嬉しさ大爆発だねっ
「デスちゃんっ!」
『ママ、会いたかった』
はっと我に返り、直ぐさまデスちゃんを抱き締めてすりすりちゅっちゅ。
もぅ、こんなところで何しているのさっ。嬉しくて泣けてくるじゃないか。
「デスちゃんっ、デスちゃんっ、どうしてここに居るの?」
『迷宮、居心地良いから、家にしたら、暑苦しい騎士来て、出れなく、なった』
ここが迷宮になりたての時に、核の部屋を拠点にしたら出られなくなったのね。
それにこの部屋はゲートが使えなかったみたい。
ここから出る転移陣は無いのかな? 天輪で探すと……ダイヤロストが居た部屋に転移陣が出てくる仕様っぽい。
それから諦めてここで堕落した日々を送っていたのね。
暇だったのではないかと思ったが、私が異常に物をくれたらしく、充実した日々を送っていたみたい……
「じゃあさっ、一緒に出よっ」
『うん、ママと、また一緒』
「やったー! そうだデスちゃんっ、紹介するねっ!」
『はじめまして、デスです。ウォーエル、久し振り』
「もう、こんなところに居たのね。デスのこと探したのよ?」
デスちゃんがリリとモニカちゃんに一礼し、ウォーエルには手を上げて軽い挨拶をした。
「ルクナ……人形、よね?」
「そうそう、私の最高傑作デスちゃんだよ。意志はあるから普通の人と同じように接してくれて問題ないよ」
「へー……よろしくデスちゃん。私はリリィベルカよ」
『ママの恋人、知ってる』
リリはデスちゃんと握手をして話し始め、モニカちゃんはずっとデスちゃんを見詰めて硬直していた。
どうしたのかしら?
おーい。
「モニカちゃん? 大丈夫? おーーーい」
「………………せんせ」
「ん?」
「…………か、かわいい……可愛過ぎる……な、な、なにあの可愛い人形……やばい、やばいやばいやばいやばいっ! せんせっ! お話したい!」
「あー可愛いよねー。デスちゃーん、モニカちゃんがお話したいって」
『ん、モニカ、なに話す?』
モニカちゃんがデスちゃんの前に正座をした。この顔は、恋する乙女の顔ね。一目惚れしたのね。さすが私の愛弟子だ、目が肥えているからデスちゃんの素晴らしさが一瞬でわかったのだろう。
「その、お洋服は、せんせが、作ったの?」
『せんせ?』
「あっ、私ルクナせんせの弟子なのっ。せんせのお蔭でレドになれたし色んな事学んだのっ!」
『モニカ、ママ、らぶ?』
「うんっ! 超らぶっ!」
『デスと一緒、モニカ、友達』
「お友達になってくれるの!? ありがとうっ! よろしくねっ!」
『ふふふフフフ、モニカの魔力、好き』
モニカちゃんは闇属性特化で呪物と一緒に寝る子なので、デスちゃんと相性良いのかもね。呪い人形の始祖と聞いたら発狂して喜びそう。
デスちゃんが荷造りをすると言って機械の方に歩き出し、リリとモニカちゃんもお手伝いにと付いて行った。
とりあえず迷宮核を眺めていたウォーエルと合流しよう。
「おかぁさん、これどうしよっか」
「好きに使いなさい。と言っても貴女は力を吸収しないほうが良いわ。わたくしは容量一杯だし、モニカは立場があるから難しい」
「じゃあリリたんだね。聖女ライザの住んでいた家の迷宮だから御利益ありそう。りーりたーん」
「なぁに?」
「これに魔力を流してみてー」
リリを呼んで迷宮核に触ってもらい、魔力を通すと……
「な、なに、これ……」
「最初は身体が熱くなるけれど、その内収まるから」
「ルクナ、説明、しなさいよっ! はぁ、はぁ、はぁ、んっ、ぁ……」
「……おかぁさん、だめだからね」
「まだ何も言っていないわ。リリたんが美味しそうと思っただけよ」
だからだめだよ。ウォーエルはちょっと目を離すとリリにチューしようとするからねっ。
私のリリなんだから。
しばらく悶えているリリを眺め、落ち着いたところで解析してみた。
えーっと……リザレクション……復活魔法て……ちょっと凄過ぎん?
「リリっ、やったね! おかぁさんっ! リザレクションだって!」
「あら、あらあらあら、リリたんを巡って世界大戦が起こるわね」
「えっ、これ凄いの?」
「うん、復活出来る魔法だよ。もう動かない魔導具とか、魔石とか、核とか、死んだ人とか幅広いよ」
「そうねぇー、特に死者はねぇ……国の反応は想像しただけで恐ろしいわ」
「……秘密にしないと、大変よね……」
「そうだねー。秘密を抱える女は素敵よ」
「でもわかる者にはわかるわ。リリたんを守る者が必要ね」
リリを常に守ってくれる人がいれば良いのだが……デスちゃんに相談するか。
それはあとにして、この部屋を確認しないと。迷宮核は加工してリリにプレゼントするか。
宝箱は迷宮核の下にあるので、とりあえず開けてみるか……でもこれって古いだけの宝箱……地下に元々あったものかな。
オープン。
あっ、禁術書の一部だ。三分の一だから……私の持っている禁術書と合わせたら、ほぼ完成……でも全てのページが揃わないと召喚魔法が使えないからなぁ……残りのページはどこかしら。その前に過去に戻って調べた方が早いかも……
これは小さな棒……巨人の剣? これが神器かな。
あとは、あっ……これライズと一緒に盗んだ錬金術書だ。
それと小さな壺……やった、ネクタルだ。
「ルクナ、今飲みなさい」
「う、うん……あっ世界樹の匂いだ」
ぐびっと飲み干すと、一気に魔力が回復して上限も上がった気がする……疲れも吹っ飛んで、身体が軽いっ!
ウォーエルが私に魔力を流して診てくれた。
「……うん、とっても良いわ。出来れば残りの世界樹からネクタルを回収したいわね」
「これだけ良くなるならあと二本欲しいよねー。霊体で海底と空には行ってみるよ」
「ルクナ……良かった……本当に……」
残るは魔法書やら本ばかり。
きっと宝石関連は前の部屋の壁から取れって事かしらね。
デスちゃんの方を見ると、大きな機械とベッドは消えていてスッキリしていた。
他には……何も無いわね。きっとデスちゃんが暇つぶしに使ったのだろう。大事なものだけあの宝箱に入れたんだね。
さて、戻るかなー。
みんなで核の部屋から出ると、半壊した広場の中心に転移陣があった。
壁の宝石はまだ残っているので、みんなで回収しているとデスちゃんが天井にふんわり浮いてシャンデリアを回収していた。私があげた超振動ナイフで斬ったのね。
「よーし、帰ろー」
『ママ、待って』
転移陣に乗ったところでデスちゃんが何かを拾って戻ってきた。
ニヤニヤしているから良い事あったのね。
よーし、転移陣を起動っ!
景色が変わった先は、懐かしの屋敷の前……
「戻ってきたぁぁぁぁぁ!」
一年振りに寝よっと。
これでひと段落。




