4-9 フェアリー族の娘……のはず
フェアリー族の娘さんがいるようですよ。
炭坑の奥。
天井が崩れた場所に日が射している。
その日溜まりの中に、彼女はいた。
四つん這いになり、怨嗟の声を呻きながら、尚も届かない天を恨むように、日溜まりの暖かさに爪を立てている。
「まさかとは思うが、ずっと飲まず食わず、というわけではないだろうな」
「ああ、あの崩れたところから食料や水は投げ入れている。幸か不幸か、食事だけはちゃんととってくれる」
「それはそうだ。あそこにいるのは、あくまでもリムラだからな」
「寅さん……」
「なんだ?」
「オーナーがいない」
「分かっているさ」
「じゃあ、どうすればいい?」
「長い試合になるぞ」
寅の説明に、ノアは真剣な表情でうなずく。
「だったら、あたいの方が適任じゃねーか」
「もともと頑丈なドラゴンニュートが相手じゃ、挑発にならん」
「大丈夫、がんばる」
「忘れるな。お前たちレスラーは闘っている最中にでも成長する。それは、相手も同じことなんだぞ」
「うん!」
ノアは羽織っていたマントを投げ捨て、日溜まりの中に進み出た。
いつのまにか、衣装は鮮やかであり健康的な色気も感じさせる、踊り子のようなものに変わっていた。
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「……あいつ、いつのまに着替えてた?」
「早き替えは旅芸人の鉄則だそうだ」
「衣装買う暇あったか?」
「前から自分で作っていたらしいぞ」
「……」
言いたいことはあるが、とりあえずサイズが変わっていない理由だけは問わないことにしたナーミだった。
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「リング展開!」
寅の魔法でリングが形成される。
突然の環境の変化に、リムラは右往左往するが、すぐに目の前のノアに気づいた。
「アアアアアッ!!」
奇声をあげて飛びかかってくるリムラ。
しかし、ノアは冷静に掴みかかってきた手を正面から受け止め、手四つの状態にする。
「グァァァッ」
「んぎぎぎっ」
互いに押し合いのこう着状態に陥る。
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「……やはり、魔法を使わぬか……なんと見苦しい」
その姿を見てザロクがつぶやく。
他のフェアリー族も見るに耐えないという様子だ。
「おい、オッサン」
「お、おっさん!?」
「あんた、自分の娘にそう言ったのか?」
「なに?」
「魔法が使えなくなった実の娘が、必死にもがく姿をみて、見苦しいって言ったのかって聞いてんだよ」
「……それは……」
沈黙は肯定、とはよく言ったものだ。
「そういうことかよ……」
ナーミは歯噛みする。
ドラゴンニュートの中で唯一レスラーだったナーミには、リムラの気持ちが痛いほど分かった。
普通の魔法が使えないことで、どんなに辛い思いをしたか。
「だったら」と、寅が少し強い口調で言う。
「この闘いから目を逸らすな。お前たちのいう見苦しい闘い方が、どれほど心を揺すぶるものか、たっぷりと見せてやる」
瘴気にとらわれて過ぎたら、我を失ってしまいます。
リムラはほぼ獣の状態でフェアリーの気配ゼロになってます。
その濃すぎる瘴気で、採掘された鉱石が魔石になって、オークが生まれていた設定。
コマケェコタァイインダヨォ!




