表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
身辺整理編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

335/363

デスちゃんはもう、親離れしたのかな……

 

「ねぇルクナ、これどうすんの?」

「どうしようね。ついカッとなって封印してしまったけれど、これはこれで良い景観よね」


 目の前には女神像が2体。これに良い感じの社を建てれば女神神殿として観光名所になりそう。

 女神像は泣きそうな雰囲気を出しているが、うざいのは嫌なのよ。反省したかと聞いたら反省しましたと返事があったので封印を解いた。


『はぁ、はぁ、調子に乗りました。すみません』

『……死ぬかと思った』

「ナナパパさんと今後の話をしてどうするか決めたら話ぐらいは聞いてあげる。わかった?」


『はいっ! ブレイク、抱っこして。この身体歩きにくいわ』

『自分で歩けや。ったく俺もほっそい脚になっちまったな……』

「2人とも仲良くしてね。特にブレイク、人と良い関係を築けないとこの世界の竜神に消されるから気を付けて」


 この世界に人の神が居ないもしくは姿を隠している理由を考えていたが、悪目立ち過ぎると竜神達に殺されるからだと思っている。私の場合は妖精女王と友達でウォーエルが氷神巫女だったのもあるし、シャフェルを返したから安全圏内なのだと思う。

 でもこの2人は何も無い。例え私の友達だと言ってもこの世界の為になる行動をしないと追い出されるか消されるか……裏の王も同じ理由だとしたら……いや、まだこの考えは保留にしておこう。


『竜神ってなんでみんな保守的なのかしらね。この世界の竜神とは面識無いけれど、長命種だから?』

『知らねえよ。俺は魔神としか関わり無かったし』

「悪魔は魔神と関係が深いの?」


『関わる事が多いだけだ。まぁ魔神の下に付けば恩恵は多いから従う悪魔や魔王は多いな。俺もここに西の魔神が来ていると噂で聞いて来たが、会う前に封印された訳だ』

「あぁそうなのね。魔神に会ってどうする気だったの?」


『力を貰う為に魔神の雑用でもしようかなって思っただけだよ。この世界は平和だから魔神はもう別の世界に行ったんだろ?』

「さぁ? しらなーい。有名な魔神?」


『西の魔神は幻の存在なんだ。もし力を得られれば悪魔達から羨望されるし箔が付く。序列も上がるから俺たち悪魔が探していたんだが……この世界もハズレか』


 デスちゃんって幻の魔神だったのね。我が娘は私よりも凄い存在なのはわかっていたが、私の娘として受け入れているのは良いのかしら。いつかは私の元を離れてしまうのではないかと思ったら胸が痛いよ。

 もし私がデスちゃんの母だと知ったらウザさが何百倍になるかわからないので黙っておこう。

 とりあえず女神達を置いてライズと2人で宿に戻ってきた。


「ふぅー……らいずぅーぎゅーしてー」

「はいはい。お疲れ様……やっぱめっちゃ良い匂いだわ」


「ライズもマッサージする? さっきローザの悩み相談に乗っていたのよ」

「じゃあお願いしようかな。皇女って悩み多そうだよねー。立場があるから」


「まぁね。脱いで横になって」

「うん。ルクナも脱いだらドキドキするんだけど」


「ジャージにオイル付いたらシミになるのよ。裸でやろっか?」

「えー、どーしよー……裸だったら……ねぇ?」


 ねぇ? って期待した目で言われてもねぇ? ウォーエルとイチャイチャしたくせに欲張りさんね。

 でもエッチな事をしたら神気が溜まってまた身体が光るから今度ね。今度というかウォーエルに引き渡すだけでウォーエルの私ラブが加速するからなんか面白いというか、いつにも増して優しくなるので嬉しいのよね。


「今日ママの所行く?」「えっ、良いの?」

「うん、ちょっとルゼル様の所に行って今回の事を聞いてみるのと、デスちゃんの様子を見に行きたいからね」


「何話したか教えてね。いやルクナって度胸あるよねー、あのやばい神に会いに行こうなんて私じゃ絶対無理」

「まぁデスちゃんが待っていると思ったらそれくらい大丈夫よ。じゃあ行こうかぁ……一応ナナリーちゃんに思念送っておくね」


 ナナリーに出掛けてくると念を送ると、お気を付けてと念が送られてきた。ついでに女神の事を聞いてみると、一応おもてなしをしているらしい。ナナリーに変な事をしたら私に報告すると脅しておいてと連絡した。

