3-14 ナーミの奥の手
ナーミは未だに逃げられないようですよ
「ギブアップ!?」
「ノ~……ひぃ、ひぃ……いってぇ~……」
どれくらい経っただろうか。
ナーミはとうとう仰向けに倒れたまま苦悶するだけになってしまっていた。
仕掛けたササトは座っているだけなので、体力は回復している。
完全に勝負の大勢は決まってしまった。
「寅さん、ノア……悪ぃ……あたい、もうダメかも……」
「ほう、とうとう諦めましたか。すばらしい粘りでしたが、監獄でこの技が極まっては仕方のないことです」
「ちくしょう……やっぱ、特別な効果があったんだな……」
「その通り。監獄固め。その名の通り、仕掛けた場所に監獄を作る効果があります。決してロープに逃げられず、また地力で脱出することも不可能。技が解かれるまで地獄の苦しみを味わうのです」
「ぜぇ、ぜぇ……道理で、逃げられねぇわけだ……」
「では、ギブアップなさいますね?」
「……しねーよ、バーカ」
「なっ!?」
「寅! ノア! 耳、塞げ!!」
ナーミの声に、ノアは耳を塞ぎ、寅は耳に手が届かない。
「あ……」
寅が何かを言う前に、もうナーミは上半身を跳ね起こしている。
「アアアアァァァァッッ!!!!」
「………っっ!?!?」
「ギッ!?」
ドラゴンハウリングを使った。
そもそも、遙か遠方のドラゴン同士が連絡を取り合うための鳴き声を、地下の密室状態で使えばどうなるか?
「……っ」
効果は抜群で、ササトはナーミの足の上から崩れ落ちた。
「へへっ、ざまーみやがれ」
「……っ」
「ああ? 何言ってんのかわかんねーぞ」
「……?」
見れば、オリョウと寅が目を回していた。
展開されていたリングの結界も消えている。
「……あたいは謝んねーぞ」
現実逃避だった。
大迷惑の奥の手。
ドラゴンハウリング:ただの鳴き声。密室でやると超音波攻撃になる。
ウォールオブナーミ:別名コの字固め。逆エビ固めに同型ながらら、さらに腰に負荷を掛けている。ウォールオブジェリコと同型。甲殻類系の魔物に特攻効果。
コマケェコタァイインダヨォ!




