↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
ノースギア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

232/427

悩め悩め

 

 かと言ってキャロリアの隣に座るのは嫌なので、サラさんの隣に座った。


「……」

「サラさん、これ好きな人に魔力を込めてもらうとその人の色になるので良かったら」

「いえ、好きな人だなんて居ませんので……」


「……」

「えーそうなのです? 気になる人とかは?」

「んー……学院でも仲の良い方は居ませんし……そもそもキャロリア様を差し置いて恋愛の事は……」


「良い人は大体相手が居ますよねぇ……キャロリアさんは好きな人が居るのです?」

「……そりゃ居るわよ」


「そうでしたか」

「……いやいや掘り下げなさいよっ!」


 なんでさ。

 興味無いし。

 とりあえず空気なレグセントが帰らないと相談なんてしないし。


「中等部とか恋愛話多そうですね」

「そうねぇー会話の半分くらいはそんな会話よ」 


「私も学院に居た頃は恋愛話をしている女子が多かったですね」

「ルクナはしなかったの?」


「はい、いじめられていたので」

「……あーあ、恋人欲しいなー。でも王族だから作れないからなー。ルクナは好きな人居るのー?」


「えぇ、居ます」

「へー…………彼氏居るの?」


「公式では私の恋人はイシュラです。知っていますよね? あのリューメイ魔導具店でグッズ販売されているイシュラです」

「──はぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁ!」


 こわっ、叫ぶなよ。

 周囲の人もビクッとしたじゃないか。

 ルーの恋人はイシュラというのはヴァン王国では有名なのだが、ノースギアには広まっていないのかしらね。つい最近の出来事だからまだか……まぁ良いか。


「自慢したいので来たら紹介しますね」

「はらっ立つわぁぁぁぁぁ! なんでっ! どっちが告ったのっ!」


「イシュラからですよ。これでも私はモテるので」

「解せんっ! 解せんわっ! あれよりイケメンどこ探しても居ないじゃないっ!」


「えー顔が全てでは……」

「顔よっ!」


 まぁイシュラは性格も良いからね。顔と言い切るあたりキャロリアらしいというか……とりあえず質問攻めがウザい。


「ルクナ、イシュラが恋人って本当? 僕の友達にイシュラが好きな人が沢山居るんだけど……」

「えぇ、因みにカンナさんは……あぁいえなんでもありません」


「待ってすごい気になるっ! カンナがなにっ!?」

「あぁレグってあのレドのメイドの事好きだったわね」


「ちょっ言わないでよっ!」

「ルクナ、もしかしてあのメイドはイシュラ派なの?」


 キャロリアが楽しそうな目を向けてきたので、人差し指を上にちょいちょいとして年上の方のクレイルだよと教えてあげると、あー……という顔をして、レグセントの肩をぽんぽんと叩いた。

 わかるよ、クレイル好きな人は拗らせている人多いし。


 そうこうしている内に試験は終わったみたいでモニカちゃんが小走りでこちらにやってきた。

「せんせーっ!」

 ツインテールをブンブン振り乱して嬉しそう……あれはトップ合格間違い無しだもんね。

 直ぐに抱き付いてきたので頭をナデナデ……こら、匂いを嗅ぐな。


「モニカちゃんお疲れさまー。よーしよーしよく出来ましたー」

「えへへー頑張ったの。せんせとデートしたいもんっ」


「実習のお買い物は二人で行こうねー。いつ行く?」

「週末が良いなぁ……あっ、キャロリア様私の為にありがとうございます」

「素直に凄かったわ。まさかモニカが最年少レドなんてねぇ……」


「まだ結果は出て居ませんので……」

「あれで合格じゃなかったら抗議するわよ。あぁそれと、明日から忙しくなるから覚悟した方が良いわよ?」


「えっ? どうしてですか?」

「だって最年少記録よ? アズリーナ王女の時も凄かったって話だし……まぁ付き添いしてあげるから安心しなさい」


「……せんせぇ」

「モニカちゃん、頑張って」

「直ぐに見捨てたわね」


 私はモニカちゃんの前までは最年少記録だったけれど、ウォーエルの娘という話題で掻き消されたのよね。ウォーエルの許しが無いとパーリーには呼べないし。

 行ったらアズ母が居そう……居ないなら行っても良いけれど……うーむ、いつかは会わないといけないのだが……


 モニカちゃんが来た事だし、早速移動。レグセントにはバイバイして、モニカちゃんとキャロリアとサラさんと共に歩くのだが、キャロリアが付いてこいとばかりに先頭を歩いていた。


