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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
ノースギア学院編

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324/363

順調なのがなんか怖いかも


「……よし、どう?」

『あー、うー、ママ、あんまり』


デスちゃんの滑舌は難易度が高く、結果を言うと駄目だった。

むずいなぁ……歯もあるし舌もあるのだが、上手くいかないものだな。カラカラだから駄目なのかと思ってベロチューしてみたが駄目だった。でも舌がツルツルして良かったというか、デスちゃんのファーストキスは私が奪ってしまった……と思ったが先にモニカちゃんが奪っていたらしい……弟子に先を越されて泣きそうだ。

デスちゃんはキスとかしても性欲とか無いからムラムラはしないらしい。そりゃ人形だからそうか。


デスちゃんと戯れているとライズとセイランが起きたので、探索を再開する事にした。

海の中での探索は精神が削れるから、次の階層に行ったらまた休憩をしようと思う。


「……なんかさっき、凄い音したけどどんな魔法使ったの?」

「神級魔法でパシュンってやっただけよ。お蔭でホクホクですわ」


「ルクナ、漏れそうだわ」

「はい、どこでもトイレ」


「我慢の限界まで粘ると最高ねっ」

「お嬢様らしからぬ発言ね。クセになると大変よ?」


「良いのよ。漏らしてもルクナは私を嫌いにならないわ」

「強メンタルね。そろそろ次の階層への道が……あったあった」


大規模な迷宮なのに階段とか、帰る時が面倒なのよね。

せめて最深部は転移陣があって欲しい。

しかも階段長いし……まぁ水の中だから斜めに降りているだけで楽なのだが、今度は寒くなってきた?


「次は氷の地帯かも。適応魔法で涼しい程度だけれど、早いとこ抜けたいね」

「あっ、次の階層が見えたわ。わぁー綺麗ねー」


第三層は氷の地帯で、眼下には青白い景色が広がっていた。中心に氷のお城らしきものが聳え立っていて、周りに四角い氷が並んでいる……もしかして氷の街かしら?

第二層よりも明るく、街がしっかり見える。道行く人のような人影が歩いていて、本当に街にしか見えない。


街に降り立ってみると、四角い氷は家の形になっていた。中には氷の彫刻のような人影が座っていたり、作業していたり……私達を無視して動いているので、見えていないか決められた動きしかしないゴーレムか。

解析してみると、氷人……氷が意思を持った魔物と出た。


「不思議なところだね。本当に生活しているみたい」

「一応意思はあるみたいだけれど、ボスとか居るのかしら?」

「お城に行ってみましょうっ! お宝があるに違いないわっ! なにより楽しみで仕方がないっ!」


セイランの意見は同意しかないので、お城に向かってみる事に。氷の街並みはノースギアよりも氷を意識しているので、写真を撮って自慢してやろう。水の中でも動いたので、パシャリと。うん、綺麗。


『ママ、赤いの居る』

「ありゃ、ほんとだ。赤い氷……血だね。でも他と動きは変わらないか」

「ほんと変な街ねー。それよりも早く水の中から出たいわ」


「同感。見てあれ、氷のドラゴンが泳いでるよ」

「ほえー、普通のドラゴンなんて珍しいね。あっ、逃げたわ」


観光気分で散策しながら城に到着した。

白銀城よりも何倍もでかい氷の城で、こっち矢が次の階層を指していた。写真を撮りながら大きな扉の前に来ると、真ん中に水晶があったので触れてみた。

……おっ? 吸い込まれて中に入れた。しかも水の中じゃないっ! 空気があるよっ。

遅れてみんながやって来て、喜びながら空気を思い切り吸ってむせていた。


「ごほっ、ごほっ、ちょっと着替えて良い? 水着だと寒いかも」

「そうね。私もジャージに着替えるよ」


今更だが、ずっと水着だった。

みんなスク水ミミズの生地で作ったスク水と呼ばれる伝説の水着を着ていて、もちろんデスちゃんもスク水だ。

でも股間が食い込むから恥ずかしくてあまり人前では着られない。

みんなでジャージに着替え、軽く準備運動をしてから探索再開。

全面氷の城は氷の適性が強い私にとって庭のような感じだ。長い廊下を進んでいると、壁の氷に埋まっている服や武器が見えた。これは過去にこの迷宮に来た探索者の物だろうか。


