↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
ノースギア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

233/427

姉妹とか、欲しいけれど……

 

 一通り話した後、リリはサラさんと話したいようなので一緒に出て行った。ちょっと気になるがリリに友達が出来るかもと思えば深入りしない方が良いだろう。

 膝の上に座るモニカちゃんは私に抱き付いてうとうとしていた。今日は試験だったから疲れたのだろう……後でお着替えしてあげないとね。

 対面に座るキャロリアは私をじっと見詰めて、ため息を吐いた。


「キャロリアさん、私は王位に興味は無いので安心して下さい」

「別に、それは貴女が気にする事ではないわ……はぁ、変な感じね。敬語はやめてキャロと呼んでくれない?」


「じゃあ……キャロお姉ちゃん」

「っ……どうしてか憎めないのは理由があったという事か……貴女の悩みが分かった気がする……良いわ、お姉ちゃんになってあげる」


「……」

「何よ、嫌なら別に良いけれど?」


 嫌ではない。何故だか嬉しい。イシュラやローザにお姉ちゃんと呼ぶ時よりもしっくり来るというか……血の繋がりがあるからか、本当にお姉ちゃんになってくれるならキャロリアを見る目がかなり変わる。まぁキャロリアには下心があるだろうが、お姉ちゃんになってくれるなら私を利用しても気にしないというか……あぁ、アズ母がルビーババァを慕う気持ちはこんな感じかぁ。うーむ、ルビーババァとキャロリアだったら、キャロリアの方がまだましというか……お姉ちゃん、か……


「ふふっ、ありがと。もしお姉ちゃんが居たら、私はずっとお姉ちゃんの陰に隠れて、悪い事はお姉ちゃんのせいにして、わがまま言って困らせて、そんな妹になっていただろうなー」

「そうね、そんな気がする。姉が居たらもっと性格悪くなりそう」


「だから私の姉は苦労するよ?」

「苦労? はっ、甘く見られたものね。良いわ、姉としての器量を見せてあげる」


「そういえば兄妹は居るの?」

「居るわ。兄が二人に弟が二人」


「うーん、そうなれば私は兄が二人と弟二人も付いて来るって事?」

「付いて来ないわ。私個人で姉妹になる誓いがある……アズリーナ王女とルビー夫人のようにね」


 やっぱり、母の事やノースギアの事で知らない事が多いな。

 兄弟、姉妹の誓いとは慕い合う者が家の垣根を越えて助け合う約束……基本的には王族主にが派閥作り等にやるものなので法的な縛りはあまり無いが、公式に姉妹として過ごす事が出来る仲良しの称号……だから母はお姉様と呼んでいたのか。

 キャロリアと仲良しの称号を持つとかウケる。


「お姉ちゃんは他に誓いを立てた人は居るの?」

「居ない。そう思える人は居なかったから」


「じゃあ他の兄弟は居たり?」

「えぇ、私の兄弟もそうだけれど王族は大体居るわね……王位に興味が無くても仲良しであれば姉妹や兄弟になる人はいるもの。ほらっ、神殿前で会ったシャーリー覚えている? 彼女は人気だから各方面から誘いがあって何人か居るみたいよ」


「へー、そうなれば私と姉妹になったらキャロお姉ちゃんは私の派閥に入る事になるのか……? 入る?」

「ルクナの派閥? 出来るなら入りたいけれど、誰が居るの?」


「妖精国、ギアナ帝国、ヴァン王国の大きな派閥の上に大聖女ルーが居る感じ?」

「……後で紙に書いて。全員覚える」


 キャロリアは性格は悪いが肝は据わっているので、私の派閥でもまぁなんとかやるだろう。

 ふむ、血の繋がりがある姉が出来ると変な感じ……嬉しいよりもむず痒い。

 キャロリアが立ち上がり、私に握手をするところで細い手が私の腕を掴んだ。


「……せんせ、私せんせの妹になる」

「モニカちゃん……妹になってくれるの?」

「モニカの場合は両親の承認が必要よ。それに……待てよ、最年少レドと大聖女ルーが師弟で姉妹……その長女が私……良いわね」


「せんせをお姉様と呼べるなら、キャロリア様が姉でも我慢する」

「モニカ? それ普通に失礼よ」


 モニカちゃんは本気の目だ。レド試験の時よりも本気だ……モニカちゃんが妹なら、私のノースギア生活が彩り豊かになりそうだ。

 でも公爵は許さないだろうなー。あくまで私は先生だし、姉妹になってしまうと私が公爵家に行かなくなるし、モニカちゃんを私の派閥に入れるのは嫌がりそう。私目当てでモニカちゃんに近付く人が恐ろしく増えるし……そもそも公爵が私の派閥に入りたがる……私は良いのだがおっさんは入れないだろうなぁ。


