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魂連鎖  作者: 虎太
不運の鎖編
4/33

友人

遅刻は確定しているが少しでも早く着くために全速力で走った。走っている間も今日の朝のことを考えていた。ヤクザ(ちがうかもしれない)が探している鎖を持った女とは誰なのか、なぜ家の庭に鎖があったのか、親父は鎖はお前にやると言っていた。それは元は親父のものだからか?

そんな事を考えているうちにもう高校へ着いてしまった。昇降口を過ぎ2年生教室へ遅刻の言い訳を考えながら向かっていると、廊下に越智の姿が見えた。


「おーい、越智何お前も遅刻かー?」

「おー!お前もか!独りじゃないなら心づよいな!」


越智はいつも元気がいい俺の親友だ、俺の親父がヤクザとバレてもこいつだけは普通に接してくれた元気で優しいヤツだ。


「で、越智はなんで遅刻したんだ?」

「あー、登校中知らない男に話しかけられたんだ。女を探してるってね」

「お前も話しかけられてたのか!その事なんだが…」

「越智、鳩次、後で職員室へ来なさい」


どうやら廊下で担任の工藤が待ち構えていたらしい、越智と朝の話を切り上げて教室へ急ぎ足で向かった。 どうやら朝のホームルームは終わっていたらしい。

教室に入っても話しかけられるのは越智だけだ、親父の職業がバレたのは、4月に入り、新しい先生(つまり工藤)になった後だ、工藤は俺の親父の幼なじみらしく、お互い顔を合わせた瞬間殴り合いになるほど嫌いあっていたのだ、そんな親父の息子だからか新学期、初日に親父の職業をバラされ、その日の帰りのホームルームで暴力団排除条例のパンフレットを皆に配る徹底した嫌がらせをしてきたのだ。そこまではまだ良かった、友達は先生の嫌がらせに嫌悪感を抱き教育委員会に報告しようと言い出したやつまでいたのだ。だが問題は次の日だ。このことを親父に言ってしまい親父は大激怒して学校に乗り込んできたのだ。そしてホームルーム中の工藤に殴りかかりボコボコにしたのだ。 顔は腫れ、血がタラタラと垂れていたのだ。そこで見ていたものはあまりの迫力と怖さで動けるものはいなかった。

そして俺は、なんの抵抗もしない工藤を見て、ひとつ気づいたがそれが狙いだったのだ。生徒にヤクザのトラウマを植え付け、アイツと関わるとこうなるかもしれないと思わせるために。

そのツラい惨劇を見た友達は次の日から無視という訳ではなかったが1人を除いて話しかけてこなくなり、俺は孤独となったのだ。


「職員室行かねーと」


そう越智に呼びかけられ一緒に職員室へ入り、工藤の元に謝罪しに行った。工藤が他の先生も巻き込みバカにするような嘲笑するような説教を20分ほどされやっと解放された。


「今日は短かったな!」

「それでも長いほうだ」

「それより朝言いそびれたことはなんだ?」

「あ、そういえば」


そして朝の出来事を事細かく話した。鎖のこと、登校中話しかけられたこと… それを話すと越智は鎖に興味をひいたため見せることにした。

昼休みしか見せれる時間が無かったため昼休みまで待ってもらい、先生に見られないために校舎裏で見せることにした。


「開けるぞ」

「早く!はやく!」


開けてみると鎖は勢いよく飛び出し道路の方へ逃げて行った。柵を飛び越え、追いかけるとそそくさと戻ってきた。もう追いつけないと思っていたが少し安心した。


「よしよし、もうどこにも行くなよ」


そんなことを言いながら戻ってきた道路の方を見てみると、なんとあの黒いセンチュリーが止まっていた。

運転席の男は目を見開き驚きを隠せずにいた。


「越智戻れ!」


柵にてこずっている越智に大声で伝え、鎖を学校側へ投げ自分も全速力で逃げていった。

鎖を持っていることがヤクザにバレたのだ。


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