ!』

『身体バキバキだもんなー』


「あ? 公爵家に泊まれば良いでしょ。疲れてんだよ」

『またまたー神気に溢れているのに疲れている訳ないじゃないですかー。見て下さいこの身体、子供になってしまったんですよ? この身体じゃ何もできませんが場所は取りませんっ! こいつは置いて行って良いのでわたくしだけでもっ!』

『おいっ、置いていくなよ。俺も行くぞ』


 うぜえ。明日なと言って横を通り過ぎたらしがみ付かれたがそのまま歩いて引き摺っている。今度は幼女とお姉さんを引き摺る女にクラスチェンジしたが、もうどうでも良い。


「……」

『痛いっ、痛いです! 連れて行って下さいっ!』

『なんでこんな馬鹿力なんだよっ、びくともしねえっ!』


「……」

『お金無いんですっ! 貸して下さいっ!』

『肉食いてえなー』


『面倒見て下さいっ! 神気も下さいっ!』

『くれるんだろ? 早くくれよ』

「……封印」


『『ぎゃーーー!』』


 ……よし、帰るか。


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