「どれくらいの年数で出来た迷宮なのかしらね」

「超位迷宮って数千年って話だよ。ここは途中で海に落ちたって感じなのか? でも迷宮が落ちるって変よね」

「地盤沈下か地割れで落ちたとか?」

『入口、両方あるとか』


「あぁ海と地上に入口がある迷宮って事? それならあり得そうだけれど……相当大きくない?」

『理論上は、出来る。核が二つ、必要』

「へぇーデスちゃんって頭良いよねー」


「私の自慢の娘だからねっ。あっ、玉座発見」

「誰か座っているわね。動きそうよ」


真っ直ぐ進んだところで大きな玉座に大きな氷人が座っていた。

魔力弾を飛ばしてみると、バラバラに崩れた。ボスじゃなかったわね。

玉座もバラバラになったので近くに行ってみると、水晶玉のようなものが転がっていた。入口の扉にあった水晶に感じが似ていたので、どこかで使うものかな。

とりあえず奥に続く道があったのでそのまま進んでいくと、扉が三つ現れた。真ん中の扉には丸い窪み。左右は普通の扉だったので、左右から開ける事に……右は草原が広がっていて、左は砂漠が広がっていた。真ん中の扉に水晶を嵌めてみると、ガチャっと鍵が開いたので開けると休憩室だった。


「休憩しよっか」

「そうね。あら? 奥に扉があるわよ」

「窪みが二つあるから左右の扉から水晶を回収して開くんじゃない?」


「そう、じゃあここで待っているわ」

「疲れたのね。じゃあ少し休んだらデスちゃんと行ってくるよ」


デスちゃんの髪を整えていると、デスちゃんも私の髪を整えてくれた。デスちゃんは私と同じくらいの人形を操作して整えてくれているが、この人形は意思は無く普通の武器が使える戦闘特化だ。因みにこの戦闘人形に乗り込んで戦うと物理特化になるから超強い。この前ローザを木剣でボコボコにしていてローザが本気で泣いていた。


セイランとライズを待たせて、右の扉を開けて草原に降り立った。

吹き抜ける風が気持ちよく、空は鳥が飛んでいて遠くに馬が走っている……なんだこの平和な場所は。

デスちゃんが空の鳥を撃ち落とした……ドンッ! あっ、屋敷くらいデカいわ。普通に危険な魔物だわ。

おや? 褒めて欲しそうに私の髪を撫でている……可愛いなぁもうよーしよーし。


『ふふふふふ……ママの隣、私のもの』

「あら、独占したらみんな泣くわね」


『大きな恩、あるから。千年大好きだから、誰にも負けない。だから……もっと強く、なりたい』

「ふふ、私もデスちゃんを見習わないとなぁ……修行するかぁ」


私も強くなりたい。

今のところ長生きの問題は女神である限りはなんとかなりそう。

次の目標はヴァルヒートを倒す。

その為には今の生活じゃ駄目だ……駄目なのだが、忙しいぞ。

学院に行って、細かい用事やら細工やら、友達と会って……みんなの頼みを聞いて……いやみんな自分でなんとか出来る事はしてもらえば別に忙しくないぞ。

でもどこ行っても誰か居るからなぁ……


『修行出来る場所、あるよ。月なら誰にも邪魔されない』

「あぁ……闘技場あったねぇ……」


『あそこなら、神気の修行、出来る』

「そっか……マリンさんとアルディさんに付き合ってもらうか……」


迷宮じゃないと制御不能の神気陣は使えなさそうよね。私一人じゃ使いこなせる自信が無い。

月の大聖堂の闘技場で修行するなら、更なる高みに行けそうだ。

ウォーエルにも相談するかな。戦ってみたいし……多分ボコボコにされるだろうけれど。


『ママ、あったよ』

「ん? 水晶? 鳥さんが持っていたのね。普通に探索したら見つからないやつだ」


『ふふふ、いじわるだね。ここの主は』

「そうねー。砂漠に行こっか」


『待って。ご飯、食べる』

デスちゃんが闇の手を伸ばして、遠くを走っていた馬を捕まえてゴキュゴキュ。

綺麗に骨だけ残して満足そうに笑った。そういえば千年前は人間食べたいとか言っていた気がするが、結局食べたのだろうか……聞くのは怖いので胸にしまっておこう。


お次は砂漠……こっち矢の示す方向は真っ直ぐ正面だ。

うーん、じりじりと太陽らしきものが地面を照らしていて、適応魔法が無かったら日焼けしていそう。

結界移動で走りながら砂漠の観察をしていた。


「流砂の流れが激しいね。近くに川があるのかしら」

『自然の、じゃないから、流砂もどきだね。渦もある』


「へぇー乾いた流砂もあるのねー。昔流砂にはまってパニックになってさー、もがけばもがくほど危険って知らないから普通に沈んだよ。母が助けてくれなかったら死んでいたね」

