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王伝編集官   作者: 卵星店長(代理)
4章 炎のコンビ
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王伝編集官 27話

 学院の夏は一月半の休みがある。過ごし方は各自それぞれ。ラディ王子達ははアラスティ国からの留学生の一時帰国に同伴し、そちらで交流という名のお仕事なのです。ちなみに海ないですよ。イメージは高級避暑地と言えましょう。


「以上が夏季休暇についてのお知らせです。みなさん気を付けて過ごしましょうー」




 休み前最後のお昼は、スペシャルメニュー「夏野菜の冷製パスタ・黄金ジュレ添え」。中等部料理科と王宮内料理開発部門のコラボメニュー。王宮料理人を目指す若者のやる気アップ策で模擬市でも評価が高かった。もちろん初等部のお子様にも配慮されてはいるが、おそらくメイン対象は若いおねえさんだろう・・・


「姫!この私の愛をぜひ受け取ってください!」


「それで向こう行ってる間の滞在費等は全部こっちで持つからみんな行く?」


「さんせー」


「あ、俺、家手伝いあるからミレーナ預けるよ。」


「私も店手伝うからお土産よろしく~」


 そんなかんじでメンバーが決まっていく。ただ一人返事どころでない人も。


「これで二人の愛も永遠さー」


「出発はいつ?」


「明日の朝学院前集合で。」


 つんつんと服の裾を引っぱりレイ王子が涙目でラディ王子に訴えてる。しかしラディ王子は対応に困った。ミレーナが先日観た観劇の役になりきり、向かいに座るロビーオ君にフォークで刺したブロッコリーを口に突っ込んだのだ。彼女は観劇後よくこれをするため、食堂内ではよくある光景になっていた。ただ今回のそれは予定というか想定というか仕込みはすべてパーになった。なぜなら

(おかしいなぁ、キャストのお姫さまはミレーナに似せたし、お相手である騎士さまもレイ王子に似せたんだけど)

 ミレーヌが食いついたのは騎士さまだった。どうも最近のラディ王子の計画は微妙な空気を生み出している。夏の所為にしてもいいだろうか。


「もごもご(おいしいけど詰め込みすぎー)」




 ---幕間--- 食べすぎた先に

 昼食後、真新しい寮の自室ベッドで満腹お腹をなでてるうちに眠ったらしい。「うーん」と自分の変なうなり声で目が覚め・・・やわらかい感触。びっくりして起き上がると


「まぁるい・・・うすももいろ・・もも?」


 ただの丸いもこもこ玉だと思ったらくるんと回ってこっちを見つめた。え?目?なんか見おぼえが。あぁ、えらくかわいいけど彼の眼だ。真っ赤できれいだった。ていうか、これなに。そうかラディ王子と初めて会ったとき言っていたっけ。黒い石について


「これで解除済み。今君の中に入ったのはこれから時間をかけて君の経験したことを元に成長する」


 言わば君の相棒だね。にっこり笑って胸元を指さした。つやつやした黒い石は信じられないことに僕の体に吸い込まれた。相棒?成長?じゃぁこの子はこれからずっと一緒にいてくれるのか。


「え・・と、よろしく?」




 魔改造に乱入。マスコットになり得るかは疑問。見た目はペット用おもちゃだし。

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