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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
ノースギア学院編

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316/363

前世の自分に会うってどんな気持ちなのだろうね

 

 先ずはショッピングモールという所の服屋へ行き無難な服を購入した。

 流石にジャージでうろつくのは目立つと言ったのだが、無難な服でも目立っていないか?


「なんか変なの向けられていない?」

「スマホのカメラ……結構許可無しに写真撮るんだよね……やめてって言ってもこっちが悪いように言う奴も居るし、悪しき習慣だよ」


「ふーん。でも私の事を撮ったら壊れると思うよ。ほら」

「あれっ? フリーズしたっ、なんで?」「わっ、画面割れたっ最悪っ!」「熱っ! うそっ……」


「流石女神様だね……何したの?」

「呪いの類というか、デスちゃんの加護というか写真は私が許可しないと撮れないのよね。あっ、そうだ葵ちゃん見たい」


「うーん……警備厳しいから会えないかもよ? 今日は……ライブかなぁ。裏に入ってしまえば会えるか……いや会って大丈夫なのかな?」

「私は女神だから覚えられないと思うけれど、ライズならファンの子くらいの感覚で記憶はされるんじゃない?」


 見たいと言っただけなのだが、会わせてくれるという事で良いのかしら?

 ライズの転移魔法で何処かの室内に到着したのだが、なんかざわざわと賑やかな建物だ。

 廊下に出てみると、係の人が忙しそうに動いていた。ライズの先導で辿り着いた部屋をノックすると、「どうぞ」という声が聞こえたので入ってみた。


「失礼しまー……すっ……」

「……ぅゎぁ、自分だぁ……ティナも居るし……」

「……?」


 思わず中に居た人とライズと交互に見てしまったのだが、ピンクの制服のような衣装を来た黒髪の美少女……おぉ……写真は見たが実物の神宮寺葵はすげえな……オーラが違う。ライズも同じオーラなのだが、その、ねぇ? おっぱい分かさ増しされているような感じ?

 そして、神宮寺葵の隣に座っていた金髪の美少女が私を怪訝な目で見ていた。


「ライズ、めっちゃ可愛い」

「でしょ?」

「あの、事務所の子、かな? 何か用事?」


「はいっ! 私、こういうものですっ!」

「えっ、ルクナ名刺なんてあるの? 私にも頂戴」

「「……宝石商?」」


 ぶっ、ライズと葵ちゃんがハモっただけで面白い。

 この名刺はサエさんに日本で自己紹介をする時に困るなぁと言った時に教えてもらった。肩書に関してはデザイナーでも良かったのだが、宝石商の方が私っぽいかなと。

 日本語だから読めないがそれっぽく書いてあると思う。


「突然来たお詫びにこちらをどうぞっ。また突然来ますねっ」


 ライズの手を引いて出ようとしたところで、「待ちなさい」と、威圧の籠った声が聞こえた。

 ふふっ、釣れた釣れた。


「どうしました? ティナさん?」

「っ……何故、私を知っているの? いやその前に警察呼ぶわ。怪しすぎるし葵もなんで受け入れてんのよっ」

「えっ、だって可愛いから……ぅっ、ごめん」


「どうして怪しいと? 名刺に何か変な事でも書いてありました?」

「えぇそうね。どこの国出身? パスポートは?」


「ライズ、パスポートって何?」

「あー……国際的な身分証。ルクナはそれ無いと危険かも」

「ねぇ、早く出しなさいよ」


 ふむ、不利な状況だ。パスポートなんて無いし、ここで騒ぎにされたら困る。まぁでもティナちゃんを黙らせる方法は知っている。

 にしてもティナちゃんも可愛いぞ……可愛いというよりも美人に近いが葵ちゃんが惚れるのもわかる。うん、ふざけたいが我慢だ。


「これ、お近付きの印にどうぞ」

「なに? 物で釣ろうったって無駄…………」


「ふふふ、やっぱり分かるのですね。私を警察に突き出すなら、返して戴きますが?」

「……貴女、何者?」


 ティナちゃんに渡したのは魔力回復効果のある腕輪。良い魔石を使っているから魔法が使える人なら持っただけで感覚的にもわかる逸品で、地球じゃ手に入らない。ティナちゃんって、魔力が凄く高いのよねー。ライズは黙っているけれど、ティナちゃんの魔力が高い事に内心ビクビクしていると思う。

