↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラリアットって魔法ですか?  作者: 道中木方
PR
47/178

2-23 闘いを終えて……

アンダカは死んでいなかったようです。


「いやー、お嬢ちゃん、ないわー。俺だったら、アンダカさんのセリフを待ってもう一波乱とかやるのがレスラーだと思うんだけど、喋っている最中にラリアットとかないわー」



 決着のスリーカウントを叩いたクタローは、思いっきり引いた様子でノアを非難している。



「だ、だって、勝負だし! 隙だらけだったし! 油断する方が悪いんだし!」


「ちょっと、聞きました、奥様? 相手の見せ場を潰しておいて、相手が悪いですって」


「聞いた聞いた、やっぱり胸の無い奴は性格が悪いんだよなぁ」


「胸はこれからおっきくなるんだもん! っていうか、なんでナーミがそっちにいるの!?」


「え、おもしろそうだから?」


「やー、話の分かる嬢ちゃんがいると楽しいわ~、60年間のゾンビとゴーストしかいない生活が埋められていくわ~」



 クタローとナーミは肩まで組んで、すっかり意気投合している。



「なんだか、勝ったのに負けた気がする……」



 改心の逆転勝利を分かち合うはずだったのに、とノアは口をとがらせる。


 喜んでくれると思っていた寅は、なにやら倒れているアンダカと難しい話をしていた。


*************


「つまり、レスラーというのは希少な職業ではあるが、必ず存在しているんだな?」


「然り。我はヒール側である。ベビーフェイスは人間や亜人が多いな」


「ヒールとベビーの違いは?」


「ヒール側は瘴気に当てられてレスラーになるもの、つまり魔物からレスラーになった者、ヘビーは瘴気に当てられず、両親の愛情の元で育てられたものであるな」


「オーナーとは何だ?」


「レスラーをサポートする存在である。クタローがリングを空間魔法で形成していたのが代表的であるが、ほかにも生活魔法などでサポートをする立場である」


「オーナーというより、ヘルパーだな」


「しかしながら、オーナーなしではレスラーは戦術の大半を失う。オーナーの知識がその理由である」


「そうか……立場としては、俺が主導権を持っているということか」


「然り。我とて、クタローがいなければ、コンビネーションすら使いこなせなかったであろう」


「ふむ……そもそもの話だが、レスラーとオーナーは、何故存在する?」


「神のみぞ知る、であろうな」


「ほう?」


「クタローも、魔法の知識、この世界の知識は持っていたが、それだけであった。故に、存在の理由を知り得るのは、神だけであろう」


「世界の全てを知るのではなかったのか?」


「残念ながら、深淵の理解には及んではおらぬよ。そもそも我がレスラーになどなっていること自体があり得ぬことなのだから」


「確かにな」



 レスラーというのは相手の技を受けるのが基本。


 不死王とは言っても身体そのものはゾンビと大差ないリッチがレスラーなど、笑い話にしかならない。


 現に、ノアの関節破壊のドラゴンスクリューとマッケンローで足が無くなってしまったのだから。


 ちなみに両足はリングの空間魔法解除後、ノアが持ってきたら勝手にくっついた。



「それで、身体は大丈夫なのか? ノアのラリアットは相手の魔力を強制的にゼロにする効果があるんだが」


「道理で身体が動かぬ訳だ。案ずるな、リングの空間魔法はどんなに致命的な魔法を受けても、紙一重で命をつないでくれるのだ」


「なるほど。道理でノアがツームストンで生き延びたわけだ」


「だとしても、我のツームストンは最強の一撃だ。足が一本無く不安定だからこそ、強烈になっていたはずだが」


「うちの二人にはスキルで受け身が入っている。それで紙一重で耐えられたのだろう」


「成る程な……受け身が出来ない我には、60年の間でも会得できなかったスキルだ」


「まぁ、相手がいないんじゃな……」



 プロレスは一人では出来ない。


 技は覚えられても、実際に相手の技を受けなければ、受け身は覚えられない。


 一人では、何も出来ないのだ。


***************


 ふと気づけば、東の空が次第に白んできている。


 そろそろ、アンデッドの時間は終わり。


 ノア達一行も、廃教会からお暇という段になった。


 アンダカとクタロー、おまけに時間で復活したゾンビ、ゴーストにお見送りされるという、アットホームなはずなのに、見送られる側が青ざめるという不思議な状況だが。



「ところで、これからお前さんはどうなる?」


「我は敗れた。とは言え、これで死ぬ訳ではない。また別の場所で、またお主等を待つことになるであろう」


「俺たちを待つというのか?」



 アンダカはニヤリと笑みを浮かべる。



「ヒールというのは、それだけ特殊な存在であるのだ。レスラーが希有であるのと同様にな。クタロー」


「あいよ!」



 アンダカに呼ばれたクタローが口の中からチャンピオンベルトを取り出す。



「我を倒した証だ。ノアよ、持って行くが良い」


「ん、ありがと」


「それで、次のヒールがどこにいるか、お前さん達は知っているのか?」


「さてな。少なくとも、不死王は我のみだ。だが、種族の王を追いかければ、行き着くであろう」


「成る程な。それで、最強の資格を得るか」


「では、もう行くが良い。まだまだ、お主等が倒す相手は数多存在する」


「じゃあ、アンダカ、またね」


「次は負けぬ。腕を磨いておけ」


「うん、がんばる」


「クタロー、また遊ぼうな~!」


「なるべく早く見つけてくれよ~! もう60年待たせるんじゃねーぞー!」



 こうして、突発的に依頼されたリッチ討伐は、いろいろと実りのある対戦となった。




設定部分をアンダカさんが教えて下さいました。


一応オーナーの役割ですね。

更に詳細は追々。


でも、コマケェコタァイインダヨォ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。