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Brain-Wars  作者: 大山鳥 鈴
ランキング戦開幕・集う精鋭
17/20

祭りの開催

 「信が言うこともわかります。言ってないですよ……この表向き何もしてない部活が模擬店やるなんて」

 「拒否、拒否、拒否!激波さん。オレは機械部の方に行く」

拒否をしまくるのは椅子に縛られた信である。彼は最近、機械部の方に行っていない、半幽霊部員状態である(と言っても機械部のメンバーはほとんど部長が招集をかけない限りは出席しない傾向にある)。

 「アホか、この部に入部している以上部長権限を振りかざす俺に逆らえるやつはいない!」

 「そういうのを職権乱用、いや何て言うんだこの場合……そうだ、先輩権限濫用」

何だそれ、と流しながらも説明を始めていく青波。他のメンバーは『仕方ない』という顔をしているが…気にしないでおく。


 「え~。我が部、能力犯罪以下略は毎年部の売上ランク3指にはいる。要は実力派だ」

 「……去年の売り上げは?」

 「確か2位で、30だったけ?センセイ、ヘルプ」

 「覚えているのは順位だけですか……去年の総売り上げは正確にいうなら33です」

 「どもです……お前らどうした?」

33と言葉を聞いたとき1年は耳を疑った。そもそも学生のやる祭りは赤が多く、黒だとしても身内からの献金に近いものだったりする。


 「30万以上の売り上げが出る学生の店なんてあるんですか?」

 「ありえるだろ」

答えるのは青波でなく、ドラゴ。

 「まず考えてみろ、人件費はゼロ。土地代もいらないし、申告もいらない。売り上げが基本的にはそのまま利益に直結する」

 「……詳しいなお前」

 「そうでもないですよ……」

 「こいつの家が中華屋ですよ」

 「ほう」

 「これはこれは。今年の青波君はついてますね」

 「よ~し、今年は中華系で決まりかな」

 「よし‼(面倒なことは全部向うだ)」「いいのか?」

 「構わない……」

笑いを堪えている信を睨み言葉をつづける。

 「ただし、あそこの馬鹿(信)を極力使わせてもらいます」

 「は?…おい、待てぇぇ!おい‼」

後ろで怒鳴り始める、それも煩いほどに。

 「よーし、店長はドラゴ」

 「先輩じゃないんですか?」

 「はっはー。心配するな、紫花。俺は去年店長をやっている。お前らの監督役だ!」

 「そんなことだろうと思いましたよ……」

 「で、できれば今年は1位にランクインしたい。なんか案があるやつ?」

それなら、と氷上が手を挙げる。


 「学際日前から動くと……」

 「準備日に行動するのは去年試した」

 「出前は……」

 「やってないな、試してみるか……」

じっくり考えず承諾する青波。

 「よし、出前は許可取らなくていいだろ」

 「許可必要なんですか?」


青波は無視しているので小早川が答える。

 「本来何か追加である時は、学校側と開催側である生徒会の許可が必要なのですが……」

青波をちらりと見ながら気の進まない様子で続ける。

 「うちは、表向き何も実績を出していない部ですよね」

 「知らね~」「はい」「確かに。報告はいつも本部に……」

 「それで、生徒会からすれば邪魔だった訳ですよ。彼らは強制廃部を我々に押し付けに来た。そこで…」

 「当時の部長、青波激波が攻撃をした。と……」

まぁ、そんな感じです。と小早川は続けた。


 「まぁ、厳密にいえば5人中の2人で抵抗したんだよ。残りの先輩は乗り気じゃなかったみたいだったし」

 「監視カメラ4つ付けはかなり反則ですよ……プライバシー侵害にもなりかねない」

 「それなら、向こうも反則しまくりでしょ。バット振り回す暴徒ですよ。正当防衛じゃないすか?」

 「結局、仕打ちはどうしたんですか?」

2人が話している所に翼が入る。


 「名目上1つのカメラを設置させて、当時の副会長を辞めさせた」

 「大分、ぶっ飛んでますけど」

 「え~と、向こうと交渉が決裂。そんでうちは機械部に頼んで監視カメラ4つ用意してもらった」

 「はい……」

 「そんで生徒会室と銘打ってるプレハブ小屋に1つ。もう3つは、ばれない様に設置。そんで……」

 「校則違反を取り締まったと」

 「そーだよ、先生。で、その後、副会長を辞めさせて暴徒になったそいつを俺が迎撃したと…」


 「て言うよりそんなこと言ってる場合じゃねぇ。何時もどおり強行突破じゃ――!」

 「……システムはどう、やるつもりですか?」

暴れることを辞め椅子から拘束を解かれた信が聞く。


 「この時期、どの部も協力はしてくれん。だから先生……お願いが~」

 「そんなことだろうと思いましたよ。当日営業に関してのみブレインを使用することを許可しましょう」

