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067●同族

サルのように木に登るこどもたちだな。

イヌのような坊さんが来たからだよ。


「・・・サルはヒト。イヌは、儂らの血筋だ。ヒトは本能的にイヌガミを怖れたのだ。・・・アキラ、お前、どこから来たんだ?」

老人の家に招かれた。

古びた家屋のにおいが鼻をくすぐる。

床の間には太陽の女神の掛け軸がかかっている。

道中、押し黙っていた老爺がやっと口を開いた、最初の言葉がこれだ。


「俺は都会育ちだ。母は大神島の‘月の巫女’だったがな。」

「月の巫女・・・。」

「ナオトさん、あんたはどうなんだ?先祖代々、ここにいるのか?」

老爺は腕を組み、目を閉じる。沈黙が流れる。

「・・・儂たちは、遠い昔から此処にいる。日の巫女と共に、な。」

「あの神社と共に、ということですか?」

ココアの問いに、老爺は答える。

「社は何度も立て直している、ただの建物だが、ヒトであってヒトでない巫女は、営々と世代を繫ぐ不滅の者だ。しかし・・・永遠というわけではないのかもしれんな。」

「イヌガミさんは、オオガミさんと同じ人狼なんですか?」

「ふふっ、直截に尋ねてくるんだな。どうだろうか?アキラ、お前、月齢に影響されているのか?」

「そうだ。月は俺の力の源泉だ。」

「そうか。それでは、同族の血が流れているのだろうな。」


人狼。それは世界各地に伝わる伝説。

ヨーロッパ、アジア、アメリカの先住民族の間でも語り継がれてきた。

それらは架空の存在とされている。

だが今、ここに、確かに俺と血脈を共にする‘同族’がいる。


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