 あとは……宿の受付でメイラさんが来たら店で待っていてと伝えるように言ったら大丈夫かな。


 召喚陣で私の部屋に戻るとセイランはまだ寝ていたので、エントランスに向かいながらルクナリンクでウォーエルにライズが来たよと報告すると1分くらいで家まで来たのでそのままライズはお持ち帰りされていった。


「……ルクたん様、ウォル様はお早いですね」

「恋人欲しいって言っていたからね。私と一緒で結構尽くすタイプなのよ」


「でもいつかは来られなくなるんですよね?」

「まぁね。それがわかっているからママは一分一秒が惜しいのかも。じゃあデスちゃん迎えに行ってくるね」


「はい、お気を付けて……の前にぎゅーしても良いです?」


 メイド達に揉みくちゃにされた後に、エリスタの秘密基地に帰還転移した後……例の黒い転移石を起動……あっ、ジャージはまずいか。

 正装の方が良いかしら? ドレスはなんか違うし、お洒落着なんて私のセンスじゃ微妙だし、でもルゼル様は黒いドレスを着ていたからドレスの方が良いのか? うーん……学院の制服なら嫌味も無いかしら。制服に着替えてアクセサリーを着けてアレンジした後、黒い転移石に神気を通してみた。

 ──バシュンッ!

 おぉっ、転移した。しかもここはルゼル様の家の中庭だ。前と咲いている花が違うから、私の世界とは時間の流れが違うのかしらね。


 辺りを見渡してみてもルゼル様とデスちゃんは居ない……そりゃそうか、忙しいって話だから中々家に居ないよね。

 とりあえず暇なのでここの場所を召喚陣に記録しておこう。記録さえすればまた行けるし……帰るのは帰還転移で良いからほんと帰還転移って便利な魔法よね。

 ……

 ……

 ……ん? 誰か来そうな雰囲気。

 正座して待っていよう。


『ふぅ、終わった……ん? ルクナか?』

「ご無沙汰しております。ご挨拶に参りました」


『ふふっ、歓迎するよ。よく来られたな』

「はい、娘が置いて行ったこの石で来ました……えーっと……娘をお世話していただきありがとうございます」

『ママ、来てくれてありがと』


 ……にっこり笑うデスちゃんをルゼル様が抱っこしているのはシュールというか仲良くなってくれて嬉しいは嬉しいのだが、見た事の無い服に変わっているし、アクセサリーも見た事ないやつだし、なんかデスちゃんが遠くに行ったみたいで泣きそうになっているから情緒不安定だぞ。

 せめて、1つだけでも私の物を身に付けて欲しかった……なんか、悲しいな。


『お茶でもしようか。座っていてくれ』

 ……ルゼル様はデスちゃんを抱っこしたまま離れ、戻って来ても抱っこしたままだった。

 ……気に入っているのね。娘が抱っこされたままとか既視感があるわね。

 あ〜……ウォーエルってこんな気持ちだったのかしらね。娘が凄い方に抱っこされて仲良くやっているからなんとも言えない感じ。


「あの、お伺いしたい事がありまして……先程女神と悪魔が一緒に封印されていたので封印を解いたのですが、悪魔が女神になってしまってどうしようかと思いまして……これ動画です。こんな事例等はあるのでしょうか?」

『へぇ……そんな事もあるんだな。まぁその世界を管理する神に任せるだけだが、封印を解いたルクナが判断して良いと思うぞ。ふむ……面白い事例だからその動画、譲ってもらえるか?』


「はい、悪い雰囲気ではないので上手くやるように言っておきます」

『あぁ。他にはあるか?』


「他は……私の寿命が尽きたら、娘をお願いしてもよろしいでしょうか」

『ママ……』

『……長命の法はあるぞ』


 私は首を横に振った。

 寿命が尽きても、神気さえ尽きなければ女神として活動は出来る。肉体が尽きるだけだから。

 でもそうなったら私は弱くなる可能性が高く、デスちゃんを守れない。悪魔達に知られたら間違いなく狙われる。

 長命の法に興味はあるが、そこまで頼る気はない。


「悪魔達に知られたら、娘はその身体で戦わないといけませんから。それに……あっ、私の腕時計をしてくれているのですねっ、嬉しいですっ。えへへ……お気遣いありがとうございます」