 「よし!サンキューです。出前の連絡はすべて、ブレインの内部連絡回路を使用。ドラゴ」

 「了解です。出し物ですね」「俺の付き添いでか……」

 「そんじゃ、頼むぜ。残りのメンバーは何処までが通信の射手内かの確認と他の仕事をしてもらうぞ」

 「はい」「了解」「OKです」


----


 翌日から学際開始1週間前に入りどのクラスも活動し始める。信は悪態をつきながらもクラスの手伝いをしている。

 「あ~……面白くない……」

 「まぁ、いいじゃないか。お前はうちの部で学際しないんだろ」

 「よかないさ。この後しばらくドラゴのパシリだぞ……。基原キハッさん」

 「それは、ドンマイ。まぁ、でも…こっちも和久さんが「24時間営業だ」って言うし」

 「……コンビニかよ。許可は?」

 「取らなくてもいいんだと」

 上野曰く「中夜祭が存在するなら24時間営業の店があっても問題なし」ということで、彼が部長になった年から24時間営業の店になったらしい。


 「どっちの部活も、部長が独裁者だな」

 「まぁ、お互い頑張ろうや……こっちも手伝わないと怒られる」

「クラスの方に一切出れない代わりに手伝いをしろ」という理由でいろいろ酷使されている二人であった。


----

 開催まで、あと7日。

 部室では、無線テストに加えて、生徒会への警戒を進める。

 『当面は内部通信を使って話をするか、地下に行くこと』

 「そんな必要はないでしょ~」

 「はい‼しゃべった~処刑っ」

 「んな、滅茶苦茶でしょ‼‼」

 『……処したりはしないから。まぁ、頼むわ』

 「へ~い」

 「処刑っ!」

ちょうどその時ドラゴが手招きで信を呼ぶ。

 『今すぐ、俺のうちに来い。さっさと品を決めたいからな』

 『わ~ったよ』


----

 「お前の内でできんのか?」

 「できないとでも思うか」

 「う~む……」

ドラゴに連れて行かれたのは「竜々軒」という店。


 「お前の家か……」

 「営業中だから裏からだな」

 「へいへい」

裏手から店の中に入り、部屋の一室に入る。


 「その辺、適当に座ってろ」

 「何を作るんだ」

 「単刀直入すぎるだろう……四川料理だな」

 「なんだ、それ?」

 「……失敗だったな。ネットで数秒で探せ」

ネットでさっさと検索をかけた。


 「……辛そうだな」

 「それが四川料理だ」

 「子供・老人でも食えんのか?」

 「辛さを落とせばな」

 「……ここは麻婆豆腐・担担麺・回鍋肉この3種攻めでしょ」

 「お前が決めるか……いいだろ、2日で1品」

 「頼むぜ~」

 「じゃ、帰れ」

そのまま、外につまみ出された信はそのまま家に帰った。


----

 開催まで、6日。


部室内ではドラゴと青波が話を進めている。

 「……どんなもんだ?」

 「どう思います。青波先輩」

 「え~。ケチだな」

 「そのうち、食わせますよ」

 「頼むぜ~。店のシフトはどうする」

 「……基本全てでいいですよ」

 「死ぬなよ……」


----

 竜々軒店内


厨房にいるのはドラゴと店員の3人。

 「……長の息子さん」

 「ドラゴでいいですよ」

 「いやいや~。まだまだ」

 「そうですか……」


会話をしながら調理を始めるドラゴ。

 (作った合わせ調味料を加えていくか)


 豆鼓トウチ、ニンニク、四川産唐辛子、醤油1、、胡椒等で作った自前合わせ調味料を入れていく。


 「おぉ~……いい匂いがします」

 「……入れているのは、カレー粉です」

 「中華にカレー‼」「さすが、面白い」「今すぐ食いて」

 (あいつの考えたことが当たったな)


 「できました……」

出してきた麻婆豆腐はややオレンジ色をしている。


 「「「頂きます」」」

 「どうぞ……」


 「微妙に辛い、そんでカレー感がすげー……」

 「こいつには特製 豆板醤トウバンジャンです」

 「何を入れた……」

 「ソラマメの代わりにワサビ豆を入れてあります」

 「ワサビ…豆…」

 「ピリッと感を出すために入れました」

 「子供は食えんだろ」

 「問題はないですよ。さて……」


 (次は担々麺で行くか)


----

 開催まであと4日

 竜々軒店内

 「上手いな~」

 「あんま声あげないでください」

 「いや、感じたことは率直にだろ」

 「……」

 「続きはどうだ」

 「まだですかね。前日までには準備可能ですけど」

 「相も変わらず大した自信だな」

 「あっちはどうですか」

ぼちぼちという報告を受けたドラゴはまた厨房にこもり始めた。


 開催まであと3日……


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