85/97
096⚫️ゴライブ旅行記 その2
ラベリアの地に足を踏み入れると、コロニアと空気の匂いが違った。
風に混じって漂うのは、穀物の香り。懐かしくも、異質な匂いだ。
帝王に仕えていたあの屈辱と恐怖の日々が、脳裏に蘇る。
だが、あの男はコロニアには戻らなかった。
どこへ消えたのか・・・。海の藻屑となったか?
それなら、それこそが奴にふさわしい最期だ。
今やこの地には、王も帝王も存在しない。不思議な感覚だった。
貴族と民が共に行政を担っているという。
税も軽くなったらしい。
ボレリアやラベンダー公国からの支援物資が、それを支えているのだという。
だが、なぜこれほどの物資を、継続的に供給し続けることができるのか?
たとえ農業技術や品種改良が進んでいたとしても、
大陸全土、部族国家にまで物資が行き渡るなど、
我が戦略的知識からすれば、常識では考えられない。
どこかに、人類の常識を超える膨大な量を確保していなければ
成り立たぬはずだ。
謎だ。だが、必ず突き止めてみせる。
この舌と目で、真実を暴いてやろう。
うまい!このオニギリなるもの、すばらしくうまいぞ!
シンプルな穀物粒と塩加減が絶品だ!
しかも、中からオレンジのツブツブ!魚の卵だと?!




