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ラリアットって魔法ですか?  作者: 道中木方
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3-12 やられたら、やり返す

ナーミは真っ向勝負をするようですよ


「……ヘッドロック」


「っ!?」



 腕を背後から取られていたナーミが鋭く回転する。次の瞬間、ナーミはササトにヘッドロックを仕掛けていた。



「へっへっへ……どうよ? さっきのお返しだ」


「……っ」



 ササトが呻く。


 どうやらかなり効いているらしい。



「そ、そんな、バカな! 闘いながら覚えたというのですか!?」


「覚えるもなにも、寅さんから動きは教わっていたからな」


「し、しかし、それは動きだけだったはず……魔法として覚えたのは……」


「この前、ノアも闘いながらコンビネーション覚えていたからな。あたいも出来ると思っていたぜ」


「な、なんという成長速度……」


「おい、レフェリー、チェックはどうしたんだよ?」


「くっ……ギブアップ?」


「……っ……」



 ササトは指を振って合図する。



「悪ぃけど、早々には外してやらないぜ」


「……っ」



 ササトはエルボーをナーミの背中に打ち込む。



「だりゃあああっ!!」


「っ!! ぅ!!」



 ナーミは力任せに締め上げて抵抗を力任せに封じ込んだ。



「さあ、どうする? ギブするか?」


「っ……っ……」



 ササトが指を振る。まだまだ余裕のようだ。


 その後も、ササトはナーミがやっていた返し方を全て実践するが、全てナーミに潰された。


 バックドロップで切り返しを試みると、



「ノアのジャーマンはもっと痛ぇっ!!」



 と、恨み言付きでさらに締め上げた。



「驚きましたね……まさか、ここまで地力があるとは」


「ドラゴンニュート、舐めんじゃねーよ。つーか、オッサンが強ぇからだけどな」


「……どういうことです?」


「オッサン、マジですげぇもん。あたい、勉強って言葉嫌いだけどさ、オッサンのテクニック、マジで勉強になる。だから、ぜーんぶ勉強させてもらうぜ」



 ほんのわずかに。


 深い髭の中に隠された男の口元が、微かに笑みを浮かべた。



 ササトがナーミの手首を掴む。



「ん? なんのつもりか知らねぇけど、逃がすつも……」


「っ!!」


「りわぁぁぁぁっ!?!?」



 ササトはナーミの締める力に合わせて身体を横回転させる。しかも、



「ぁぁぁあああぁぁぁぁあああぁぁぁ!?!?」



 部屋の中を高速回転でゴロゴロゴロゴロゴロ。


 あまりの速度で、ナーミの悲鳴がドップラー効果を発生している。


 何十回転もした後、ようやく止まると、



「ぅぎゅぅ~……」



 ナーミは完全に目を回していた。


 しかもフォールの体勢になっている。



「フォール! ワンッ! ツーッ!」


「ナーミ!!」


「んぐあっ!!」



 どうにか肩を上げたナーミだが、立ち上がることが出来ない。



「や、やべぇ……め、目が回って……おぇ……」



 視点が定まらず、動くのもままならない。


 ここで追撃をされては一気に決着をつけられてしまう。



「ササト様! 何をなされているのです!! 今がチャンスなのですぞ!?」


「……」



 どうやらササトも目を回していたようだった。



「ナーミ!! 早く立ち上がって!」


「で、できたら、してるって、の」


「逆に回れ! 気休めでも回復が速まる!」


「あ、あたい、どっちに転がってた!?」


「ササト様! 早く立ち上がってくださいませ!」


「……」



 図らずも、二人がまともに立てるようになるまで、見事な応援合戦になってしまった。




どうやら戦闘中に魔法として覚えたようですよ。

というより、ササトに絞り上げられ続けた影響で魔法として認識したようです。


ヘッドロック:外さない限り相手の体力を奪い続ける。解いた後に強制的に平衡感覚を失わせる。


ちなみにササトは相変わらず言葉にしていないので、魔法は未使用です。

そして、ほんの僅かに感情が動いているようです。

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