5-7 宵越しの銭
ようやく初めての依頼からギルドに戻ってきたようですよ!
「たのもーっ!」
と、ノアが元気に入ってきたのはビーダブのギルド。
「あら、ノアちゃん。やっと帰ってきたのね」
受付嬢のラエミが出迎える。
見ればノアと喋るヌイグルミの寅さんに加え、ドラゴンニュートとフェアリー族の少女に、さらに自分で歩くヌイグルミが一体増えている。
「……随分と仲間が増えたのね」
精一杯取り繕った笑顔だった。
*************
「おお~、これがギルドカードなんですね」
「くれぐれも紛失には気をつけて下さい」
「わかりました」
ラエミからギルドカードを受け取ったリムラはしげしげとカードを眺める。
身分証明が出来れば、これからの旅で色々役立つ。
「依頼は、レッドモンキーの討伐ですか……Cランク依頼ですが、まぁ、単身の討伐でないなら、大丈夫ですかね」
リムラは初めての登録にも関わらずレベル40を超え、ナーミは既に60間近、ノアに至っては60オーバー。
(そういえば、昔話で魔王を倒した勇者がレベル65くらいだったなぁ……)
ラエミの笑顔は凍り付いている。
レベルだけで見ればすでにAランクの冒険者に相当しており、レスラーという謎の職でなければ、昇格試験を受けてもらいたいくらいだ。
「ところで、ノアちゃん。お父さんとお母さんから、お手紙が届いているんだけど」
「ほんとに!?」と、身を乗り出すノアに、ラエミが手紙を渡す。
「えっと……」
文面を読んで、ノアはがっくりと頭を垂れる。
「……もぅ、仕送りなんてするもんか……」
「ナニが書いてあるんだい?」
タグが文面を読んでみれば、
『ノア、治療費をありがとう。おかげでハイポーショションに解毒薬も買えて怪我も毒もすっかり良くなりました。ですが、踊りも演奏も、まだ本調子とは言い難いような気がしなくもないので、余ったお金でジェダルへ湯治にいこうと思います』
とあった。
「……娘の金で豪遊する気満々だねぇ」
タグですら呆れる文面だ。
「……そんな気はしてた……ちょっとお金を送りすぎたかなとか思ったもん……」
「旅芸人は泡銭を持たないからな」
と、寅はノアの頭を軽く叩き、
「とにかく、これで色々な目処がついた。まずはリムラの依頼を片づけるぞ」
「うぅ~……」
ノアは納得がいかなさそうに唇を尖らせ、
「……再会のハグはベアハッグにしてやる」
物騒なことを考えているのだった。
子供の仕送りもあぶく銭。
これが旅芸人の生き方のようです(違
コマケェコタァイインダヨォ!




