4-18 道理を踏み倒す
一応ノアにも考えがあるようですよ。
「ずっと考えてたんだけどね、寅さんだって、オリョウだって、クタローだって、誰かが作ってたはずなんだよね」
チクチクチクチク。
「だからって、神様が作ったなんて思えない訳ですよのよのよっと」
チクチクチクチクチクチク。シュッ。
「じゃあ、どっかの名うての職人が作った? だとしたら、私はその人に会ったことがあるってことなんだよね。でも、寅さんは違ってたんだよね」
パチン、パチン。プチッ。チクチクチクチク。
「ちっちゃいときにね、普通の雑貨屋にあったのを買ったんだってお母さんが言ってたの。そのまま旅芸人の備品の仲間入りしていたわけ。つまりね、全くの偶然なわけですよ」
チクチクチクチクチクチク。パチン。
「というわけで、自分たちでも作れると思ったわけです。といったところで完成~!」
ノアの手には、寅と似ているワーライオンのヌイグルミが完成していた。
ちなみに寅が見繕った魔石が一つ、腹の中に埋まっている。
「……あの、すいません、レスラーって裁縫仕事出来るんでしょうか?」
「出来るわけねーじゃん」
「前にね、一緒のキャラバンになった人形屋さんのオッチャンに、作り方教えてもらって、三ヶ月くらいお手伝いしてたんだ」
「だからって……こんなに器用に作れるものなんでしょうか?」
ノアが所持していたのは布のみ。
切れ端やら何やら次から次へと布の中に仕込み、これまた木っ端を器用に削り取り爪と牙を演出、髪の毛や髭をちょいちょいとつければ、あっと言う間にワーライオンの出来上がり。
「ノアって、ぜってー職を間違えていると思う」
「レスラーでも狩人出来そうな気がしてきたんですけど」
「むふふ~」
ノアは鼻高々にない胸をこれ見よがしに反らせる。
「それで、ここからどうするんだ?」
「ここからって?」
「まさか、魔石いるのヌイグルミを作ってどうにかなると思っていたわけではないだろう?」
「……」
寅の指摘に固まるノア。
思っていたらしい。
「そんなこったろうと思ったぜ」
ナーミが白い目でノアを睨む。
ノアは笑顔のまま冷や汗ダラダラ。
「はぁ……」と、寅がため息をつく。
「キーワードとなる魔法があるはずだ」
「キーワード?」
「俺の意識が目覚めたのは、ノアのラリアットって言葉だった。それなら、リムラが覚えている魔法の中でキーとなる魔法が載っているかもしれん」
「なるほど!」と、ノアはリムラに向きなり、
「ステータスプレート、見せて!」
「え、あ、はい」
やたらとフレンドリーなノアに戸惑いつつ、リムラはステータスプレートを取り出す。
名前:リムラ
種族:フェアリー族
職業:レスラー
年齢:28
レベル:6
HP:240
攻撃力:160
防御力:118
スキル:サブミッション、受け身、根性
魔法:ストレッチプラム、逆水平チョップ、ラリアット
「年上!?」
「そこかよ!」
ナーミの鋭いツッコミが炸裂した。
年上判明
ロリバ……ゲフンゲフン……という程では無いです。
100歳は突破してないので、奥様見た目がお若いですね、というやつです。
コマケェコタァイインダヨォ!




