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第111話 本体、成長します

マディの聖域。


そこに近づくにつれ草木は背丈を低くし、

枯れていく。


その原因は、所々に漂う瘴気だ。

森に漂っているそれより明らかに濃い。


だってドス黒いもん、禍々しいもん。

絶対触っちゃダメなやつでしょ。


さすがに濃すぎる瘴気にこの森の植物たちも耐えられないのだろう。


この先が森の瘴気の発生源。

つまり充ちてる魔力はここの奥から来ているに違いない。


とりあえず今はスルーだな。

祟られちゃったら怖いもの。

でも隠蔽のスキルを使えば、神様にもバレずに探索できるかな?

いやいや、それはゴブ夫さんとの約束を破ることになる、やめておこう。


俺は、聖域を迂回して探索を再開した。


しばらく探索していると、


(マスター、大蛇の巣を発見しました。)


クローンから、ダンジョン発見の連絡が入る。


さてさて、今度はそっちの探索をしてみようか。


中に入ると、おびただしい数の人骨が散乱していた。

いや、ゴブリンの骨か。


武具の材料を取りに来てるって言ってたけど、きっとその時に犠牲になったゴブリンだろう。コボルトと違って、それだけ危険な魔物だってことだ。


お、早速おいでなさったな。


索敵に引っかかった魔物は2匹、近付いて来るのは分かるけど、音や姿はまるで見えないな。


辺りは物音ひとつない静寂にた包まれていた。

索敵によると、目の前まで近づいているのだけど、姿が分からない。

いや、魔力視があるからうっすらと光って見えてはいるんだけど、

実際だったら暗いダンジョンの中で、物音もなく、姿もなく近付いてこられたら一溜りもない。


スケールパイソン

…硬い鱗を持つ蛇。

 物音も立てず、姿を隠して獲物を狩る。

 存在に気づいた時には既に

 手の打ちようのない状況になっていることが

 少なくない。


これゴブリン達よく戦ってたよね。

ゴブリンレンジャーの察知能力や、ゴブ夫さんの鋭い勘なら見つけられそうだけど、

そんなゴブリンばっかりじゃないでしょ多分。


だからこんなに残骸が転がってるんだろうし、きっと素材集めも命懸けなんだろう。俺も気を引き締めていかないとな。


さて、この子達はどうやって倒そうか。


うっすらと光ってるシルエットを見ると、体長は7~8mくらいかな。


こちらを囲むように二手にわかれる。そして2匹の大きな蛇はそのまま俺を挟むように移動した。


さてどっちから来るかな?


意識を2匹の蛇に集中する。

すると、さっきまで薄ぼんやりと光っていたシルエットがくっきりと見える。

そうか、こうやって意識を傾けると、くっきりと見えるのか。

姿勢を低くし地を這うようにうねりながら、こちらの隙を伺っている。


そして、後ろに回り込んだパイソンが首を少し引っ込めると、


ヒュン…


口を開きながら獲物をひと飲みにしようと、襲いかかってきた。


タンッ!


それを軽いジャンプで躱し、踏み付ける。


ゴシャン!


硬い音を立て、地面に蛇がぶつかる。

頭はひしゃげ、もう動く様子はない。


そして、踏みつけた勢いのままもう1匹の蛇に近付きショートソードで首を切り付ける。


首が太くてショートソードでは両断とまではいかないものの、するりと入った刃は大蛇の命を一撃で絶った。


まあ、入口だし、この程度でしょ。

ゴブリン達も第2階層の奥までは行ってるみたいだし。


その後も見破る系のスキルは付けずに魔力視の能力を使いながら大蛇を見つけては倒していった。


第2階層に進むと、大蛇のサイズが一回り大きくなった。


シールドパイソンか。


スケイルパイソンより鱗が大きくまるで小さな盾が体を守っているようだ。


ちなみに、さっきから索敵能力はつかわずに魔力視だけで戦っている。


敵の魔力の気配をつかみ、感じることで、半径5m位の気配は感覚で分かるようになってきた。


こういうのってスキルじゃないのかな?

普通スキルとして覚えたり、

レベルアップするんじゃないのかな?


.........。



俺は意を決して、


移転。


本体を大蛇の巣に移転させた。


意識を本体にもどし、


「うわっ、真っ暗、何も見えない。」


これが普通の見え方だ。

そりゃ洞窟の中だもの。

光も何も無いのに見えるわけがない。


しかし俺は知っている。

クローンでさっきまでやってたんだもの。


俺はある一点に意識を集中する。

すると、目の前が明るくなり始めた。

というか、壁がぼんやりと光を放っている。


おー、やれば出来るじゃん。


《魔力視Lv1を獲得しました。》


……


…………




来た!


キタキタ、きた!



ついにやったよ、自分の力でスキルを獲得した。


記念すべき第1号のスキルだ。


やっぱり、思った通りだ。

いくらクローンでスキル使い込んでも、

本体で習得しようとしないとスキルは育てられないんだ。

クローンのスキルはあくまで疑似スキルだもんね。

成長はしない。


と、後ろの気配に気づく。


嬉しすぎてここがダンジョンだったこと忘れてた。



振り返りざまに裏拳!


あれ?


空振りだ。


そうか、下か!


敵に隠密系のスキルを使われると俺の魔力視Lv1では見つけられない。


いや、気配は感じるんだ。

もっと感覚を研ぎ澄ませ。


……


しん…


スルスル…


さっきまでは聞き取れなかったはずの音が微かに聞こえる。

パイソンの移動する音だ。


もう音と言うよりは振動に近い。

空気の動く感覚がなんとなく掴める。


《振動感知Lv1を獲得しました。》


おう、魔力視に続き本日2個目のスキル獲得ですよ。

僕ちん天才?


魔力視は少し特殊みたいだけど、クローンのおかげが難なく覚えれた。

けど振動感知は、こんなに簡単に覚えれるんだから、きっと誰でも覚えれる簡単なスキルなんだろう。


振動感知は、魔力視と組み合わせるとパイソンの居場所が分かる。

と言うか、「見える」と言った方が感覚的には近いかもしれない。


輪郭はハッキリとしていないけど、見なくてもそこに居ることが分かる。


スルスル…



さっき俺が空振りしたから、パイソンは姿が見えていないとわかっているのか、確実に仕留められるようにゆっくりと近づいてきてる。

そして、


ヒュン…


音もなく頭を振って噛み付いてきた。


ペシンッ!


軌道を逸らすように平手打ち。


グシャリ。



自らのスピードにさらに加速を加えられ、スケイルパイソンは物凄い勢いで壁に激突し息絶えた。


あぁ、これでクローン無しでもとりあえずダンジョンを進めるようになっちゃったね。


でも、成長するにはクローンにばっかり頼ってたらダメだってのが分かった。

俺が成長すれば、クローン達もさらに成長できるような気がする。

かつて魔人という最強の種族は、自らの能力に頼りすぎて滅びたと言う。

クローンに甘えて頼りっぱなしの俺もいつか滅びちゃう?

クローン達には悪いけど、この能力が俺の成長の妨げになっているのだとするなら、クローンの力は封印するべきなのかも知れないな。

いや、全ては自分に甘い俺のせいなんだけどね。

ごめんよクローンたち。


とりあえず今は新しいスキルと、自分の成長を喜ぼう。


俺はそんなことを考えながら、大蛇の巣の奥へと進むのだった。

お読みいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になる。

と思った方はぜひブックマークをお願いします。

ブックマークしてもらえると、

作者がニヤリ…とします。

どうぞ今後ともよろしくお願いします。

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