037⚫️みんなの合意
ある日、森の中、クマさんに出会った。
これは、まずい!
クマよけの鈴は持っていた。
だが、遭遇してしまった。しかも、子グマもいる。
専門家が言う「ゆっくり後退しろ」なんて言葉は、恐怖で頭から吹き飛ぶ。
唸り声が響き、脳裏に「The End」の文字が浮かぶ。
よかったあ、見逃してくれたのか。助かった・・・。
だが、これで終わりではない。通報だ!
「熊が出た。猟友会に知らせろ!」
「猟友会は、先日、高齢化のため解散しています。」
「じゃあ、警察は?拳銃で何とか・・・。」
「我々の拳銃では、無理です。自衛隊の出動しかありません。」
「もしもし、自衛隊ですか?熊の駆除を・・・えっ、隊員がいない?少子高齢化のうえ、領土防衛に出払っている?そこを何とか!」
ようやく自衛隊が来てくれた。
だが、その横には動物保護団体の人たちがいる。
「熊を守れ!かわいそうだろ!」
シュプレヒコールが続く。
自衛隊は、保護団体との板挟みになり、結局引き上げていく。
「熊、どうしたらいいの?」
「きっと小さな子どもが、襲われて命を失くさないと、世論は一致しないんじゃないの?」
「じゃあ、老人や働き盛りの年代は、どうでもいいのかあ!」
「いや、この国って、例えば教員が自死してもスルーするじゃない?これが子どもだと、だれの責任だ、これまでの取組はどうなってたのか、なんて大騒ぎになるけど。」
「うーん、これは弓矢か何かで、自己防衛しかないの?」
「この国では、銃器は所持が難しいからなあ。」
「じゃあ、日本刀は?美術品として購入すればどうよ?」
「あんた、刀で熊とやりあえるの?剣術の達人でも、むずかしいよ。」
「罠はどう?」
「いや、捕まえたとしても、その後はどうする?愛護団体に送るか?」
「自然の動物、勝手に退治すると、違法なんだよね。」
「罠もダメ、刀も無理、銃も持てない。守るべき命も、誰の命かで価値が変わる。結局、みんなの合意がないと、何も出来ないのね。」
外国の人たちや、文化の違う人たち、さらには動物との共生には、
社会の合意がなくてはならない。
それぞれの価値観で行動すると、収拾がつかない。
これらはルールや法律の徹底や変革にも、ついてまわる課題である。
わたしたち、どうする?




