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王伝編集官   作者: 卵星店長(代理)
8章 闇鍋とドロボー
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王伝編集官 61話 

 多分なにもわかっていないだろうなぁ


 見つめると同じように僕を見ているこの子、白い猫で首に赤いリボンか。街から来てるね。まだ生まれて一年経っていないくらいの女の子。リボンの端にミヤと書いてある。


 猫は基本自由にどこにでも住んでいるけど、住んでる地域で変わるものがある。それは首のリボンで、街と港で分けられている。街の女の子には赤、男の子には青。港の女の子には黄、男の子には緑。


 今いる港の桟橋から街までは年若い女の子のミヤが来る距離としてはずいぶん遠い。人通りも物流も一日中あるから偶然たまたまここにいるってことはないだろうね。慣れた子と一緒に来てるのかとも思ったけど近くにそういう子はいない。


 思い当たるのはこの子に旅猫の素質があるんだなということで、街生まれでは珍しい。ルシネイラに着く船は商船の定期便と国が出す調査船があって、多くは定期便でその船にも自由に猫は乗っている。そういう子は好奇心が強く、人見知りもしないから国から国、街から街を旅するので旅猫とよばれてる。


 ネリィの「三賢」ほどではないけど、僕にはこの子が見知らぬ街を楽し気に駆ける風景が見えている。近いうちに船に乗るんだろう。なら渡しておきたいものがある。


 ミヤは僕の手にのせた小さな金のメダルに顔を近づけてふんふんと嗅ぐ。


 みゃ~?


「これはね、君をどこへでも連れて行ってくれる。君が見たものを僕達にも見せてくれないかな」


 王伝編集官の印が付いたメダル。形やサイズは任意で変えられるそれは誰でも簡単に手に入れられるものではないですよ。数少ない例外がこれ。委任ってやつです。先輩にも同じものがついているけど、僕のはそれの最新版でっす。


「ちょっとリボン貸してね。・・・・よく似合うよ」


 ミヤの赤いリボンに金色のメダルがきらり。指で触れながら「起動」と言うと、ぷわんとミヤと僕の間にミヤに似た2頭身のマスコットが表れた。 


『ご利用いただきありがとうございます。まずは登録名を付けてください』


 かわいい外見と合わない事務口調で身体を90度に折り曲げての礼。そういう仕様です。どんな外見になるかはわからないので。


「登録名 ミヤ」


 ミヤは自分の名前が呼ばれたので「みゃ?」と首をかしげた。


『登録しました。続いて同調します』


 ミヤの頭にちょこんと座ると、マスコットから透明な水晶球が出てきてた。僕がそれを受け取りじーーっと見つめると、球の中にミヤとマスコットが映った。これで登録完了だ。ミヤと直接会話できる。


「じゃぁ改めてミヤ、僕はリノリス。よろしくね」


 自分の身に起きた事態をマスコットに教えてもらったので顔から疑問符は消えたけど、この子は僕の人生で特大のショックをくれたんだ。


『あれ?おねえちゃんじゃないんだ?』


 がーーーーーーん 


 素直は美徳だと限らないのでしょう。もっとメンタル鍛えるざまーす。

 




 ーーー 同日のラディ王子とレイ王子のご様子 ---


 リン


 ガラスの鈴音がする。客間に持ち込まれた執務机から聞こえた、ここでも仕事か。


「兄上、僕とってきます」


 帰国間近まで執務していや・・・らした王子2人は午後のお紅茶を飲まられ・・・オゲンキソウデスネ


 レイ王子は2つある書類トレイの一方から届きたての書類を運んだ。これのおかげでどこででも仕事ができる悪夢の物体です。2つは似ているが微妙にちがいます。書類が届いた方は艶やかな白地に金でラディ王子の名前のみが鎮座していて、相方は並んだマス目に黒色であて先が書かれてマス。そこに触れてから書類をのせると相手先に送られマス。


 ちなみに手のひらをのせれば全部に同じものが送られるそうで、とてもとてもほしくないものです。さらに重ねていいますとラディ王子の名前付きさんは特殊な相手にも送れる・・・いらない情報か。書類に目を通したラディ王子は


「レイも読んでごらん」


「えーっと、いにんしんせいしょ。あ、リノ君使ったんだ。兄上、見たいです!」


 レイ王子に請われて出したのはリノ君のもっていたものより3倍は大きかろう水晶球で、映された場面にレイ王子は釘付けだ。


「監修もやってみるかい?」


「はいっ、がんばります」


「気に入った場面を挿絵候補に挙げながら書くといい」


 ラディ王子はそう言うと新たに一枚書類を作成し、児童文学申請書と書きながらタイトルは「仮」とした。それどころでなさそうなレイ王子を微笑ましく見つめ、サインを入れた後委任申請書と共に送り用トレイに飛ばした。


 さっき送り先を指定して送ると言ったのに、手順まで飛ばすんですか。そうですか。


「あれ?リノ君なんだか元気ない。疲れているのかな。ねぇ、兄上。しばらくお供は僕が代わりますね」


 またも年下の子に気を使われるとか。えーと、どんまいは死語かしら。 

 ここでまた新作のフラグが・・・タイトルは


「白猫ミヤ 海を往く」


 現在判明している続編タイトルは


「白猫ミヤ 砂漠の蝶」「白猫ミヤ おめかしさんの火の番」


「白猫ミヤ 氷の山で待つ羊」「白猫ミヤ 涙の少女」


「白猫ミヤ 母の味はカツ」 となっております。書けるかしら・・・

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