2-17 オーナーの役割
ただわめくだけの存在では無かったようですよ?
「おいコラ、てめぇら、何談笑してんだ、タココラ」
と、いつの間にかあちらの漫才も終了していたらしい。
何故かクタローの口調が変わっている。
ようやく煽りの方向を思い出したらしい。
「てめぇコラ、こっちがちょっと揉めたくらいでシカトしてんじゃねぇぞ、タココラ」
「……寅さん、あれ何語?」
「……コラコラ問答って言ってな、たぶんあのヌイグルミのレパートリーの一つだ」
「レパートリー?」
「コラタコ、人の話を聞けって言ってんだろ、タココラ」
「……これ、あたいらも付き合わなきゃいけないのか?」
「付き合うと喜んで本題に入らないからやめておけ」
「てめぇ、タココラ、マイクパフォーマンスはプロレスの醍醐味だろうが、コラタコ」
「で、そろそろ確認したいんだが、そこのリッチはプロレスの勝負なら受け付けるのか?」
「てめぇコラ、俺をシカトすんじゃねぇぞ、タココラ」
「しかり。我はリッチではあるが、職はレスラーである」
「それで、プロレスでしか勝負を受け付けないって聞いたが?」
「然り。故に、そなた達を待っていたのだ。60年もの長き時を過ごしてきたのだ」
「しかし、そっちのコラコラ問答に付き合っていると本当に夜が明けると思うが、一度出直した方がいいか?」
「いいや、その必要はない。なぜなら、我の強さは、そこの娘達よりも遙かに凌ぐ。夜明けまで時間を費やすことはない」
「大した自信だな」
「クタロー、リングを作動させろ」
「オーナーに命令済んじゃねぇぞ、タココラ!」
クタローが両手を広げると、中央のプロレスリングが現れた。
「空間魔法だと?」
「当たり前だろ、タココラ。六十年間これしかやることが無かったんだぞ、コラタコ」
「オーナーの役目とは、レスラーに闘う場を提供することにある。空間魔法を持つのはそのためだ」
「なるほどな……」
「生まれて日の浅いオーナーであれば仕方の無いことよ。さあ、娘ども、リングに上がれ。なんなら、二人同時でも構わんぞ」
「ノア、いけるか?」
「うん」
寅に言われて、ノアはトップロープを飛び越えてリングに上がった。
向き合ってみれば、ノアよりもリッチの方が40センチは上背がある。
体格の差は明らかだ。
「ルールは承知しておるな?」
「もちろん」
「名を聞こう」
「ノア」
「良い名だ。我が名は不死王リッチが一人、アンダカである」
「覚えた」
「よかろう、ならば、心行くまで闘いを楽しむとしよう」
恍惚と笑うアンダカの瞳が怪しく光った。
主従契約とか教えるという立場では無く
「闘う場を提供する存在」の為、オーナーとなっていました。
マネージャーとかプロデューサーさんとかだと違う気がしたので。
まぁ、コマケェコタァイインダヨォ!




