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ラリアットって魔法ですか?  作者: 道中木方
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3-10 シンプルイズ…

出だしは、まぁ、お約束ですな


 独房の中にリングの結界が展開される。


 今回は寅が結界を展開し、オリョウがレフェリーを務めるようだ。



「よっしゃあ、ドラゴンリングイン!」



 とナーミがリングに飛び込む。


 リングの真ん中までくると、



「いでででで!」



 いきなりササトのヘッドロックに捕まった。



「ギブアップ?」


「ノーッ! こ、こんにゃろ!」



 ナーミはササトの背中にエルボーを打ち込んで脱出を試みる。



「いででででっ!!」



 ゆるむどころか締め付けが強くなってしまった。



「ギブアップ?」


「ノーだって言ってんだろ! だったら、こうだ!!」



 と、ナーミはロープの反動を使って脱出しようとする。



「あだだだだっ!!」



 またしても締め付けが強くなり、脱出失敗。



「こ、こんにゃろ……だったら、バックドロップ!!」



 ヘッドロックをかけられたまま、ナーミがバックドロップを仕掛ける。


 リングに頭から叩きつけられたササトだが、叩きつけられてもなお、ヘッドロックを外さない。それどころか、体勢を反転してさらに締め上げてくる。



「いででででででっ!」


「ギブアップなさいますか?」


「ノーっ! こんなんで……」


「……」


「いでででっ!! な、なんなんだよ、も~!!」



 これほどシンプルな締め技から逃げることが出来ず、ナーミが泣き言をもらし始めた。


 寅の指導の元、ヘッドロックは基本的な動きとして教えてもらっている。


 魔法として覚えていないが、仕掛け方も外し方も分かっている。


 その全部を試したとしても、ササトは外す気は全くないのだろう。



「……いいぜ、だったら、とことん我慢比べ、してやろうじゃねぇか」


「……ぅ?」


「さあ、行くぜ! バックドロップ!!」


「っ!!」


「いでででっ!! なんの、バックドロップ!!」


「っ!?」


「んぐぐっ……バックドロップ!!」


「っ!!」



 ヘッドロックを仕掛けられたまま何度もバックドロップを繰り返すナーミ。


 十回、二十回と繰り返しても放す気配の無かったササトだが、三十回目を繰り返してついにヘッドロックを解いた。



「おっしゃあ! ……っと……」



 延々と頭蓋骨を締め上げられたダメージはかなりのものらしく、ナーミは立ち上がろうとして、すぐに膝をついてしまった。



「……」



 対して、ササトはすぐに立ち上がった。


 バックドロップを何十発も受けたダメージがほとんど見受けられない。



「……冗談だろ……」



 スキルで受け身を持っていたとしても、三十発もバックドロップで投げ飛ばされて平然と起きあがってくるとは、どういう理屈なのか。



「簡単な話でございます。ササト様は50年間、筋トレと受け身だけを延々とこの部屋で繰り返してきたのです」


「ってことは、どんなに投げ飛ばしても意味がねぇってことか……」


「貴方の使える魔法の中に、彼にダメージを与えるものがあることを祈るばかりでございますね」



 オリョウの口調は、どこまでも余裕だった。



ドラゴンリングイン:リングに飛び込んだ後、相手に先制攻撃をされる受け身の魔法。悲しくなるので寅が未解説。


バックドロップ:相手に一時的な脳しんとうを引き起こす


ヘッドロック:唱えていないのでガチで締め上げているだけ


受け身のスキルが異常に伸びているので、ササトのタフネスは異常。


コマケェコタァイインダヨォ!

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