2-2 寅の穴、開催宣言
寅さんには何か考えがあるようです
翌朝。
宿の朝食を食べ終わった後のこと。
「さて、今後の予定についてだが……」
「帰るんじゃないの?」
「行き先はビーダブだ。だが、俺の予想が正しければ、たぶんまともに帰れん」
「なんで?」
ノアが不思議そうに首を傾げる。
「おそらくだがな、レスラーというクラスに問題があると思われる」
「レスラーが?」
「なんでだ?」
ノアとナーミが揃って首を傾げる。
「これは俺の仮説だが……ノアの覚えるプロレス技は、必ずと言っていいほど敵を呼び寄せる」
「どういうこと?」
「DDTの時はホーンフィッシュ、ドラゴンスリーパーの時はナーミ、ドラゴンスープレックスのときはタジラと来た。つまり、次に来るのは、ノアかナーミの魔法の実地訓練の相手になり得る魔物が現れる可能性が高い」
「うーん……」
寅の推論に唸るのはナーミ。
「確かにそれだけ重なっていれば偶然じゃねーとは思うけどさ……」
「寅さんは、次、なにが来ると思うの?」
ノアはもう少し話を聞くことにしたらしい。
「まず、ナーミだ。ベアハッグを放置しちまっているだろ?」
「ああ。だって使い方が誰もわかんねーんだもん」
「それについては問題ない。俺が分かる」
「へ?」
「寅さんは私の師匠。ラリアットとか全部寅さんが教えてくれた」
「そうなのか!?」
「俺はやり方を教えただけだ。使いこなしているのは、ノア自身だ」
「だったら、あたいにも教えてくれよ! 使い方が分かればあたいだって……」
「それは考えが甘い。使いこなしているのは、ノア自身だと言っただろ」
「あたいだってラリアットはバッチリだろ!?」
「ノアに全部封じられたのを忘れたのか?」
「うぐ……あ、あれは、相性が悪かったからで……」
「それじゃあ、相性が良い相手以外には全部負けるってことだよ?」
「うぐっ……うるせぇ、キックさえどうにか出来れば、お前にだって、負けたりしなかったんだ!」
「どうにか出来なかったから寅さんに従属した訳で」
「ぐぬぬっ……」
冷静に言い返すノアに反論が出来なくなり、ナーミは悔しそうに唸る。
クールなノアに対し、すぐにヒートアップするナーミ。
コンビとしては前途多難になりそうだ。
「話を戻すぞ。プロレス技を覚えるには実践するしかない。せっかく体格の近い二人が揃ったんだ。練習相手にも事欠かなくない」
寅はポスンと膝を叩く。
「ってことで、二人には、戦ってもらうことにした」
「「へっ!?」」
寅の言葉に、二人の少女は揃って目を丸くした。
寅さんはレベリングと言うより、魔法の種類を増やすつもりのようです。
つまり、寅の穴ですね。
別にノアもナーミもマスクしませんよ?
コマケェコタァイインダヨォ!




