2-8 肉体言語の魔法の行き先
今回も無双で終わったようですよ?
「無双すぎるな……」
魔石を口の中に放り込みながら寅がポツリと呟く。
「なにが?」
「お前たちのタッグがだ」
「タッグってなに?」
「二人組で戦うってことだ」
「強ぇんなら別にいいんじゃねーの?」
「バカ言うな。攻撃一辺倒の無双があってたまるか」
寅が難しい顔をしている理由。
魔物相手では、二人の”防御力”がはかれないということだ。
魔法ではなくスキルに入った”受け身”という文字。
プロレスを知っている者は誰でも知っている言葉。
相手の技を敢えて受けることが、プロレスの醍醐味。
だが、果たしてこの世界でも同じことが言えるのか?
この魔物が蠢き、剣と魔法で戦い抜くこの世界で、わざわざ相手の攻撃を受けるスキルが必要あるのか?
剣で斬られ、槍で突かれ、弓矢で射られ、魔法を撃たれれば、死に直結する。
この世界は、ゲームとは違うのだから。
このままでは、二人とも命を落とすリスクが大きすぎる。
「なぁなぁ、今度はさ、ノアのパワーボムにあたいのラリアット合わせてみよーぜ!」
「ん。ナーミにしては、良いアイデア」
「考えてみると、あたいって突撃系と絞め技多いよなぁ」
「困ったときにはラリアット」
「だよなぁ」
二人で戦術を検討するのは良い傾向だ。
しかし、考え方が脳筋過ぎる為、結論としてラリアットがあれば良いという結論に達している。
「どうにかしないとな……」
二人のオーナーとして……むしろ保護者として、何が出来るのか。
寅は自分の柔らかい手を煩わしく思いながら、魔石をかじった。
○○は移ると言いますが、次第にノアの行き先も心配になってまいりました。
寅さんの気苦労は絶えません。
コマケェコタァイインダヨォ!




