5-10 はしゃぎすぎた末路。
三人娘はゴールドスライムに目が眩んでいるようですよ。
「……四時の方向、ノアさんから距離120メートル。倒木の陰に隠れています」
木の上からリムラが真下にいるナーミに。
「オッケー」
ナーミが七時の方向に控えているノアに合図を送り、
「伊~良~部~、パーンチ!!」
ノアがまた小石を投擲。
空気を引き裂き投擲された小石は、途中から急激に失速、倒木を貫き、その陰に隠れていたゴールドスライムを打ち抜いた。
「やりました!」
「よっしゃ、6匹目!」
「だーっ!」
ノアの攻撃力での投擲は異常だった。
スピードが速く、しかも重い。
小石を投げれば太い木の幹も真っ直ぐ貫通する。
コントロールを無視すれば、どこまで飛ばせるか分からない。
この投擲を利用すれば、遠距離攻撃もほぼ無双だった。
「これで最低でも6千万!」
「うまくいけば6億!」
「私も狩人に復帰できるかも!」
一人だけ夢が小さい。
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「おーい、そろそろ野営するぞ~」
タグが声をかける。
「もうちょっと~!」
と、ノアの声が聞こえてくる。
レッドモンキーが出現するという材木の切り出しの現場に到着したものの、三人娘はすっかりゴールドスライム狩りに熱中していた。
お金になる魔石は多い方が良い、とは建前。
レベルの上がったリムラの身体能力なら、飛行魔法無しで木の枝から枝へ、飛び移ることが出来ると判明。
ノアとナーミが真似し始めたときに、リムラがフェアリー族の狩りの仕方をレクチャーしたら、またゴールドスライムを見つけたからさあ大変。
ゴールドスライムを見つけてはそれぞれが布陣し、ノアの伊良部パンチが炸裂。もはやゴールドスライムには、はた迷惑な辻斬り同然な狩りだった。
そうこう遊んでいるうちに、日が暮れてしまったわけだ。
その場合、
「俺たちは依頼できているであって、遊びできているわけではないんだぞ!」
寅のお説教は当たり前だった。
「だ、だって、寅さんもタグも魔石があったほうがレベルが上がるわけだし」
「なら、これは俺たちで喰っていいな!?」
「「えーっ!?」」
「何か問題あるか?」
「ほ、ほら、やっぱさ、いざっていうときに、頼れるものってシンプルに資金的なもんじゃね?」
「これまでの依頼をこなして、少なくとも向こう十年は遊んで暮らせる」
「で、でもでも、ほら、新しい魔法をね、ちゃんと使いこなすには、必要な……」
「だったら、なにもゴールドスライムだけにこだわる必要はないな?」
「あぅぅ……」
徐々に反論の芽を摘まれ、ノアとナーミが冷や汗をダラダラと流している。
「もう少しで狩人に戻れそうな気がしてるんです!」
「うん、いま怒られているの、そこじゃないから!」
「でも、この調子なら、レスラーのまま狩人へ復帰出来ると思うんです!」
「投げていたのはノアだからね!? しとめていたの、ノアちゃんだからね!?」
リムラはリムラで色々とずれていた。
たまたまゴールドスライムの暮らしやすい環境で出現率が高かったという設定。
ついでに伊良部パンチは変化球も投げられるようですよ。
そしてお説教までがワンセット。
コマケェコタァイインダヨォ!




