065●神社
ココア、ジンとエイミーとで、我が愛車で出動だ。
コイツ、俺の好みに合わせているから、実にいい。
もう、体の一部みたいなもんだ。
しかし、助手席はいつもと変わらず、ジンだ。
ココアじゃ、だめなのかあ?
局長からの指令で、テロリストの居場所を特定した。
なんかヤバイもん、いろいろもってる。
アジトに着いてみるともぬけの殻。
こういった連中、逃げ足がいつも速い。
ココアが様々なところからデータを引っ張り出し、
逃走車両を特定し、今の状況になったというわけだ。
俺たちの追跡を振り切れるものか。
「結構、山深いね。」エイミーが呟く。
「どうして、こんな連中はみんな、山が好きなんですかねえ。もっと都市の中心に隠れ家があれば便利なのになあ。」
「いや、ジン、それは実験とか実射とかあるからじゃないか?」
「あっ、そうか。資金不足で防音地下室とかは、無理なんでしょうね。」
「いつぞやの、地下倉庫にパワードスーツを隠していたヤツラが例外だったということだな。」
とかなんとか言っているうちに、逃げ込んだ山荘に到着した。
闇が全てを隠す、と思ってはいけない。
俺とココアの目は、闇を見通す。
エイミーとジンはスターライト・スコープを装着している。
建物の錠なんか、俺にかかればチョロいもんだ。
警報装置関係は、ココアが無力化している。
そっと入る。
うん、眠っているな。一網打尽だ。
拍子抜けするほどの静かな制圧だった。
だが、こいつら、とんでもないことをやっていた・・・人身売買。
罪の深さは、闇の静けさの中に潜んでいた。
ひとりの少女を保護する。
黒髪と瞳が美しい、まだ10代半ばだな。
「もう、大丈夫だ。おじょうさん、名前は?」
怯えた目でこちらを見つめていたが、
俺の声に彼女はほんの少しだけ肩の力を抜いた。
「・・・イヨ。日野 郁代。」
事情聴取やら、なんだかんだの結果、
俺たちがこの子を送り届けることになっちまう。
所轄にまかせりゃいいのに。
だが、ジンが何か考え込んでいる。
まあ、行ってみよう!
俺たちはイヨを乗せ、彼女の村に向かう。
村の入り口に、古びた鳥居が見える。
石碑には「日ノ御子神社」の文字。
・・・まさか、・・・。
あの、日の巫女か?!




