4-6 フェアリー族の娘の話1
無双する娘二人は警戒れたようですよ。
「お、お前たちは、何者だ!?」
警告するような強い言い方に、ノアたちはようやくフェアリー族と向き合った。
見れば全員が弓と魔法を構えている。
「あー、俺たちは決して怪しいものではない。むしろ助太刀をしただけで……」
「ヌイグルミが喋ってしゃべっているだと!? 貴様等、魔術師だな!?」
「あ~……今の戦い方を見て魔術師と思えたら、逆に尊敬するわ」
ナーミが困ったように鉱山の惨状を眺める。
若干一名のみ、魔術師と言われて目をキラキラさせている。
「そう! 私はまぎゅ!?」
「わりぃけど、話がややこしくなるから、そのヌイグルミと話してくれるか!?」
ドラゴンスリーパーでノアのコメントを封じるのがお約束になりつつある。
「と、いうわけで、そちらのリーダーと話をさせてもらいたいんだが……」
「……俺が、族長のザロクだ」
現れたのは、白衣をまとった、フェアリーと言うには少し屈強すぎな体つきの男だった。
「俺は寅という。後ろの二人のオーナーだ」
「……オーナー?」
「聞いたことはないか?」
「いや、知らん」
「なら、レスラー、という言葉に心当たりはあるか?」
「……何故、お前が一族の恥曝しの職業を知っている?」
「恥曝し……か……」
何となく、話が読めてきた、と寅はため息をこぼした。
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フェアリー族にも職業がある。
当然、一族を守る戦士や、回復を担う僧侶などが目立つが、他にも多種族との交渉を行う外交官や、森の中で食料の採取を生業とする狩人や農夫などがある。
しかし、その一族の中で、突然「レスラー」という職業が生まれた。
今から20年前の話。
まだ年端もいかない狩人の少女の職業が、唐突に書き換わってしまったのだ。
何のことか誰も分からず、フェアリー族の少女はうろたえるばかり。
だた一つ言えるのは、それまで使えていた魔法が、何も使えなくなってしまったということだ。
ステータスプレートには何故か「ストレッチプラム」とだけ表記されていた。
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「寅さん、ストレッチプラムって魔法?」
「ここでぶっ込んでくるな。締め技だ」
二人の会話にザロクが驚いたように顔を上げる。
「ちょっと待ってくれ。二人とも、この魔法を知っているのか!?」
「だから言っただろう。この子たちもレスラーだ」
「なら、娘を救ってくれ!!」
「娘……って、どういうことだ?」
「レスラーという職になってしまったのは、俺の娘だ。名をリムラという」
「……」
運命のいたずらに、三人は言葉を失った。
ちなみにこの世界の設定では、フェアリー族の寿命換算はエルフよりちょっと人間よりくらい。
50歳くらいでやっと思春期。
コマケェコタァイインダヨォ!




