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――D――  作者: 山目 広介
3/8

 検査機材関係はベテランの人の仕事だったらしく順調に進んだ。

 しかし食料などはダメだった。全部一纏めにしてあるため、飲料水や調味料の塩など掘り起こすのに苦労する。

 準備した人間が初期の生活用品を纏めてくれていたので即座に掘り起こす必要はなかったのだが、後で必要になることが分かっていたので初めにそれらを取り出したのだ。そうしないと直ぐに底が見える様になってしまうだろう。

 ベテランの人の仕事は生活用水用に井戸を掘る物も順番に取り出せるようになっていて散らかさずに、そして楽に仕事が捗った。

 検査機材の設置に時間を費やした後、検査結果の解析の間に発掘機材の準備をする。

 大きさの具合などで順番が前後するのは仕方がない。だが何も考えてない順番のものは辟易としてしまう。どうしても時間が掛かってしまうからだ。今使わないものは戻す必要もある。二度手間になって気力が削られる。

 空間が空いているからと必要な物を別々の場所に用意されると移動だけで面倒になってきた。

 愛犬や彼女との別れなどに構っていられる状況ではなくなって、生きるためにはどうしても自分で動かなければいけないために、それらを忘れられた。生きてるだけで咽喉も乾くし、排泄もする。お腹も空く。誰もいない独りだと誰にも頼ることもできず、また便利なコンビニもない。買って済ますというわけにもいかない。

 作業に没頭しすぎてもダメで、飯を食べるにも時間が掛かるからだ。

 嫌な気遣いだとは思っても、数日もすれば冷静にもなって嫌々ではあっても感謝するしかないのだろう。

 最初の方で大きな機材を倒してしまったのも、肝が冷えて正気に戻すのに一役買ったはずだ。

 集中出来ていなかったらそれで助からないのだから。助けも直ぐにはやって来ないこんなところで危険を冒すと碌なことにならない。

 黙々とせざるを得ず、だが鬱々ともしきれず、回復したと言えるぐらいに初期探査が終わる頃にはなっていた。




 掘削するにも重機を動かすにも調査結果を報告して作業予定を組んで許可を貰わなければ動けない。

 通信を送ってから、準備を進めている。準備にはコンテナを一纏めにしておくべきものと順番で良いものとの判別などをして移動させたり、だ。

 並行して拠点造りも行っていた。食料と水が別々のコンテナだったりしたので纏めて、人が寝れるぐらいの場所と食事など寛げる程度のものを収められる建物だ。今の所天候にも恵まれているが、いつ何時崩れるか分からない。生活場所を整えることは急務だった。

 井戸が出来れば身体を拭くだけではなく、シャワーなども可能となる。掘削用に大部分を使用することは分かっているが、浄水して再利用することでそのぐらいの余裕が充分にある。

 ボーリングマシンで井戸を掘る。他の機材で調査した場所だからか、たったの一度で成功した。

 丘のような状態だった場所を(なら)し、目的の場所周辺をシャベルカーでシールドマシンが移動しやすいように掘ったりして、準備を進めていく。

 数日が経っても許可がなかなか下りないので、トンネルの枠となる資材のコンテナを近くに運び、整頓していく。

 更に日数を重ねても連絡が来ない。さすがに許可が下りないとすることも無くなってきたので、しつこく連絡を送ってみた。

 すぐに折り返してきたので、漸く取り掛かれる。今下りたとこだ、と怒られたけど。

 あとは単純作業を繰り返すだけだった。



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