『気に入っているからずっと着けている。我が着けても壊れない時計なんて初めてでな……他のデザインも欲しいくらいだ』


「ありますよっ、それか今から作りましょうか? デザインの希望があればお伺いしますねっ」

『……あるやつで良いぞ。負担になるだろ』


「慣れた作業ですのでやりたいですっ。ルゼル様の身に付ける物を作れるなんてこれ以上のものはありません! 是非ともお願いしますっ!」

『……そこまで言うならお願いするが、前に寝ていたあの部屋で作ってくれ。回復効果があるんだ』


「わかりましたっ! 色々デザインを描いていきますねっ!」


 うぉぉぉ燃えてきたっ!

 やったぜっ! 凄い方の時計を作れるなんて夢みたいだっ!

 形を決めてデザインは盤面に黒い翼を描いたら頷いたのだが、あまり要求をしてこないからちょっとやりずらい。

 ルゼル様の視線が時折私の頭に行くのは、ゴミが付いているのかしら?

 デスちゃんはずっとニコニコしているからゴミじゃないのかしら?


『……その髪飾りは、ルクナのか?』

「えっ、は、はいっ。元々こっちが専門です。時計は迷宮で設計図を手に入れただけなので」


『それもお願い出来るか? それと……断っても良いのだが、贈答用の腕時計もお願い出来るか?』

「はいっ、喜んでっ! 娘さんにプレゼントですか?」


『いや、腐れ縁の奴が居てな……そいつに渡すだけだ。娘には、ルクナが許さない限りはあげられないから』

「……ん?」


 許さないとは……? んー……あぁ、魔眼で私を探った事か。娘さんとヘルさんが一緒になって魔眼で私を視ようとした件は、確かに嫌だったな。でももう会う事も無いからどうでも良いの方が強いかしらね。

 ルゼル様は浅くため息を吐いたが、別にルゼル様が許してやってと言えば直ぐに許すし、会ってくれと言われたら喜んで会うよ。

 まぁデザインの方に話題も変わったので触れずにいこうかしら。


 さて、部屋も使って良いとの事なので、張り切って作成しますかね。

 でも、デスちゃんは返して欲しいのだが……私の心の拠り所が無い状態でのぼっちは辛いぞ。

 ……

 ……

 しばらくして、ルゼル様が部屋に入って来て近くで見ているからすげーやりにくい。

 精密作業だから出て行ってとも言えず、気晴らしに一旦帰るとも言えず、途中で謎のくそ硬い素材を渡されてえっ正気ですか? なんて事も言えず、部屋の回復効果で疲れないから疲れたとも言えず、半ば軟禁状態で何時間経ったかもわからない状態でなんとか仕事をこなした。

 頑張った私を誰か褒めておくれ。しかもよ、デスちゃんのも同じアクセサリー作ったんだぜ? ルゼル様とのお揃いだから2倍大変だったんだぞ? んだよこのクソ硬え素材……マギマタイトってなんだよ。指もげるかと思ったぞ……ちょっとイラッとしたから私の分も作ってやったぜっ! 作ったマギマタイトの腕輪を神眼で視てみると、なんか凄いって出た。なんか凄いってなんだよ神眼だろ? 仕事しろよ。


『……ルクナ、凄い才能だな』

「ありがとうございます。気に入っていただけたら嬉しいです」


『とても気に入った。少し自慢してくる。デス、行くぞ』

『はい。ママ、ゆっくり休んでね』

「じゃあ、寝ていますね。いってらっしゃいませ」


『……次はちゃんと結界を張っておくからな』


 あぁ前にパンパンに連れて行かれたもんね。優しいわね。

 いってらっしゃーい。

 転移魔法で出掛けたのだが……結界? ちょっと待って……

「……帰還転移」

 ……

 ……しーん。

 あれ? 嘘でしょ……監禁されたやん。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