『ママ、おっちょこちょいだもんね』


「肝心なところでヘマするのよ。今までなんとかなっているから良いけれど、大体死に掛けているのよねー。あっ、イシュラは死んだか」

『あの龍人と、仲直り、するの?』


「うーん……直接こっちに来ないと話にならんから、現状仲直りっていうのはまだ先というか……仲直りっていうものにはならなさそうよね。割りと取り返し付かない事だし」

『仲直り、しなくて良い。私が、居るから』


確かにデスちゃんが居れば私の目的は達成されそう。二人でヴァルヒートに挑めば良いし、なんたって女神と魔神のコンビだから神位の魔物以外は敵無しな気がする。

にしてもデスちゃんってこんなに私の事好きだったのね。親離れしたかと思って寂しかったから、私としては嬉しいよ。独占欲強めなところも私と一緒だし、魔神と告白してから積極的だ。ママは嬉しいぞっ。

おっ、遠くに巨大な魔物……大きな角を持つ熊のようで、かなり遠くなのに大きく見えるから全高百メートルくらありそう。


「エーテル・バスターで仕留めて良い?」

『うん。反動、気を付けて』


「あぁそうだったありがと。氷の発射台を設置してと……よっしゃ、神魔石から吸収」

天輪を出して右手に巻いている透明な武器エーテル・バスターを起動。手に持っている神魔石の力を吸い取りながらブルブルと振動し始めた。うぉぉ凄い、強力掃除機で大量の埃を吸い取っているみたいに神気がドンドン入る。


『……ママ、そろそろやめたら?』

「え? まだ行けそうよ」


『迷宮、壊れるよ』

「あっ、そういえば虚無空間出来るんだっけ。ありがと」


神魔石の神気を吸い取って、エーテル・バスターが淡く点滅していた。撃ちやすい形に変形させたいが、神気を吸ったせいか硬い。まぁ腕輪型でも撃てるのだが、手の平焼けるのよね……と思っていたらデスちゃんが私の手を守るように手を添えてくれた。デスちゃんっ、流石ねっ。


──グァァァァァァァアアアア! 鼓膜に響く雄叫びが普通じゃない。でっか……周囲に砂の竜巻が発生し、猛スピードで迫ってくる巨体に勝てるような探索者って居るのかと疑問に思うほどの迫力だ。

──キィィイィィィィン! エーテル・バスターのエネルギーが凝縮している音が前よりも甲高く、周囲の空間が壊れているようにバキバキと音が鳴っている。ちょっとこれほんとに使う場所考えないとマズいかも。


「方向よーし、標準よーし、狙うは魔物の核。行くよー、エーテル・ラストリア……──っ!」

きゃーーー! ブレるブレるっ! 右手を怪力野郎にぐわんぐわんされているみたいに言う事聞かないし握力強過ぎて骨折れそうな感じっ! デスちゃんは右手に捕まっているからぐるぐるぐるぐる……


『ママ、止め、て』

「止まんないよぉぉぉ! 倒したよっ、倒したから止まってぇぇぇぇ!」


止まんねえ。縦横無尽に破壊するレーザーが砂漠を崩壊させている光景を眺めているだけとか切ない。熊さんは脚だけ残っているなぁと思ったら脚に標準が向いてパシュンと消した。

ん? もしかしてこれ身体で標準を合わせるのじゃなくて、意識を向けて標準を合わせるの?

上向けー……向かない。下向けー……向かない。

ふむ……意識じゃないとすると、天輪で操作してみるか。あっ、良いかも。


『ママ、操作方法、わかったの?』

「うん。暴走したのは天輪で全方位をサーチしていたのが原因かも。前だけ捕捉すれば、うん、前向いた」


『……まだ、出てるね』

「太さは半分くらいになったね。このくらいならもっと細かく操作出来そう」


上に向けてから拡散するように操作すると、雨が降るように細かいレーザーが降り注いだ。

おーこの使い方だと魔物の氾濫で無茶な合成魔法を使わなくて済む。

ほんと天輪って便利ねー。

あっ、終わったわ。

デスちゃんが砂漠に開いた無数の穴の前に降りて、下を覗き込んでいた。何かあるのかしら。


『ママ、この穴、魔物が居た場所』

「そなの? じゃあ魔物を自動追尾で倒したのかしら。この武器って天輪と相性良いわね」


『地表で使えない、ね』

「地図が変わるよねぇ……」


「『ふふふふふふ……』」


熊さんの神魔石を回収して、砂漠の水晶は真っ直ぐ進んだ先の台座にあった。

神気で倒せばある程度の神魔石になるのね。あっ、じゃあダイヤロストの核は神魔石なのかしら? デスちゃんに聞いてみると、半分神魔石との事。もうデスちゃんの戦闘型人形に組み込んでしまっているのでデスちゃんが上手く使ってくれるだろう。


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