5-2 両親失踪
ようやくお使いが終わるようですよ。
「ビーダブよ! 私は帰ってきたぁ!」
馬車の上に仁王立ちしながらノアが叫ぶ。
隣であぐらをかいているナーミが呆れたような顔をしている。
「それを言いたいだけで馬車の屋根に出てきたのか?」
「だって街に戻ってきたら言わなきゃいけないってタグが言うんだもん」
「意味が分からねぇな」
「んじゃ、戻るね~」
と、ノアがいそいそと馬車の中へと戻っていく。
「あたいはまだ置物か、ちくしょーめ」
ふてくされるのも、街に着くまでだ。
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「こ、これが、人間の街、ですか!」
リムラが目をキラキラさせている。
「こりゃあ、なかなか立派な街だな」
「ビーダブは都市と呼ぶには小さいが、山間を避けた二つの街道の中継地点でもあるからな。それよりも、まずはノアの両親に会いにいかないとな」
思えば、一泊二日で戻ってくる予定だったのに。
随分と長い旅になってしまった。
ノアは両親であるゼンニとロレが入院しているはずの診療所へと急ぐ。
一分後。
「おとーさん、おかーさん、私これからどうすればいいの……」
すでに退院したことが判明した。
さらに書き置きが残されており「娘へ 次の街で待っています」とあった。
「次ってどっちだ~っ!!」
思わず叫んでしまうノア。
ここは二つ街道の中継地点である。
「落ち着け、ノア。お前はこの街に来る前は、どこで稼いでいた?」
「え、えーっと、イスリだった」
「イスリは北西だな。普通に考えれば南東へ進むと思うが……ノア、次の街について何か言っていたか?」
「え、えーと、言ってないけど、収穫祭とか、お祭りに併せて移動するのが鉄則だったよ?」
「収穫の時期はもうすぐ終わる。これから冬に向かう。必然的に外で演じるタイミングは減るはずだ」
「ってことは、北か?」
「北東の温泉地……ジェダルだ!」
珍しく、目的地はすぐに決まったのだった。
娘を残してどっかに行く両親。
もっとも仕送り金額が既に自分たちの年収に迫りそうなので、
独り立ちしたと思っても不思議では無いわけですが。
コマケェコタァイインダヨォ!




