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第105話 コワル樹林帯

リリーさんとの念話が終わり、

辺りを見回すと、

すでにおじじの姿は無かった。


「おじじー?」


帰っちゃったのかな?

もっとおじじの話が聞きたかったのに。

次来た時にまた話してもらおう。

おじじも楽しそうだったし。


さて、次はどこに行こうか。



コワル樹林帯。

王都北東部に広がる広大な森林地帯。北方大山脈と霊峰ガルガドの麓にあり、魔力と水資源が豊富。

魔力が豊富なため、度々瘴気の大発生が起こり、人の侵入を拒む。立ち入ったものはたちまち方向感覚を失い、迷う。上空には常に正気が渦巻いており、太陽の位置もわからず薄暗い。植生も普通の森林と異なり、魔力を元に育つものばかり。水も汚染されており、飲水の確保もままならない。

魔力が豊富なためか。無数にダンジョンが点在しており、魔物が繁殖している。それらを餌とする、ブラックワイバーンが度々飛来する。


空は薄暗いし、生えてる植物も禍々しい感じだし、どんよりしちゃうな。

フィールドシーカーに疾駆を付けてるんだけど、森の中だからか、発動しない。かと言って、ドリアードさんから貰った森の加護。今は祝福か。は、何故か効果がない。きっと普通の森とは生態が全く違うんだろうな。あれだ、トレントの森にいるアイアントレント、アイツらはドリさんの言うこと聞かないって言ってたもんな。きっとそんな感じだ。

全然捗らなーい。

ここに来てスキルと祝福のありがたみが実感できる。とんでもない力を貰っていたんだな。

かろうじて効果を実感できるのが、俺が作って、クローンに付与した『森人』のオリジナルスキルだけだ。

これは、森が違おうと影響を受けないようだ。

マッピングもできているので迷う心配はないけど、これ、普通だったらきっと半日も経たずに体力切れてくたばるぞ。そもそもこの瘴気じゃ人は入ることすら出来ない。

そう、さっきから大量の瘴気が発生し始めていた。


さっきまではなんとか見渡せていた視界が、今では足元も見えない。

結局使えるのは、森人とマッピングのクローンの能力だけか。

そうか。スキルを新たに作ればいいのか。瘴気の森の中でも自由に行動できる能力……。


いや、まて。

いつだったか、手に入れた支配のスキルをクローンに取り込んで派生スキルの『加護』に変えたことがあったな……。


疾駆と、森の祝福。

それからクローンの森人と、マッピングの能力。


(最適化します。)


ほら始まった!


(森渡のスキルを作成しました。)


いいね、マタギみたい!

このスキルが役に立つかは、使って見なきゃわかんないけどね。


『スキル森渡を獲得しました。』


あ、俺が獲得したのか。

考えてみれば、『加護』の派生スキルだってスキル『クローン』の中にあるちゃんとした派生スキルだ。俺がクローンに付与するなんちゃってスキルとは違う。


しかも前回と違うのは、クローンの中に『取り込んだ』のではなく、なんちゃってスキルと合成して、クローンの中から『取り出した』ってことだ。


森渡を改めてクローンに付与する。


目の前には瘴気の濃霧があるはずなのに視界は良好。移動も、平地で疾駆を使ってるかのように超高速。ステータスも増加しているし、森の祝福以上の補正だ。


大成功!


これでここの攻略も捗るぞ。

ジョブも少しいじろう。

フィールドシーカーに、森人のスキルを合成して。


(フォレストシーカーを生成します。)


こういう事だ。いちからジョブを作らなくても、元からあるものを組み合わせていいとこ取りで作れるのがメリットだね。


フォレストシーカーをとりあえず10体生成する。

この能力ならこれくらいいれば十分かな。

さてと、調査開始。


森の中をジグザクに満遍なく探索していく。


瘴気の中は抜けたな。


お、早速ダンジョンらしき穴を発見。入ってみるか?

