王伝編集官 20話
---幕間--- 女王の独り言
隣を歩いてる子。エナナがずっと言ってた従妹ね。あまり似てないし。でも私に乗ってる子と話してるとかわいい顔してるわ。エナナのお母さんがよく妹はよく熱を出してたって心配してたから、それ移ったのかしらね。それが今じゃ自分がいつ旦那様見つけるのか心配されてるのわかってるのかしら。
私も、ずっとそうだった。他の子より小柄で母に心配かけてばかりで。旅立つ日も最後まで良い旦那様の見分け方教えてくださったけど、役にたたなかったっけ。みんなに追いつけなくてそれどころじゃなかったもの。そんな私にも旦那様みつかったんだし、いざとなったら私が見つけてあげなくちゃ。
「みなさん、鉱山とはいってもこの子たちのお家なので、中ではなるべく静かにしてあげてくださいね」
「はーい」
「色のついたきらきら光る石は持って帰っていいので気に入ったものを見つけてくださいね」
「はーい」
「では足元に気を付けて順番にどうぞ」
テラの乗ったアリを先頭に鉱山突入。次にラディ王子・リノリス。アクア・サンドと続く。内部には明かりが常時設置してあるが大人にはやや狭いし低い。エナナニさんは外で待っている。そして子供という生き物はこういう所が大好きだ。
「たのしぃ」
「まだ入り口だぞ」
「奥のほうが大きいのあるんだっけ」
テラ・サンド・アクアのテンションがもう高すぎ。通りすがりのアリさんに目もくれず上ばかり見てる。あぁ、アリさんのほうが避けてく。お邪魔してますねぇ。中では数名づつに案内してくれるアリさんがついてくれるので迷うこともない。なので、そこらへんに生えている?鉱石の品定めに集中できる。
(テラはともかく1こは作らないとか、どれにしよう)
「ここで取れるのって半貴石メイン?」
「そうだね、住んでいる生き物によって出やすさがあるから。でも成長が遅いだけでダイヤも出るからよく探すといいよ」
「高級品ねらってるわけではないかなぁ。やっぱりこう、第一印象で」
「良い出会いがあるといいね」
数多く取る気のテラは目つきが鋭く品定めが早い。あと壁に顔くっつけすぎ。サンドはどれでもいいや感で適当に見てる。アクアは1つ1つをじっくり見て、うーんと言っている。それを見ながらラディ王子はここの家主に小声で言う。「しばらくまかせるよ」そして一人で奥に向かう。いつも通りついていくと、みんながみえなくなった所で立ち止まった。あれ?
「本当は見ないほうがいいんだけどね」
「なにかあるんですか」
「怖かったら目を閉じていて」
奥を向いたまま言った。ここで怖いことが起きると。「観察」でわからないことなんてこれまでなかった。例外はスーちゃんだけ。その意味を考えると。
「みんなの所で待ってるかい?」
「いいえ、行きます。役に立てなくても」
「そういう意味じゃない。まだリノに見せるのは早いんだ」
振り返りリノリスの頭をなでた。いつもの笑顔はなく、その心は見せない。だったら恐れる訳にいかない。試されているということだから。
「大丈夫です。あなたの王伝編集官ですから。」




