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――D――  作者: 山目 広介
4/8

 掘り進めてどれぐらい経ったか。

 穴が崩落しない様にする外壁の枠を設置しているときのことだ。

 アラームが鳴り響く。何事だと思い、音源へと近づいていく。

 それはこの遺跡発掘の目的場所へと近い証だった。

 シールドマシンを止めて少しだけバックする。

 機材を持ち込むために上へと戻らないといけない。今日の作業はここまでだな。そんな感想を抱いた。

 翌日、検査機材を取りに地上へ急ぎ戻り、荷物を纏めて踵を返す。

 穴の最奥へ引き返すと機材の準備にかかる。

 検査をして、その数値を見て驚く。あと10㎝しかなかった。最新の機材はここまでぎりぎりを攻めるのだと怖くなった。下手したら遺跡ごと壊してしまうのでは、と(おのの)く。

 とりあえず、鶴嘴を持って少しずつ掘り進めてみた。

 あと少し。壊さないか心配になり、高圧洗浄機で少しづつ削ることにする。

 次第に土気色した壁に光沢のある金属質の物が見え始めた。

 それが目的の遺跡なのだろう。

 ドアのような取ってがある長方形の枠が露になる。

 次はここに殺菌用の施設を設置だ。内部は過去の遺跡だから、どんな危険な生物があるか分かった物ではない。

 なので入り口の場所を減圧し、外へ危険な菌やウィルスなどが漏れないようにし、内部へ入る人間にも特殊装備で挑む。

 内部の空気などのサンプルを取って安全が確認されるまでは出入りが面倒でも行わなければいけない。




 面倒な施設を設置し終え、漸く入り口の調査を開始する。

 が、すんなりと開いてしまった。それは外開きの入り口だった。内部も一気圧近くだったようで最初一気に扉が開きかけた。なんとかゆっくりと空気を溢れさせて事なきを得る。

 まずは空気を採取。ここの空気は減圧の際に滅菌処理のための薬液や熱処理など、いくつもの装置を越えて外へと出されている。内部の空気が問題なければこんな面倒な処置は必要なくなる。早速検査したいが、簡易検査はここでも出来るのだが、本格的な検査は本部へ送らなければ出来ない。

 特殊装備の着脱の面倒を考えるとすぐに外へ戻るのは得策ではなかった。

 だから遺跡の内部へと侵入する。床は普通だった。

 普通とは一般家庭の床というわけではないが、研究所などの床を思い浮かべた。

 頭部のライトが奥に並ぶ棚のような物を照らす。

 接近するとスイッチなりモニターらしきものなどから何かしらの機械だと分かる。

 周りを見て回り、一番大きいのが主電源なのだろうと想像する。そもそも電気で動くかも分からないわけだから、電源という言い方が正しいのかは分からない。

 とりあえず意を決し、主電源らしきものへと手を掛ける。押す。

 ブンッと低い唸りを響かせて僅かに振動し始めた。


「動く?」


 つい声を漏らしてしまう。


――ガチャン。


 続いて壁から音が聞こえると、扉が開く。ドキリとした。

 その中を覗くと、何やら倉庫めいた感じのする場所だった。手前の壁にベンチかと思った低い物がありよく見ると棺のようにも見えた。

 棺に見えたのはそれは人の大きさを収めるのにちょうどよい大きさで、顔に当たる場所に窓があったからだ。

 窓、それがぼんやりと光を放っていた。

 それを覗き見る。

 そこには本当に人の顔があり、思わず悲鳴を零してしまった。

 何か、機械のある壁に向かってホースなどがあり、それが何やら蠢いている。

 不用意にスイッチを入れたことを後悔した。しかし他に調査しようがなかったのだ。

 だが、それはもう遅い。しかしまだ猶予は有りそうだった。

 扉を閉めて、一度サンプルを本部へと送ってしまおう。



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