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魂連鎖  作者: 虎太
不運の鎖編
2/33

朝

「早く起きなさい!」


今日は5月21日朝、天気はよく暖かい季節だ。

母に大声で起こされ渋々部屋から出るとリビングにはもう兄貴以外の全員が朝食を食べていた。


「鳩次早く食べろ」


父に言われるがまま席に着く。

朝食は、飽きるくらい出たウィンナーと白米、父と妹のテレビチャンネルの取り合いを横目に朝食を食べる。

テレビは興味が無いため外の景色をみていると、 庭の何かに目が入る。最初は蛇かとも思ったが、ところどころ穴が空いている。食べている途中だが興味を惹かれ庭に出てみた。

そこにはただの鎖と小さな砂山があるだけだった。


「つまんな」


と吐き捨て、帰ろうとすると鎖がまるで生きているかのようにビクンと動いた。

腰が抜けるかと思った。鎖という生物から程遠いものがいま蛇のようにニョロニョロ動いている。逃げようともしたが好奇心がそれを止める。


幸い鎖には牙も毒もない。だが頭もないため動きが読めず上手いこと捕まえるのが難しい。試行錯誤していると、もう手だけで捕まえるのは無理だと思い、全身で覆いかぶさった。そのまま先端部分を鷲掴みし捕まえることに成功した。

親父に見せようと立ち上がると鎖のもう片方の先端部分がゆっくりと上に這い上がり、ゆっくりと首に巻きついてきた。やばい!と感じ咄嗟に


「親父ィーー!」


と叫んだ。親父が庭先を見るなり玄関へ一直線で走って行き、靴も履かずに庭へ来た。

だが先程の家の中で見た緊迫性はなく首を絞められているのではなく、首に巻きついているだけだった。


「親父、これなに?」

「知らないな。」

「ほんと?でも親父の友達にこんな鎖持ってる人いなかったっけ?」

「俺はもう足は洗ったんだ、ヤクザの友達とも縁を切ったに決まってるだろ。鎖はお前にやるから早く学校の支度をしろ!」


親父は元ヤクザだ。その証拠に小指は無い。

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