3-8 独房にいるということ
えん罪で50年、60年、死ねずに閉じ込められ続けるのはただの地獄です
ササトの独房は、大監獄の最下層の一番奥の地下であった。
日の光すらなく、壊れかけた魔石灯のかすかな光が、むき出しの岩肌をさらしている。
「寂しいところ、だね」
「そりゃあ、独房だからな」
ノアとナーミが他の独房を覗いてみるが誰もいない。
昼も夜も、一日が終わったのかどうかすら分からないこんな場所で、50年間も一人でいたというのか。
「よく気が触れなかったな」
「ええ、僭越ながら、私が共にいましたので」
「それは確かに、心休まるな」
気休めではなく、実際に会話をする相手がいれば、どうにかなるかもしれない。
「ですが、私とお話ししていましたら、みなさん何故が気が触れているとおっしゃいまして」
「そりゃそうだわな」
「誤解を解こうと、奔走しているうちに、何故かみなさん、この地下独房のエリアに入らなくなってしまいました」
「「「それだ」」」
幽霊の、正体みたり、木偶人形。
***********
「さ、こちらでございます」
と、オリョウは事もなさげに扉を開けて中へと入っていく。
施錠はされていなかったのだ。
「なるほど……呪い、か」
「寅さん、どういうこと?」
「アンダカが言っていただろう。ヒールはその場から動けなくなると。この男の場合、この独房から動けなくなっていたんだ」
「じゃあ、入れなくなったっていうのは?」
「おそらく、オリョウの空間魔法だ。レスラー以外、中に入れなくしてしまっていたんじゃないか?」
「仰る通りです。ほんの30年ほど前から、食事以外は入れないようにと、ササト様から頼まれたのです」
「それじゃあ、ササトって奴が孤独だったのは、半分以上お前ぇのせいじゃねぇか」
「いや、それだけじゃないだろう」
「なんで?」
「えん罪で独房に閉じ込められて、さらに役立たずの烙印を押されて、ずっとここに軟禁されているんだ。人を、信じられると思うか?」
「ん……思えない」
「むしろ、自分から拒否するな」
「そういうことだ……」
同情するしかない。
けれど、それでも自分たちに出来ることは、プロレスしかない。
オリョウの言葉を信じて、孤独とともにあった男と闘うしかないのだ。
魔石灯=魔石を使った灯り。裸電球みたいなもの。
なろう小説に慣れている人は解説とか要らないですね。
読んで字のまんまなので
コマケェコタァイインダヨォ!




