4-4 珍しい光景
オークと何かが闘っている最中のようですよ。
翌朝、予想通り宿場で馬車は立ち往生。
いったんロアへ引き返す者もいる中、ノア、ナーミ、寅の三人はオークの集落へと赴いた。
と、いきなり、戦闘をしている音が響いてきた。
「なんだ?」
一行は木陰に移動し、オークの集落の様子を見る。
すると、フェアリー族とオークが戦争をしているではないか。
「寅さん、どういうこと?」
「わからん」
「つーか、フェアリーがわざわざオークの集落に喧嘩を売るか?」
「だから分からんと言っている」
二人に頼られても、寅にはそれしか言えなかった。
妖精族は普段から森の中に隠れ、あるいはある種の亜空間である精霊界に身を起き、その姿を隠している。
自ら進んで争いを起こすような種族ではない。
むしろオークの方が好戦的であり、妖精の集落があれば欲望に任せて襲いかかることもあるだろう。
ところが、そんな常識とは真逆の光景が目の前に広がっている。
フェアリーたちは様々な魔法を放ち、オークたちは弓で応戦。
時折、オークの前衛たちが槍や斧を持って突撃しているが、すべて魔法で倒されている。
「……本当に、どうなってんだろうな?」
ナーミは途方に暮れてしまう。
「寅さん、どっちに味方する?」
「ふむ……ちょっと待て」
と、寅は腹の中にある大量の魔石の一つを口の中から取り出すと、そのままガリッとかみ砕く。
「探知魔法、ソナー展開」
周囲の魔物の情報を探る魔法だ。
半径100メートル前後なら、地上から地下まで全部の情報を得ることが出来る。
「……なるほどな……」
「なにが、なるほど?」
「フェアリーたちの真意はまだ分からんが、オークたちの拠点に瘴気のたまり場がある」
「ってことは、もしかして、あのオークの集落はガンガンオークが生まれてくるってことか?」
「マジで?」
「ナーミの考えで正解だ。しかもご丁寧にオークは鉱石を採掘している。放置したら山一つ無くなる代わりに、オーク大帝国の誕生だ」
「それは、笑えない」
ノアは立ち上がると、オークたちに狙いを定める。
「だな。理性的に戦っているフェアリー族ならまだ話が通じるはずだ。行くぜ、ノア!!」
「んっ!!」
二人は森から飛び出すと同時に力ある言葉を唱える。
「「ラリアットォォッ!!」」
なにが起こったのかは、言わずもがな。
フェアリー族:妖精族の亜人。背中に蝶の羽を持つ種族限定。体格は妖精よりもエルフに近い。
見た目で誰も味方がいないオークさんについて。
といっても、オークは魔物側なので会話成立しません。
コマケェコタァイインダヨォ!




