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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
ノースギア編

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251/427

信頼は戦いで勝ち取ってやるよ

 

『ミナ、ライズに空中戦は出来るか聞いて』

「う、うん。ライズ、空中戦出来る? だって」

「あーまだ練習中。出来ない事も無いよ」


 それなら安心だ。

 金剛天使の身体の具合を確かめながら、結界を使って山の頂上から真っ直ぐに走って空中にて仁王立ち。

 ライズは少し準備運動を済ませて飛び上がった。


『さぁ、始めようか。アイスランスッ!』

「氷? 速いっ! フレイムシールドッ!」


 小手調べは氷の槍。ライズはまだ発展途上の状態だから、いきなり殺す気で挑んだらいけない。そこら辺の調整が難しいが、ライズから吸収出来る事はかなり多いと思う。

 氷の槍は咄嗟に出した炎の盾を貫通して、ライズに刺さる寸前で身を捩って躱していた。


『やっぱり、まだ実戦経験が少ないね。アイスランス』

「炎は押し負けるか。ストーンハンマー」


 大きな岩の塊で防御されたので、ライズの視界が狭い内に魔法陣を起動して炎の雨を降らせた。

 ライズは岩を上に向けて雨を防ぐが、その隙に近付く私に一拍反応が遅れた。


『ルクナパーンチ』

 腕で防御したが、骨をバキッと折りながら弾き飛ばされた。

 空中で姿勢を保てず山の方へ落ちて行く。

 ……

 ……上に歪みっ。


「ぐっ、いってぇ。ストーンブレイクッ!」

『はっはっはー。転移ごときで隙を付けるとでもっ!』


 岩の塊をぶつけて来たがルクナパンチで粉砕し、結界を踏み込んでライズに反撃のルクナパンチっ!


「まじかよっ! 緊急脱出っ!」

『おっ、それ良いね。でも逃がさないよっ、エレキネット……ぉぉ、雷属性も出た。ますます私の身体がわからんぞ』


「でかっ! フレイムブレイドっ!」

『ウォーター』


 エレキネットを斬ろうとするなんて罠に決まっているでしょ。

 本命は攻撃の隙を突いた感電だ。大きな水球に閉じ込めてエレキネットの電気で攻撃。

 おーいいね痺れている。

 っ背後に歪みっ!


「ウインドカッターッ! ぅわなんで反応出来るんだよっ!」

『空間魔導士との戦いは慣れているのだよ。ファイアー』


 水球に炎を入れて圧縮すると、ボォォォン! と水蒸気爆発を起こした。

 ライズは吹き飛ばされながら光のレーザーを撃って来たが、この身体は光魔法を反射するので明後日の方向へ飛んでいった。


「はぁ、はぁ、つよっ」

『この身体にも慣れてきたけれど、直接喋る方法は無いものか……あっ、妖精召喚っ! 出ない、か……』


「多分、あの身体は炎に弱い。でもあの反応速度……考えろ」

『言葉を話す魔法って持続させるの大変だからなぁ……なんかないかなー……魔導具でも探す? この身体で?』


「先ずは……広範囲。フレイムストームッ!」

『ん? 魔力量凄いねぇ』


 攻め手を変えてきた。炎の渦が発生して周りから狭まっていく……氷は相性悪いか。

 炎の渦を吹き飛ばすように、外に広がる水の渦を出した。ライズの炎と同じ速度で……重なると大量の水蒸気が発生した。


「あっつい! やべえ失敗した! 見えないしあつっ! あつっ!」

『ははははっ! 甘いねぇ! 天輪起動。捕捉、ルクナビーム』


「ぐっ……この魔力の渦でどうやって……転移」


 真下に歪みを捕捉。

 逃げても無駄だよっ!


『そろそろ終わるかな。ウォーターボム』


 歪み目掛けて水の玉を発射。

 ライズが現れた瞬間に爆発させた。

 ボンッ! と直撃し、衝撃で脳が揺れたようでフラフラと落下していく。

 落ちたら大怪我で済まないので、結界を蹴ってライズを捕まえた。


「ぐ、う……まだ……」

『今日はこのくらいにしようねー。ヒール』


 まさかライズを姫抱っこする日が来るなんてなぁ……前髪が汗ばむ額に引っ付いて良い感じにブスなので、ヘアピンを作っておでこを出してあげた。

 ふむ、間近で見ると美人よね。目付きは悪いから可愛いよりも美人寄りなので、これはこれで私のタイプではある。

 回復してあげると、パッと目を開けて暴れ出した。


「離せっ! まだ終わってないしっ!」

『おーわり。ミナカの所に戻るよー』


 魔法を発動しようとしたので、魔力を乱して無力化すると大人しくなった。

 ライズは攻撃力と速さの鍛錬はしているみたいだが、持久力と咄嗟の判断が弱い、か。


 ミナカのところに戻ると、少し寒そうにしながらも目をキラキラさせてライズに抱き着いた。


「すっごーーーいっ! やっぱりライズは凄かったんだっ!」

「いや……ルクナに完敗だったし……」


「ルクナは私達よりお姉さんだから当然じゃない? ルクナが凄いのは知ってたしっ。ライズッ! 私、ライズに魔法習いたいっ!」

「私は忙しいからさ……離れてよ……」


「良いって言うまで離れないっ! 私決めたもんっ!」

『みんなにライズが凄いって言いふらすとでも言ったらー?』


「……みんなに言うもん。ライズが凄いってみんなに言うもん。私、ライズが良いもん」

「いや……はぁ、わかったから……でも条件がある」


「なにっ? なんでも言って!」

「ルクナにさ、稽古を付けて欲しい。私の弱点、直ぐ見破られてさ……なんか悔しい」

『ミナ、やったねー。どうせ暇だし良いけれど、直接話したいから喋れる方法を探してね』


「うんっ! ルクナも良いって! ライズともお話したいって言ってるから方法探してって言ってる」

「方法、か。わかった」


 それからミナカはライズから離れずくっついていたので、微笑ましいというかなんというか、複雑というか……

 私の見た記憶では、将来……ミナカは何かに殺される。

 何に殺されるのかはよくわからなかったけれど、このまま帰れなかった場合……見殺しには出来ないよなぁ……



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