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Brain-Wars  作者: 大山鳥 鈴
ランキング戦開幕・集う精鋭
18/20

いざ、開祭

 祭り前日


 部室の地下では、ドラゴは作ってきた料理を振る舞った。

 「上手い」

 「一回店で聞きました」

 「普通」

 「おい、信。殴るぞ」

 「殴ることないだろ。上手いです、普通に‼‼‼」


 「素人で作れるのか」

 「心配することはない、素人でもできるように簡略化してある」

 「素人か……」

 「手伝いはしてもらうぞ、翼」


 『よし‼‼氷上。店の設営を始めろ』

 「俺一人でですか?」

 『おう』

 「ハァ~……まぁ、いいっすよ」

外で、テントの設営を始める氷上。設営場所は正門より少し離れたところ。正門近くでは機械部が店を作り終え営業を始めている。青波から聞いていた通り、ラーメンのようだ。


 「くそ。メッチャ上手そうじゃないか……」

その声が聞こえたのか向こうから部員が歩いてくる。


 「上手そうだろ。だったら買ってかない?価格的には400円だぜ」

 「いや~……」

 「あれだろ。青波に『相手の店の品、食ったら処す』とか言われてんだろ」

 「まぁ、そうっす……」

 「ハハハ。無理強いはしないから。食いたくなったら買ってくれよ」

そう言って、離れていった先輩らしき人物。


 『おい、氷上?テント張れたか?』

 「え、あ~……」

 『早くしろよな。カズにでも捕まったか』

 「和って?」

 『軽そうなやつ』

わかるか!と突っ込みを心の中で入れつつテントを張り終えた氷上は、部室に戻った。


----


 「テント張りは終わりました……」

 「おー。お疲れ。これ食うか?」

青波が持っていたのはドラゴが作った麻婆豆腐。

 「……ちょうどいい温度ですね」

 「だろ~」

 「で、どうするんすか?」

 「何を?」

 「店の本格の設営ですよ」

 「あ~。俺と信で組む」

 「ハァ~……。いいですよ」

そう言いながら、外に出ていく二人。


----


 「お~。青波」

 「和。ボンベはあるよな」

 「余ってるぞ。毎年のように後で返せばいいぞ」

 「そんじゃ、取りあえずは2本もらうぞ」

 「ほいよ。自分らで運べよ」

 「Ok。信、手伝え」

少し離れたところで、青波と上野のやり取りを見ていた信は気が重そうに出てきた。


 「激波さんは公開処刑がしたいんすか?」

 「公開処刑?いや、違うな。な、和?」

 「そーだぞ、赤柱。青波は、俺らにお前を敵と見せてるんだぞ」

 「そーいうの、公開処刑と何ら変わりませんよね‼‼和久さん」

強引な二人の主将にひっかきまわされた信は、かなりの疲労度をその身に感じていた。


----

 昼時。

 前日から、行動を始めていた機械部の店には多くの生徒が昼食を買いに列を連ねていた。

 「快調みたいだな」

機械部の机で、カメラ越しに店の状況を見守る上野。

 「でなければ、困るからな」

横では、明日から始まる予約システムの最終チェックを行う上鳴。


 「順調じゃない‼初日にしては忙し過ぎだろ」

 「何考えてるんだか、あの二人は……」

店からの無線からは、味方間での愚痴が飛び交う。

 『オラオラ、お前等‼地獄車になって働け、働け‼』

 「アンタは、鬼か‼」

 『さっさと、他の所と差を作っとかないと逆転されるぞ』

上鳴は珍しくフォローをしない。それが、そこそこ精神面を削られる。

 『気張ってけよ。社畜ども‼‼』

 「「「誰が社畜だ‼‼」」」

絶対に上野コイツの度肝を抜いてやる、と情熱を機械部の面々は燃やし始めた。


----

機械部が開店している間、ドラゴ達は最終確認をしていた。

 『あ~……通信は通るな』

 「はい、青波さん」

 『外(店)は、お前に俺の権限を全てやる』

 「内(部室)は?」

 『俺だよ。そう、俺が全て(ルール)だ‼』


店番は、ドラゴ・翼・紫花・氷上の4人。

番外は、青波・信の2人。


 『それじゃ、俺今日は戻んないから。好きにしろ』

 「了解」

通信を切った後、ドラゴは信以外の4人を連れて行った。


 「権限が俺にあるなら、店を今から回してもいいってことだな」

かなりの本気度を感じる3人。

 「まぁ、ドラゴの好きにしていいんじゃない」

 「激波さんも『権限は全てやる』って言ってたしな」

 「俺は、北海道の人間だから熱いの嫌いなんだけど……」