「もう決めたもん。私、せんせが居ないと生きていけない」

「モニカ、王族ではない貴女はいきなり契りは交わせないわ。先ずは公爵夫妻に了承を得て、派閥に入り最短で一年よ」


「じゃあキャロリア様も一年後にして下さい。せんせとキャロリア様が先に姉妹になるなんて耐えられません」

「そういう訳にはいかないわ。一年経ったらルクナは他の王族と姉妹になるもの」


「……その方がせんせの為になります」

「……あ? 言うようになったわね」


 モニカちゃんとキャロリアがバチバチと睨み合い、険悪な空気……展開が気になるのでモニカちゃんのツインテールをはむはむしていよう。

 毛先柔けぇ……


「キャロリア様はせんせを利用しようとしていますよね? 私はそれが気に入らないです」

「えぇ、下心はあるわ。でもそれ以上に、私にはルクナしかいないと思った。モニカ、貴女と気持ちは同じよ」


「それなら待って欲しい気持ちも分かりますよね?」

「えぇ、分かるわ。だから焦っているの。待っていたらモニカと同じ気持ちの子がどんどん増える……」


「増えません。せんせは私を妹にしない限り満足しません。せんせは私ラブなんです」

「私もルクナに大好きと何度も言われているわ。条件は一緒……いや王族の私の方が上ね」


 こんな年下にマウント取る奴に大好きと言った事に激しく後悔している。

 というか血のつながりがある分恥ずかしいのだが……恥ずかしいと思う辺り身内と思っているのかもしれない。


「二人とも、とりあえず私の派閥に入ってからにしない? 今思ったらキャロお姉ちゃんはローザに認められないと姉にはなれないと思うし」

「ローザ?」


「ギアナ帝国第一皇女ローザクレイル・ギアナ・オルフェ。私の姉になりたいのは、キャロお姉ちゃんだけじゃないのだよ。もし決闘になったらキャロお姉ちゃんは十秒持たないと思う」

「……お腹痛くなってきた。モニカにはライバル居ないの?」


「んー……居ない。年下で仲が良いのは派閥外の子くらいだね」

「やった」

「ちっ、どうやったら認められるの?」


 どうって……いつものキャロリアであれば認めてくれると思うぞ。

 いつもの性格悪いキャロリアならね。


「それは自分で考えないとローザに見抜かれる。本当に覚悟してね。レド試験の何十倍も大変な試験だと思った方が良い」

「私も王族の端くれよ……舐めないで」

「せんせ、私はせんせの事なんて呼んだらいーい?」


「ねぇねって呼んでみて」

「ねぇねっ」

「まだ私の話が終わっていないわっ!」


 くぅっ、ねぇねだってよっ!

 決めたっ! 私はモニカちゃんのねぇねになるっ!

 氷神巫女の娘の力を発揮して明日にでもねぇねになってやるっ!

 お姉様とも呼ばれたいっ!


「モニカちゃん、私、がんばるね」

「ねぇね……私も、みんなに認めて貰えるように頑張るっ!」

「ねぇ、泣いていい?」


 モニカちゃんをギュッと抱き締めていると、扉からノック……リリとサラさんが戻ってきた。


「ルクナー、サラがノースギア料理教えてくれるのっ。これはおやつにどうぞっ」

「わぁークリームパイだーっ。ありがとー!」


「ふふっ、お二人もどうぞ」

「ありがとう、ございます」

「ありがと。ねぇ、貴女もルクナの派閥に居るのよね?」


「いえ、派閥には入っていませんよ」

「そうなの? なんで?」


「入る意味がありませんので。お二人は入られるのですか?」

「えぇ、姉妹の契りを交わす予定だからね」

「私は妹になりますっ!」


 リリが首を傾げたので姉妹の事を説明した。というかサラってもうそんなに仲良くなったの? ちょっと私も混ざりたいのだが……サラさんは私に心は開かないだろうな……


「あら、ルクナが楽しいのなら良いのではありませんか? ルクナ、良かったわね」

「まぁねー。姉妹といってもノースギア限定だし。ローザが嫉妬するくらいじゃない?」

「……」


「んーそうねぇ。ローザ様が相手となると……キャロリア様、頑張って下さい」

「哀れみの目で見ないでくれない? ねぇ何が待っているだけでも教えてよ」


「どれだけルクナ愛があるかで決まるのでは? 派閥はルクナ愛をどれだけ表現出来るかで地位が変わりますし」

「えっ、そうだったの? だからみんな暴走していたの?」


「みんな気が強くて競争が好きな性格だし、そうなるのは当然じゃない? というかその前にルクナは姉妹の事をアズさんに報告しないといけないと思うけれど、どうするの?」

「うっ……助けてリリたん」


「私は会う事すら出来ないわ。相談ならローザ様かイシュラにした方が無難だし……ウォル様にも言わないと」

「あっ、ウォルおかぁさんは大丈夫。もう耳に入っているはずだから」


 アズ母がなぁ……心配しているだろうなぁ……せめてグレイド試験終わってからで良い?

 リリたんや、睨まないでおくれ。

 わかっている。わかっているのだが嫌な事は後回しにするタイプなの。

 そのせいで、大変な事になってしまうのだが……いや、私は悪くない。悪くないのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。