4-20 新たなヌイグルミの名前は……
動き出したワーライオンのヌイグルミは、見た目とキャラが一致しないようです。
「オーマイマイ……こりゃ、なんの冗談だ?」
なにやら斜に構えつつ、軽い調子で話し始めた。
「なんだか訳の分からねぇ事になってんだが……誰か、説明できる奴はいるか?」
「……なんか、頭悪そ……」
「オヤァイ! その言い方は失礼じゃないか!? もっとも、俺の魅力は子供にはまだちょっと早いと思うがね」
「俺が説明をする。自分の名前は分かるか?」
進み出た寅に、ワーライオンは納得したように頷く。
「……なるほど。何となく話は読めてきた」
「だが、推論だけでは足りない世界だ。こっちへ来てくれ」
と、なにやらヌイグルミ同士で話し始めてしまった。
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「びっくりです。本当に動き出しましたね」
「リムラちゃん!」
「は、はい!」
「リベンジ!」
「え?」
「一度ならず二度までも私の必殺技を返された! リベンジをしなければ気が済まぬ~!」
「あ、こいつ、キャラ壊れ始めやがった」
「え、えっと、すいません、ちょっとその前に聞きたいことが」
「なんだ?」
「アンクルロックって魔法ですか?」
「たぶんプロレス技だ」
「絶対に魔法だよ!」
絶対諦めないノアだった。
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「ってことで、俺が君のオーナーのグチだ。よろしくな」
「は、はい! よろしくお願いします」
ワーライオンは自分からタグを名乗った。
「どうやら、俺たちは運命共同体らしい。剣と魔法のひしめくこの世界でだ。どんな羞恥プレイかって話だ」
「そ、そうでしょうか?」
「けれどな、レスラーは魅せてナンボ、見られてナンボの世界だ。一緒に世界を股に掛けようじゃないか」
「よ、よろしくお願いします」
タグの乗りに、戸惑いながらも一生懸命乗ろうとしているリムラ。
「まずはレベルをあげて、使えるテク……じゃない、魔法を増やしていくぜ」
「は、はい!」
「おい、待て。何を勝手に決めている」
ヌイグルミ主導で進んでいく話に、ザロクが口を挟む。
「私は一言も認めていないぞ」
「おいおい、ダディ。この期に及んで、まだあんたは娘を不幸にする気かい?」
「なんだと?」
「この子のレベルはたったの6だ。レスラーは試合をするほどレベルが上がるらしいが、里に押し込めていたらこの子はいつまで経ってもこのままなんだぜ?」
「む……」
「お父様……私、ちょっと頑張ってみます」
「しかし……」
「里に戻っても狩人にはなれません。だからといって、里の中に飛べないフェアリーがいても何も出来ません」
「リムラ……」
「だから、私は外の世界に進もうと思います」
「だが、お前はまだ28歳じゃないか! 早すぎる! せめてあと50年は里で暮らすべきだ」
「「長っ……」」
ノアとナーミが口をそろえる。
「お父様、良いのです。私はこの機会を逃したら、きっと外へ向かう勇気を失います。いま、ノアさんたちに出会ったこの瞬間だからこそ、外に出るべきなのです」
決意に満ちた娘の瞳に見つめられ、ザロクは言葉を出せない。
長い沈黙の末、ザロクは一番残酷な答えを出した。
「……どうしても行くというなら、この父を倒してからにするんだ」
「お父様……」
「一族の掟だ。フェアリー族は里から出てはいけない。出るためには、己の強さを証明する必要がある」
「あの……お父様」
と、リムラは控えめに手を挙げる。
「なんだ?」
「私……もう、ラリアット、使えます」
「……そうか……」
ザロクの敗北はすでに決定事項だった。
ザロクがどんなことになったのかはご想像にお任せします。
森のガチムチの妖精さんが、愛娘の細腕になぎ倒されたということです。
コマケェコタァイインダヨォ!