 驚いているティナちゃんの側に寄り、耳元に口を寄せて「違う世界から来たの」と囁き笑いかけた。

 ……ん? なんか、徐々にティナちゃんの反応が柔らかくなっているというか、耳が赤くなってきた。

 これは好意的に見られているという事で良いのか? ちょっと性格が変と聞いていたが……そういえばここに居るみんなは女子が好きだから、割りと性的な目で見られていたり? 手を握ってみると、手汗が凄い。顔を覗き込むと白い頬が紅潮していった……吐息を感じる距離で見つめ合っていると、ライズが私の手を引いて葵ちゃんがティナちゃんの手を引いて引き離された。


「じゃあまた来ますね」

「待ってっ! 次はいつ来るの?」


「調整が難しいので明日になるか1ヶ月後になるかですね。来たらご連絡しましょうか? スマホは持っていませんが」

「じゃ、じゃあここに掛けてっ」


 番号の書いた紙を受け取り、汗でびっちょりのライズの手を引いて部屋から出た。

 直ぐに転移で移動したのだが、ライズがどっと疲れたように座り込んだ。


「はぁーーーー……緊張したぁ……」

「ふふっ、どう? まだ好きだった?」


「え? あぁ……別に…………でもあんなに魔力高いとか知らなかったし……魔法使えんのかな?」

「使えると思うよ。地球じゃ魔力の回復方法が限られているから苦労していそうだったね。葵ちゃんの側に居て守っていたんでしょ?」


「……そう、だったのか。言ってくれていたら良かったのに……いや、信じてなかったか……でも良いの? 違う世界から来たって言っても」

「うん、地球の魔法使いの事も知りたいし違う世界があるってわかっている感じだったし。だから心中したんでしょ?」


「心中はだからに繋がる?」

「うん、転生術が使えるならね」


 そこでライズが天を仰いだ。

 なんか色々繋がってしまったかな?

 もしかしたらティナちゃんは私たちの世界でライズを探しているかもって、確信したかな。


「ナナリーちゃんがティナちゃんかなーって思ったけれど違ったからさぁ、直接魔力や魔法を見れば転生したティナちゃん探しやすいかなって」

「えっ……探す気なの?」


「うん、居るならね。違う世界に居るかも知れないし……あっ、居ても時代が違ったら会えないか」

「いやいやいや会いたくないしっ! 私にはルクナが居るしっ!」


 そう言ってくれるのは嬉しいけれど、私が女神の力を失ってライズの時代に行けなくなったら私の事は綺麗さっぱり忘れると思う。そんな気がするのよ。

 ウォーエルが言っていたんだ……ライズはずっとミナが好きだったって。


「みんなが居る、でしょ?」

「まぁ、そうだけどさぁ……ルクナは特別なの。葵の時にティナが好きだった気持ちとは比べ物にならないくらい、ルクナが好き。大好き」


「えへへ、照れちゃうじゃん……その……」

「恋人が居るのは知ってるし、隠し事があるのも知っている。だから無理に何か言わなくて良い。私はルクナが大好きだってわかってくれたらそれで良いの」


「私だってライズが大好きだよ。でも、なんか……なんかさぁ……気が多いのは父親に似たのかなぁとか自己嫌悪に陥ったりするのよ……あぁ私の父親って他に女作って子供作ってさぁ……しかも私の通っていた学院の副学院長とよ? その事とかクラスメイトの嫌がらせとか重なってもう嫌になって退学してさぁ……新天地で頑張ろうと思ったら母と離れ離れになって……なに? 嬉しそうな顔してさ」

「ふふ、だってルクナって自分の事喋らないから嬉しくて。なんでも聞くから、教えて?」


 まぁ、ウォーエルの名前だけ出さなきゃライズには関係ない話だもんなぁ……

 時間もあるし、聞いてもらうか。

 ふっふっふ、私の情けない話を聞いて震えるが良いっ!

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