登校
朝のゴタゴタがあったもののすぐに身支度をし玄関で靴を履き、
「いってきまーす」
とハキハキ挨拶した。家族の「行ってらっしゃーい」が聞こえてくる。だがそこに兄貴の声は無かった。
また兄貴は寝坊で遅刻だなと思い玄関を出て自転車にまたがった瞬間、両方のタイヤがパンクしていることに気づいた。俺も遅刻?そんなはずが無い、先生に嫌われている俺が遅刻なんてすれば1時間目は説教で終わる、そして越智の奴にまで飛び火してしまうかも、、そんなことを考えているとら自転車のパンクやまだ首に巻きついている鎖などにイラついてしまい
「せめて鎖がいなけりゃな」
と小言をつい吐いてしまった。
その瞬間首に巻きついた鎖がきつく締まってくる。
徐々に息もできなくなりまた咄嗟に
「親父ぃー!」
と呼んでしまった。 だが親父はまた騙されると呆れているのか、トイレで大をしているのか来ず、解こうとする抵抗も力がもう残っていないため出来ず力を弱めたが、それと同時に鎖の締め付ける力も弱まっていった、一息つく間もなく驚く事実が分かった、鎖は言葉を理解している!その事に驚いて鎖を見ていると玄関が開いたそこには親父の姿は無くら先程まで寝ていたはずの登校の準備を済ませた兄貴の姿があった。
「なに元ヤクザなんか呼んでんだ。お兄ちゃんを頼りなさいおにいを、てかなんだその鎖」
「親父をそんな呼び方すんな、優しい兄貴は学校だけか?」
「あー、分かった分かったそんな呼び方はやめる。あと家でもお前や妹には優しいじゃないか」
「……そうだな」
「……」
急に恥ずかしくなったのか兄貴は自分の自転車で学校へ向かっていった。
兄貴を見送ると急に我に戻り、遅刻は俺だけかと落胆していると親父の声がこちら側に向かって大きな声で
「鎖と遊んでないで早く行け!」
と、怒鳴った為、その大声に驚いて固まっている鎖をカバンに押し込み急いで家を出た。
20メートルほど歩いていると黒のセンチュリーが横に止まった。中を覗くと、運転席にはイカつい坊主の男がおり、俺のちょうど真横の後部座席には灰色の帽子と真っ黒のサングラスをつけた親父の元同業者のような60代くらいの男がいた。
「おい坊主」
後部座席の男が話しかけてきた。妙に低く冷たい声だった。それに続いて運転席の男が後部座席の男に話しかけた
「親分こんなガキが知っとるわけないでしょ」
「まぁ念には念をだ」
運転席の男は文句を押し殺したかのように頷いた。
どうやら後部座席の男は親分らしい、そして聞きたい事があるらしい。
「あー、小僧昨日の夜、2、30歳くらいの怪我した女見なかったか?」
夜に出歩くわけがないので見ているはずがない。なので素直に見ていないと言おうとしたら
「まだ、言ってない特徴があったなぁ、その女手に鎖も持ってたわ」
つい目を見開いてしまった、この男たちは鎖を探している。言おうかと思った、だがカバンの中の鎖がうねうねと言うな言わんばかりに抵抗していた。
「なんか知ってるんか?」
「し、知らねぇよ」
バレたかと思った、サングラス越しの目がこちらを確認するように見ている。
「…ならええ」
そのまま窓は閉じていった。助かった
「悪いねぇぼーず、?詫びに乗ってくかい?」
遅刻などどうでもいいくらい全力で拒否をした。
そうするとセンチュリーは動き出していった。
「感謝しろよ」
鎖にそういうと学校へ向かっていった。




