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097⚫️ゴライブ旅行記 その3

ボレリア王国領内だ。かつての、我が支配地を馬車で静かに通過する。

窓越しに見える屋敷・・・ああ、ヴラドルフの館だ。

今は誰が治めているのだろう。

他所者が我が物顔で統治しているのかと思うと、胸がしめつけられる。

館の門の前を通り過ぎる。そこには、我が家紋が刻まれていた。

・・・そうか。ヴラドルフの一族は、まだ健在なのか。


やがて、ラベンダー公国との国境に差しかかる。

大きな隧道をくぐる。中は明るい。

どうやっているのだ?

橋を渡る。谷が深い。これほどの街道整備を行うとは。

道が分かれ、山へ向かう分岐に’プロスペリティ12番’の標識が立っている。


馬車のまま、巨大な隧道に入る。山中のはずなのに、なぜか空が見える。

雲がたなびいている。遠くまで広がる小麦畑が目に入る。

なんという広大さ。これが公国の力の源か?

いや、いくら広大でも、大陸全体を支援するには限界があるはずだ。


馬車を降り、見学案内人の後に続く。壁の中の狭い部屋に通される。

閉じ込められるのか?と一瞬身構えたが、すぐに扉が開く。

何だ?小麦畑はどこへ行った?

目の前に広がるのは、果樹園だ。

次々と案内される、湖、放牧場、花畑・・・

いくつもの豊かな風景が、

小部屋に出入りする度に現れる小部屋の扉が開けば、新たな光景が広がる。

扉はどこにでも行くことができる、魔法の扉なのか?

いったい、どれだけの世界と土地があるのだ?

これが、莫大な物資の供給源なのか。

しかも、ここは’12番’。

ということは、少なくともあと11か所は、

同様の施設が存在するということか・・・。

科学という魔法。理解はできぬ。

だが、確かに見た。

あとは、この舌で味わうのみだ!


うまい!この脂肪の塊、すばらしくうまいぞ!

口に入れた瞬間、甘辛の旨味が爆ぜる!

コッテリとした絶品だ!食べ過ぎに注意だと?

かわまん、おかわりだ!


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