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ラリアットって魔法ですか?  作者: 道中木方
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4-17 無理が通れば…

闘い終わったらノーサイドが基本です。


「あの……」



 いつの間にかリムラが父親に支えられ、近くまできていた。



「えっと、あたし……」


「ポーションいる?」


「え?」


「いる?」


「あ、ヒール、してもらえたから」


「そっか」



 ノアは飄々と立ち上がると、にかっと笑って手を差し出す。



「良い勝負だったね」


「え、あ……はい」



 リムラは照れくさそうに握り返した。



「次は負けないからね」


「次?」


「レスラーは何回でも闘っていいんだよ。だから次は私がリベンジする番!」


「あ、あの……」と、リムラは困ったように笑いながら首を傾げ、


「レスラーって何ですか?」


「「「……そこからか」」」



 結局、この説明は何回も繰り返されるらしい。


******


「つまり、あたしはレスラーになる運命で、本当はオーナーっていう職業の喋るヌイグルミが付き従うはずだったってこと、ですか?」


「概ね、その理解でいい」



 寅とリムラが向き合い、リムラの後ろにはザロクを始め一族全員が耳を傾けていた。



「喋るヌイグルミ、子供の頃に遊んでいた人形とかに、に心当たりはない?」


「えっと……」とリムラは記憶をたどる。


「子供の頃に、遊んでいた木彫り人形くらい……」


「そりゃ、喋らねぇな」


「むしろ動き出しても怖い」



 オリョウの再来くらいには怖そうだ。



「職業の書き換えは出来た?」


「……試してみたのですが……狩人には戻りませんでした……」


「そっか~」



 ヒールとしての役目を終えていたら、その可能性もあったはずだ。



「もしかしたら、亜人側のベビー側の存在としてレスラーになっていたのかもしれないな」


「じゃあ、リムラちゃんはずっとレスラーのまま?」


「そうなるな」


「そんな……」


「まぁ、レスラーも使い勝手の悪い職でもない。使える魔法が増えれば、魔物相手になら無双も出来る」


「確かに」


「では、狩人は無理でも、守衛などなら一族の勤めを果たせるということですか!?」


「だが、それにはオーナーが必要だ。魔法を覚えても使い方が分からなければ意味はない」


「ストレッチプラムがそうだったでしょ?」


「……はい……」



 フェアリー一族では、レスラーの伝承すら伝わっていなかった。



「逆水平とストレッチプラムだけじゃ、守衛にゃ厳しいな」


「じゃあ、私たちと一緒に来る?」


「冗談じゃない!!」



 と、これはザロクの悲鳴。



「やっと戻ってきた娘を旅に出させるというのか!?」


「落ち着け、オッサン」


「まぁ、気持ちは分かるがな」



 自我を失っていた娘がやっと我に返ったのだ。


 いきなり分かれられるはずもない。



「それだけじゃないんです」と、リムラは少し落ち込んだ様子で、


「私たちフェアリー族は奴隷としても、素材としても重宝されます。まして、私は空を飛ぶことが出来なくなっていますから……」


「旅をするどころではないか」


「っつーか、普段は隠れているんだから大丈夫じゃねぇか?」


「それは、お前自身に置き換えても言えるか?」


「あたいにって……うん、あたいが悪かった」



 業の深い世の中。


 およそ想像し得る最悪のことは全て起こる。


 何かの拍子に正体がバレればどんな目に遭うか。



「しっかし、なんなんだよ、この手詰まり感~……」


 ナーミがひっくり返る。


 リムラが理性を取り戻し、これで色々解決されるのかと思ったが、どうもうまく話がまとまらない。



「娘を助けてくれたことには礼を言う。しかし、これは我々一族の問題で……」


「一族で処理できなかったらこんなことになったと思う件について」


「ぬ……」



 ノアのストレートな指摘に反論が出来なくなるザロク。


 ノアは、まるで推理を披露する探偵のように、炭坑内を歩き回りつつ



「このままフェアリー族の隠れ里に戻れば、誰もリムラちゃんの指導をする人はいなくなる。かといって、私たちと一緒に旅をするのはリスクが高い。私たちに残された方法は、方法は一つだけ……」


 と、ノアはもったい付けつつ、ビシリと指を立て、



「私たちでオーナーを作っちゃう!!」


「「「……は?」」」


 ノア以外の全員の頭に「?」が浮かんだ。



ノアが何やら言い始めました。


無理が通れば道理が引っ込む。

道理が引っ込まなければ殴り飛ばして押し通す。


レスラーはそんな人達です(違


コマケェコタァイインダヨォ!

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