5-19 シングルマッチ
こちらもこちらで相性があるようですよ
「ふぅ、ふぅ……」
「はぁ、はぁ……」
一方こちらはノアとライミ。
エルボー合戦でも結局お互い一歩も引かず。
一歩でも下がったら負け、という様相になっていた。
「あ、あのね、ライミちゃん、そろそろ普通にプロレスしない?」
「黙ってろ!」
「ああ、もう!」
ディノの進言にいっさい聞く耳を持たない。
「ノア」
「絶対、やめないから!」
こちらも強情の固まり。
「やめろとは言わん。そのかわり、ちゃんと”魔法”を使え」
「……あ……」
言われてみれば、ライミと喧嘩を始めてから、いっさい口にしていなかった。
つまり、本当に殴り合っていただけだったりする。
「……わかった」
ノアの表情に笑みが戻る。
「なにそれ? 子供の余裕のつもり?」
「年増のひがみ?」
「潰す!!」
再びエルボーがノアの横顔に決まる。
大きく身体を反らすも、倒れず態勢を戻す。
「へぇ、よく耐えたね」
「……エルボー」
「なに?」
次の瞬間、パゴッという骨と骨がぶつかる音が響く。
ノアのエルボーがライミの顎を打ち抜いた音だった。
「ぐっ!?」
想定外の衝撃に、ライミの膝が落ちそうになるが、どうにか踏ん張る。
「……へっ、効かねぇな」
「なら、打ってこい」
「やってやるよ!」
と、ライミが再びエルボーを打ち込む。
敢えて顎を打ち抜くことでノアの脳を揺さぶるが、ノアはしっかり受けきり、
「エルボーッ!」
「ぐぁっ!」
再び骨と骨がぶつかり合う音。
ライミは必死に踏ん張り、どうにかダウンを避ける。
「ちっ、さっきまでと威力が段違いじゃねぇか……」
「効かないんじゃなかったの?」
「効いてねぇ!」
「だからアナタ沸点低過ぎなのよ!」
とうとうディノが悲鳴を上げた。
頭に血が昇ると我を忘れる子達。
コマケェコタァイインダヨォ!