「モニカちゃん、宿泊実習楽しみだねー」

「うんっ! せんせを自慢するのっ!」


「私を? 見た目ダサいって言われ続けて最近自信無いのよねー。そうだ、せっかくだし眼鏡外して行くかー」

「ほんとっ? でもみんなせんせの事好きになっちゃうから、うー、でもー」


「大丈夫大丈夫。ヴァン王国でやっている変装だから」

「じゃあっ、じゃあっ、お買い物の時それにしてっ」


 普通にクルルで行くだけなのだがね。男っぽく見える魔導具があればルクナと結び付く事は減るし……ノースギアのきゅるるん人気を下調べしたいという好奇心もあるのだ。

 ふとキャロリアが立ち止まって私の眼鏡を睨んだ。


「……ルクナ、眼鏡外すの?」

「えぇ、変装はしますがね」


「素顔見たい」

「じゃあ家に着いたら外します」


「えっ、良いの? なんか認められたみたいで嬉しいけれど腹立つのも確かね」

「キャロリアさんにはある程度の自己開示はするつもりです。面白そうなので」


「面白そうって何よ。まっ、期待しておくわ」

「せんせの家にお泊りしたい……」

「公爵様が良いって言わないのだよ。呪いの家だからね」


 さっきから視界の端に神殿巫女らしき人が居るのだが、私の様子をウォーエルに報告しているのだろう。


 適当に雑談をしながら私の屋敷に到着すると、サンゴさんがメイド服姿でお出迎えしてくれた。

 私の好きなブラウンのクラシックタイプだから嬉しいわね。


「おかえりなさいませ、ルクナお嬢様」

「……ただいまです。サンゴさんめっちゃ似合っていますね」


「元はメイドですから。お友達もようこそいらっしゃいました。こちらへどうぞ」

「は、え、えぇ……ルクナっ神殿巫女様が居るなら言いなさいよっ!」

「私のおかぁさん知っているでしょ? 居て当然と思ってくれなきゃ」


 モニカちゃんはぼけーっと屋敷を眺めているが、キャロリアの顔が引き攣っていた。神殿巫女と言えば氷神巫女の次に力を持った位の人だから、普通に貴族より強い存在だから引くのは仕方がないな。

 屋敷に案内されると……おぉ~……綺麗だ。エントランスに赤絨毯や絵画……ってウォーエルの家そのまま再現じゃんっ!

 すげー……懐かしい……泣きそ。


「リリたん樣に昔の再現をお願いされまして、ウォル様に黙ってやってしまいました」

「流石リリたん……サンゴさん、私がわがまま言ったって言っておいて下さい」


「……ルクナさま、そのお願いの仕方では動きませんよ」

「……サンゴ、私がわがまま言ったの。良い?」


「はいっ!」


 満面の笑みが素敵だな……イチカさんもニコさんも、サンゴさんも私がヒナタである事を望んでいる。悪い事ではないが、時々自分を見失う。

 このままで良いのだろうかって思ってしまう。私の立ち位置は、ヒナタのものだから。


「リリたんは?」

「キッチンにいらっしゃいます。お呼びしますねっ!」


 サンゴさんが小走りにキッチンの扉を開いてリリたんさまー! と大声で呼んでいた……そして少しムスッとした顔のリリが現れ、カツカツと私に歩み寄った。手を広げてみたがギュッてしてくれない……


「ルクナ、おかえり」

「ただいまー、ぎゅー」


「……リリたん樣ってやめさせてくれない? 私一般人よ?」

「来年には聖女でしょ?」


「まだ受けてないしっ。それとねっ……あら? お客さん?」

「うんっ、私の愛弟子モニカちゃんと、いとこのキャロリアさんと侍女のサラさん」

「えっ……いとこ?」


「私はリリィベルカと申します……モニカさんの事はルクナから聞いております。キャロリアさんは初めましてですが……サラさんは以前侍女の研修でお会いしましたよね?」

「ぁっ……もしかして、アルセイア王女の?」


 あっ、リリとサラさんが話始めてしまった


「よーし、立ち話もあれなので私の部屋でしましょー! モニカちゃん、今日泊まってく?」

「えっ、良いの?」


「うん、最年少レドを最初に招く権利は誰にも渡さないから」

「せんせ……」


「サンゴ、ノーザン公爵に伝えておいて」

「はいっ! あっ、あれお願いします……」


「サンゴ、いいこいいこ」

「えへへー、喜んでっ」


 サンゴさんが出ていき、私の部屋にみんなを招き入れた。

 私の部屋は少し配置が変わって、ピカピカになっていた。

 ……棚が増えているのはまぁ良い。問題はウォーエルの自画像。よく見ると目の所に隠しカメラ……壊しておこう。

 キャロリアがソファーに座り、私はモニカちゃんを膝に乗せて対面に座ったリリの隣に……サラさんが座らないので、キャロリアの隣に座らせた。


「さて、ようこそ我が家へ」

「ルクナ、質問良い?」


「どうぞ、キャロリアさん」

「いとこって何?」


「そのままの意味ですが? 眼鏡邪魔なので取りますね」

「っ! どういう事? 貴女、王族なの?」


「んー、端的に言うと私を産んだのはアズリーナ王女です」

「「なっ!」」


 キャロリアには私の秘密を知ってもらう事で悩んでもらう。下手に外部に漏らせば何が起きるかわからないからね。

 他人に言えない爆弾が大きいほど心の負担になるからねー。


「せんせ、ほんと?」

「うん、元々母とノースギアで静かに暮らすつもりだった。でもサーレスに邪魔されてね……見返してやろうとレドを目指したんだ」


「えっ、待って待ってっ! じゃあ父親の話は?」

「本当ですが、母は父の浮気を本筋までは知りません。因みにグレイドを目指すのは祖父の顔を見てみたいだけでグレイドになりたい訳ではありませんよ」


「せんせ、お姫様……」

「いいや、姫じゃない。アズリーナ王女は独身だし、私の存在は無かった事になる筈だった。でもそこで出会ったのが氷神巫女ウォル・ノースマキナ。面白いくらいに私の計画は崩れてさぁ……困ったもんだよ」


 ここまで言えば、なんとなく分かるだろう。頭を抱えるキャロリアと、思案するサラさん……ふっふっふ、悩め悩め。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。