3-15 ドラゴンニュートだからこそ
別にドラマティックにはなりませんが…
ササトは大きく息を吐くと、
「まさか、こんな、手が……」
「へへへ、技を解かせればいいんだろ? だったら、これしか無ぇって思ってさ」
「だが、もう、立てない」
「ああ、そうだな」
監獄固めのダメージは否定できず、もうナーミに足の感覚は無かった。
「けどな……あたしにはまだ、奥の手があるんだぜ」
「な、に?」
「デスロール!!」
ナーミは唱えた瞬間、尻尾を強く打ち付ける。
瞬間、ナーミの身体が浮き上がり、そのまま遠心力を得た尻尾がササトの肋骨付近に打ち込まれる。
「っ!? ぐは……」
この動きは予想していなかったのか、ササトが仰向けに倒れる。
「勝負ありだぜ! 監獄固め!!」
「なに!?」
そのまま尻尾で移動すると、素早くササトの足を4に重ね、尻尾で絡みとった。
「ぐあっ……」
「どうだ!? あたいオリジナルの尻尾の監獄固めだぜ!!」
「ぐっ……」
「さらに、三角締め!!」
「ぬっ!?」
尻尾で足を拘束すれば、身体は自由に使える。
ナーミは自分の特長である尻尾をプロレスに使うことをずっと考え、そして即興で応用してみせたのだ。
「どうだ!? いくら筋肉で覆われていても、首を絞められたら同じだろ!?」
「ぬぅ……」
そして、ナーミはこの数時間に及ぶ攻防の中で、筋肉で覆われたササトへの攻略方法もずっと考え続けていた。
その結論が、この監獄固めと三角締めの合わせ技。
「ぬ、ぬぅ……」
ササトはどうにか逃げる方法を探る。
両足……動かない。
極められた腕……抜けない。
極められていない腕で、殴ればあるいは……。
ふと、ナーミと目が合う。
勝利を確信した瞳。
たとえこの技を返されたとしても、まだまだ闘志を失わない。
そんな光に溢れていた。
「ギブアップか!?」
「ぐぬ……ぬ……」
粘り続けたササトだが、やがて諦めたようにリングを三度叩いた。
足が動かなければ尻尾があるじゃない。
いままでなんで使わなかったんだとか、
コマケェコタァイインダヨォ!
(尚、ナーミの頭の中が残念だからとかではありません。けっして。たぶん。おそらく)




