4-14 身体が覚えていた切り札
ノアが決着をつけに出たようですよ
「こんのぉぉぉ!!」
「負けるかぁぁぁ!!」
再び、打たれたら打ち返すの泥仕合に戻ったノアとリムラ。
しかし、さすがに限界を迎えたらしい。
逆水平チョップはあくまでも魔法。
さすがに500を数えるほど打ち合えば、魔力も限界に近づく。
魔力が尽きれば、二人とも動けなくなってしまう。
「このっ!!」
「うぐっ! にゃろ!」
「あう!」
「……ぜぇ、ぜぇ……」
「はぁ、はぁ……」
ノアとリムラが額をぶつけてにらみ合う。
真っ赤な右手がブルブルと振るえ、打たれ続けた胸元は紫色に晴れ上がっている。
汗は止めどなく流れ、体力もすでに限界。
二人とも立っているのもやっとだった。
「ぜぇ、ぜぇ、やるじゃん……」
「はぁ、はぁ、そ、そっち、こそ……」
「でも、もう、限界でしょ?」
「お互い、ね…」
「……でもね……私には、他にも使える魔法がある」
「なっ!?」
「コンビネーション!!」
唱えた瞬間、ノアの左右のビンタがリムラの脳を揺らす。
「あっ、ぅっ!?」
「せいっ! りゃあっ!!」
「がっ、あっ……」
鋭く回転した裏拳、さらにビンタと追撃され、リムラがフラフラになる。
「あぅ……あぅぅ……」
一度倒れたらもう立てない。
リムラはフラフラになりながら、必死に踏ん張り、倒れることを拒絶する。
「……ラリアット……」
最後の切り札。ノアは右腕を大きく回すと、最後の力を振り絞り、ロープに走る。
「これで、終わりだぁぁっ!!」
「ストレッチプラム!!」
「っ!?」
リムラは振るわれるノアの右腕に自分の右腕をぶつけると、その反動で背後に回り込む。
一瞬にしてノアの右腕と首を捕らえ、ストレッチプラムを完成させた。
「んっぐあああああっ!!」
「ギブアップか!?」
「ノーッ!! あああああ!!」
まさかの逆転を許し、ノアは悲鳴を上げる。
ストレッチプラムは相手の背後から右腕と首を絞り上げ、首にダメージを与える締め技。
しかし今は、逆水平の打ち合いで紫色に腫れ、流血すらしている右胸に、強烈なダメージを与えていた。
「ノア、ギブアップか!?」
「ノーッ!! んぐぅぅ~~~!!」
悲鳴からも全く余裕がなくなっていた。
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「「「うぉぉぉぉ~~~っ!!」」」
フェアリー族の大歓声。
誰もがもうダメだと思った。
子供同士でも出来そうなチョップの打ち合いから、突然放たれた、まるで格闘家のようなコンビネーション。
流れるような打撃を全て顔面に受け、一巻の終わりだと誰もが感じた所で、よもやの大逆転。
リムラの締め技に捕らわれた少女は、もはや身じろぎ一つとれなくなっている。
もう声援が、言葉になろうはずもなかった。
「いけーっ!」
「リムラ様ーっ!!」
「決めろーっ!!」
もはや、口々に叫ぶだけだった。
一方ナーミはというと、
「……あれ、逃げられなくね?」
完全アウェイの空気の中、他人事のように呟くのみだった。
リムラ、まさかの大逆転。
ますます主人公がどちらか分からなくなってまいりました。
コマケェコタァイインダヨォ!




