5-21 ライミの本気
ノアが冷静になったと思ったらライミも冷静になったようですよ。
「いやー、反省した、マジで。まさか、お前がこんだけ出来るとは思わなかったよ」
ライミは一転して穏やかな表情を見せている。
先ほどまでやすい挑発で沸点に達していた相手とは思えない。
「アンダカに勝ったってのも納得だ。まさか一発で意識をとばされるとは思わなかった」
「パズソーキックは意識を刈り取る魔法だから」
「成る程……お前、強ぇな」
ライミの身体がゆらりと揺れた。
「悪かった。お前を見くびっていたあたしの落ち度だ。神への挑戦を争う、一人の強敵として認める」
「神への、挑戦?」
「だから、こっからは、シュートで行く」
ノアの肌に電流が走る。
魔法で雷系のものを使われたわけではない。
人間の脳は電気信号によって身体を動かしている。
つまりノアの本能が、目の前の相手が危険であると警告しているのだ。
「まずは仕切り直しだ……」
ライミが一歩踏み出す。
上背なら頭一つ程度しか変わらないはずなのに、まるで巨大な魔神でも見ているかのような圧迫感だった。
「逆水平チョップ」
静かにライミがつぶやく。
「っ!?」
次の瞬間、ノアの胸に、爆発したかのような衝撃が走った。
乾いた音が森の中に響き、木々に隠れていた鳥が逃げ出すほどの威力。
「ぐっ、はっ……」
ノアは何とか倒れずにいた。
しかし、息が出来ない。
リムラと打ち合っていた逆水平とは比較にならないほどの一撃だった。
すると、ノアの顎を、ライミの右腕が掴み、強引に起きあがらせる。
「逆水平チョップ」
「ぎゃうっ!!」
二発目。
あまりの痛みに、打ち返すことすら忘れてしまう。
「逆水平チョップ」
「んぎゃああああっ!!」
三発目には、ノアはたまらず仰向けにダウンして転げ回る。リムラの時は何百発と打ち合ったが、今回はたった三発で胸元は赤く腫れ上がり、流血が始まっている。
「ハーフボストンクラブ」
「んぐああああっ!!」
今度は関節技。
ノアが一方的に押され始めている。
ステータスプレートは出ておりませんが、
ノアと同じ、攻撃力が高いタイプのようですよ。
コマケェコタァイインダヨォ!