開店する前に少し店の前に客の列ができている。


 「どういうことだ……」

 『見たか‼お前らこれが、俺の情報拡散能力だ‼‼』

各クラスのクラスチャット、学校掲示板に「只今より開店。今年の品は中華だ。後悔はさせないぜ」の書き込みが書き込まれている。

 「先手打ちが俺らより早い」

 『ここまで、盤面は整ってんだから決めてこいや』

 「誰に指図してるんだ?すぐに、機械部を食いちぎってやる」

一気に2つの鍋で料理を始めるドラゴ。


 「速い……」

 「これは、びっくりだね」

 「よ~し、オレは出前始めるかな」

各個人用意をはじめ準備日ではあるが本格的に動き始めた。


----

屋上にて小早川と青波が店の状況を見ている。

 「快調のようですね、青波君」

 「そりゃそうです。何せいつも以上にうまいですからね」

 「彼を採った理由も……」

 「いや、あれは先生が引っ張て来たんでしょ」

 「そうでしたね……ところで、君はいったい何をしているんです」

先ほどから携帯電話を見続けている青波。


 「いや~……生徒会ヤツラの行動を監視してるんですよ」

 「監視って……どうやって」

 「覚えてないんですか?俺と黒鋼が結託した去年のことを」

 「あぁ~……確か生徒会ともめて校長室呼び出しを食らったことですか?」

 「痛い所ついてきますね。正直召喚されるとは思ってませんでした……」

 「今が平和なら何でもいいんですよ。ところで彼は来るんですかね」

 「知りませんよ。修さん達に付いたんですから」


----

 去年

 「黒鋼~。これ創ってくんないか」

 「ん?……何創らせる気」

 「ほい、これ一式」

 「なかなか難しいものを注文する……」

 「でも、創れないことはない。だろ」

 「まぁね」

眼鏡を押し上げ難しい顔をするも頭の中で設計等を始めているように見える黒鋼。

 「おい、激波‼店の設営終わらせるぞ」

向こうの方からは、部長の虹村が呼んでいる。

 「ハイハイ、ただいま‼‼。悪ぃ、行ってくる」

 「OK」


 「待たせました。すんません」

 「ま~た、何か頼んだのか。アイツは何でも作る機械じゃない」

 『虹村、製造機の方が楽だぞ』

 「楯野……俺の賢さは今1上がった。この後勝負しろ」

 「楯野先輩、内部通信ではなく口で喋ってくれた方が俺が楽です」

 『……そうか。まぁ、気にするな』

 「おい!俺の話は‼」

 『無視した』

 「今すぐ勝負だ‼この壁役タンク‼」

ギャーギャー騒ぎながらもテントの設営を始める3人。


 「う~む疲れた……」

 『なら勝負は』

 「それとこれとは話が違う!おら、用意しろ」

 「用意するなら、別の方の用意しません」

 「?」『なんだ』

 「勝つ方法」

 「なんでそんな用意が必要なんだ」

 「楯野先輩、うちの去年のランキングご存知ですよね」

 『……2位だな。確か15万で』

ランキング等は売上ランキングの事。

毎日、部の会計が本部に提出、集計しランキングにする。

反則行為は一切発生しない。と言い切れるレベル。


部室に戻り、話を続ける。

 「どうせなら、2なんかじゃなくて1が欲しいじゃないですか」

 「賛成。でどうすんの?」

相変わらずの即決・解決方法丸投げの虹村。

 「オレは、アイデア製造機じゃないですよ。少しは自分で考えてください」

 「おい……。それなら、出前ならどうだ」

 「校内は狭いです、わざわざ出前とる必要はないのでは。っと」

 「でもさ、去年聞いたんだぜ。『出前があれば楽なのに』って」

 「誰からですか?」

 『こいつ本人だよ、青波』

楯野の言うことに今まで嘘やからかいの発言は一切ないことを知っている。

青波は即座にそれを真実として受け止める。

 「要は面倒がる正確なだけだよ」

 「修先輩は、面倒くさがり屋で好戦的で他人任せで……」

 「うるせー、クロ!!これ以上俺を罵倒するなら極刑だ!!」

 『「「出た!部長権力!!」」』

 「お前ら!俺を何だと思ってるだ‼‼‼」


----

 「まぁ、何だかんだで、出前の件はチャラに成っちゃいましたけどね」

 「それは……仕方なかったんじゃないですかね」

 「許可が出ないってのも、おかしな話だと俺は思いますけど」

 「君は少し加減を知った方が身のためですよ……」

 「ぬー……」

 「さぁ、君も明日からはキッチリ働いて貰いますからね」

 「へ~い……」


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