5-5 ジャイアントキリング
ナーミは負けてしまったようです。
「やーいやーい、負けた、負けた~!」
「うっせ~、油断しただけだ!」
「はぁ、はぁ、ま、また、勝ててしまいました……」
結局、序盤のストレッチプラムのダメージを引きずったナーミは、敢え無くリムラにフォール負けした。
「ぜってー泣かす!」
「泣かないよーだ!」
と、ノアとナーミが仲良く試合を始めたところで、ようやくリムラは休憩をとれる。
腰を抜かすように座り込むと、レフェリー役そっちのけで寅が正面に座り込む。
「リムラ、ステータスプレートを確認しろ」
「あ、はい」
リムラは自分のプレートを取り出すと、
「わ……」
思わず口元を押さえてしまう。
名前:リムラ
種族:フェアリー族
職業:レスラー
年齢:28
レベル:24
HP:2490
攻撃力:659
防御力:458
スキル:サブミッション、受け身
魔法:ストレッチプラム、逆水平チョップ、ラリアット、アンクルロック、フランケンシュタイナー、ブロックバスター、ビクトル式膝十字固め、アームバー、フジワラアームバー、バックドロップ、チキンウィングアームロック、ヒールロック、ショーンキャプチャー、DDT、STF
「レベルがすっごく上がってます!」
「ふむ……練習試合とはいえ、ジャイアントキリングをやってのけたわけだしな」
ナーミのレベルは30以上。
レベル一桁だったリムラがジャイアントキリングを果たせば、その経験値は計り知れない。
「この魔法の所にあるのは……」
「心配するな。俺が手取り足取り全部教えてやるよ」
「はい、よろしくお願いします!」
「……うん、なんか、正直スマンカッタ」
どこまでもまっすぐなリムラの笑顔に、タグは小さな声で謝るのだった。
滑るボケほど寂しいものはない。
「この調子でレベリングをすれば、すぐに一人旅の目処もたつだろうが……使える種類に偏りがあるな……タグ、お前はどう思う?」
「ま、シンプルな話だが、全部カウンター。スキルのサブミッションが関わっているんだろうが、可愛い子には旅をさせたくねぇ並びだ」
「そうだな……」
「あの、どう言うことでしょう?」
「単純にいうと、一対一ではかなりのレベルになるが、多対一の状況に弱い、ということだな」
「そうなんですか?」
「ラリアットを使えば滅多なことでは魔物には負けなくなると思うが……さて……」
別行動を想定していたが、この魔法の一覧では少々心許ない。
今日一日でどこまでレベルをあげられるか。
寅は今後のことも含めて思案していた。
「寅さん、フォールフォール!!」
「だあああっ!! 助かったああ!!」
仮設リングの上では、ノアのパワーボムをナーミが必死に返したところだった。
ちなみに、4秒ほどフォールしていた。
ジャイアントキリングというよりジャイアント自爆。
そして殺伐としない平和な子達。
コマケェコタァイインダヨォ!




