3-2 ナーミの秘めた決意
ナーミは自分なりに色々考えていたようですよ
「寝付き、良過ぎじゃね?」
ノアの寝顔を見ながら、ナーミが呆れたように息を吐く。
「それだけ疲れていたってことだろう」
「だな。あんだけ殴って蹴られてりゃ、普通は心が折れるもんだが」
「それは、ノアの闘魂ってスキルが関わっているだろうな」
「闘魂? ああ、そういや受け身の他にあったっけか。でも、あたいも聞いたことが無ぇんだよな。どういう効果なんだろうな?」
「さてな。おそらくレスラーにだけ与えられるスキルなんだろうが……読んで字のごとく、だろうな」
「字のごとく……闘う、魂、か?」
「簡単に言えばそういうことだ。闘志とか闘争本能とか、そういったものが強化される、と考えていいだろう」
「だったら、ゾンビの時にも発揮してほしかったな」
「生理的な話とは別なんだろうな」
「リッチだって、同じじゃねぇか」
「いや、おそらく、リッチが強いと分かっていたから大丈夫だったんだろう」
「なるほど、闘志と闘争本能が刺激された、か」
「そういうことだ」
「く~、く~……うぅ、ゾンビ、やだ……」
泥のように眠っているノアがうなされ始めた。
リッチのとの闘いより、色とりどりのゾンビの方が頭に焼き付いてしまっているらしい。
「……なぁ、寅さん」
「なんだ?」
「あたい、ドラゴンニュートはさ、それなりに強いと思ってたんだよ」
「そうだと思うぞ」
「ところがさ、ノアとは良い勝負どころか、負け越しているわけじゃんか」
「ノアが規格外ってところもあるがな。それは、お前さんも同じことだが」
「……ホントはさ、あたいがリッチとやりたかったんだよ。ノアだって人間だ。身体の頑丈さで言えば、あたいの方が上だから、ノアに危ない目にあってほしくなかった」
「……ああ」
「寅さんがノアを指名した時、正直、マジかって思った」
「そうか」
「なんで、あたいにやれって言わなかった? 負けたとしても命を取られるようなことはなかったはずだぜ?」
ナーミはいつになく真剣な目をしている。
「俺の個人的な考え方、だぞ」
「うん」
「お前たちのどちらかを犠牲にして、どちらかを勝たせる気はない」
「……なんでだ? あたいがボコボコにされてたとしても、リッチの手の内はいろいろ見れただろ?」
「それは、お前も同じことだ」
「う……そりゃ、まぁ、そうだけど……」
「これから先も、手の内が分からない相手をしなけりゃいけない。だから、発想力と応用力の良いノアを指名した」
「うん……」
「たとえノアが負けたとしても、手の内が判明すれば、ナーミで力押し出来ると考えたのも事実だ。だが、あくまでも一戦必勝だ」
「あの一瞬でそこまで考えていたのか?」
「いや、リッチがコンビネーションを使うと聞いたときからだ」
「そっか……」
ナーミは寅に従属している立場になる。
しかし、ナーミ自身はそんな立場はどうでも良いと考えている。
ステータスを見ても明らかだが、ナーミの方が防御が強い。
殴られる役なら、ナーミの方が適任のはうだった。
自分が殴られてノアが痛い思いをしなくて済むなら、それで良いと考えていたのだ。
それほど、ナーミは、ノアのことを気に入っているのだ。
「だが、次はお前さんに頼らせてもらうぞ」
寅の言葉に、ナーミは思わず苦笑いしてしまう。
「……おいおい、どんな相手か分かんねぇのに、もう決めてんのか?」
「次の場所……それと、お前さんの魔法の一覧にあった技を考えると、おそらく適材適所になるだろうからな」
「監獄、か……」
監獄で何があるかはお楽しみですよ。
コマケェコタァイインダヨォ!