いや……。


穴は微かにミシミシと音を立てて塞がった。

あれ?閉じちゃったぞ?


あ、別のクローンが違う穴を見つけた。


けど、その前に、この索敵に引っかかってるやつらを。


スローイングナイフ。


放たれた刃は四方八方に飛び交う。


58体の茂みに隠れたゴブリンたちが一斉に絶命する。


コイツら、さっきの穴から出てきたヤツかな?

至って普通のゴブリンだった。


ゴブリンたちの他には魔物の気配はない。


これだけじゃ何もわからないな、とりあえず探索を再開しよう。


別のクローンがみつけた穴をみてみようか。

魔物の気配もないし、辺りに隠れてる気配もない。

ただ穴の中には、大量の魔力が溜まっているようだ。

あ、穴の奥にひとつ反応が。

いや、2つ?3つ?

どんどん増える。

入ってみようか。


穴が塞がる気配がないか確かめながら中を覗く。

結構広いな。


穴の中は、体育館くらいの広さがあった。



ああ、いる。


ゴブリンではない。

あれは、サイクロプスだ。


一つ目の巨人が黒いモヤの中から次々と現れた。


「うぁウ、うがァ、うアイ……」


なにやら口々に奇声を出している。


そして、モヤが消えると。


サイクロプスたちは外に向かって動きだした。


そして、バッタリ!


「ガァルガゥアァー!」


ヨダレを撒き散らし目を血走らせ襲いかかってきた。どこかで見た光景だ。あぁ、オークたちだ。

産まれたてだからお腹すいてるんだね。きっと。

生まれたての彼らは、ママのおっぱいよりもクローンの肉体の方がお口に合うようです。


1回ダンジョンの外に連れ出すか。また、閉じられたらどうなるか分かんないし。


ダンジョンから抜け出し、

サイクロプスたちが出てくるのを待つ。


獲物をみつけ我先にとダンジョンから飛び出してくる魔物たち。


そして、獲物を見失う。

さっきまで、目の前にいた餌がカスミのように霧散する。


何が起こったのかわからずあたりをキョロキョロ。


我が名はフォレストシーカー。

我は森であり、森が我である。


いや、違うけど。


同化。

フォレストシーカーは森限定で、

同化という隠密スキルを使えるのである。

泰然自若にて傍若無人!

相手に悟られることなく一方的に行動出来る。

森全体がまるで敵になったかのような、

まさに森とひとつになるスキルなのだ!


お、かっこよく説明決まったね!

四字熟語2つも使っちゃったし。


なんて言ってる間にサイクロプスが全て出てきた。


少し様子を伺っていると。


ミシミシ……。


静かに穴が塞がり始める。


ドンッ!


そこで俺は1匹のサイクロプスを穴に突き飛ばした。


何が起きたかわからずキョロキョロしながら起き上がるサイクロプス。


ミシミシ……。


あ、ひらいた。


どうやら、中に魔物がいる間は閉じない仕組みになってるようだ。


スローイングナイフ。


穴の外から、穴の中のサイクロプスを絶命させる。


ミシミシ……。


閉じ始める。


魔物が息絶えると閉じるか。


じゃあこれなら?


穴に入ってみる。


ミシミシ……。


穴は閉じ続けている。


飛び出す。


近くにいる魔物をもう1匹放り入れる。


開いてきた。


薄紫に光る魔法陣。

オークが1匹現れる。


オークダンジョンから転送してもらった。


サイクロプスを葬り、今度はオークを放りいれる。


ミシミシと音を立て。

そのまま閉じた。


しばらく待ってみたけど、その穴が開くことは無かった。



オークさん、迷わず成仏してください。


その時、索敵に引っかかる数体の魔物が。

サイクロプスと違って生まれたてじゃないのか?

ここにいるサイクロプスなんかよりも何十倍も強いぞ。


そいつらはサイクロプスたちをめがけて一直線に進んできた。

まるで、サイクロプスたちが現れるのを待っていたかのように。

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