5-23 ライミの切り札
ライミは正々堂々と闘おうと考えているようですよ
「話は付いたみたいだね」
「うん」
リングの中央まで歩み寄ると、お互い真っ向からにらみ合う。
「よし、それじゃあ、ネタばらしをしておこうか」
「ネタばらし?」
「さっきも言ったろ? あたしはアンダカのボコったからあんたのことを知っている。切り札のこともね」
「……ラリアット、のこと?」
「そうだね……あたしの切り札は、裏拳だ。こいつも意識を飛ばす効果がある。あんたのラリアットと同じように、一発逆転も可能だ」
「裏、拳……」
「ああ、まだ知らねーのか。こんな魔法だ。裏拳」
「げふぅ!?」
と、近くにいたディノを生け贄に見本を見せる。
ディノは野球でホームランされたボールよろしく、見事に吹き飛んでいった。
「……凄い威力……」
「だろ? 自慢の一撃だぜ?」
「っていうか、何でアタシに披露してるのよ! そっちの子にやりなさいよ! レフェリーなんだと思ってるのよ!? つーか、アタシ、アンタのオーナーよ!?」
「あー、悪かった悪かった。謝るから許せ」
「仲、良いね」
「この状況見て、言っているんだったら、アンタの目は相当な節穴ね!」
「もちろん、それ以外にもあんたを締め上げるネタも、3カウントとれるネタもあるが、サービスはここまでだ」
「ん……随分とサービスがいいね?」
「当然だろ、あたしは清く正しいヒール裏拳」
瞬間、ライミの身体が鋭く回転した。
反射的にノアは身体を屈める。間一髪のタイミングで、ライミの拳がノアの顔面があった場所を通過した。
「よく避けたな!」
「正々堂々なんて顔してない!」
「はっ、言ってくれるね!」
三度、激突が始まった。
台詞の中に魔法を混ぜ込む外道ぶり。
コマケェコタァイインダヨォ!




